赤ちゃんが泣き止んだ! ホンダの開発した”ぬいぐるみ”がスゴイ
ホンダは、クルマのエンジン音を収録した“赤ちゃんが泣き止むぬいぐるみ”「Honda SOUND SITTER」を制作し、12月16日、その動画を公開した。
ホンダが新たに開発した「Honda SOUND SITTER」は、クルマでもなければ飛行機でもない。「クルマのエンジン音には、赤ちゃんを安心させる可能性がある」という実験結果から生まれた、スピーカーを内蔵した”ぬいぐるみ”だ。
なぜ、クルマのエンジン音が赤ちゃんを安心させるのかというと、それはエンジン音とお母さんのお腹の中で聴こえる音の周波数が似ているから、だという。
胎内音に近い音が新生児の鎮静効果に役立つことは、最近の研究でも証明されている。プロジェクトの監修を務める喜田圭一郎氏(サウンドヒーリング協会理事長)によれば、ホンダのクルマのエンジン音にも、お母さんの血流音や心音などと近い250Hz以下の低い周波数が含まれていたのだそうだ。
そこでホンダは、さまざまなクルマのエンジン音を収録。「S2000」や「インテグラ・タイプR」などを含む全37台の中から、”胎内で聴こえる音に最も近い周波数特性を持つクルマ”として、新型「NSX」のエンジン音が選ばれた。
実験では、クッションにスピーカーを入れ、泣いている状態の赤ちゃんにエンジン音を2分間聴かせ、表情や心拍数の変化を記録したところ、なんと12人中11人の表情が柔らかくなって泣き止み、さらに11人中7人は心拍数が安定したという。
そしてホンダは後日、その結果をもとにクルマ型のぬいぐるみを制作。赤ちゃんが抱きしめることを想定して小さめに設計し「Honda SOUND SITTER」を完成させた。
生地には、触り心地の良いパイル地を選択し、配色は赤ちゃんに好まれやすい赤色に。ぬいぐるみの内部に小型スピーカーを内蔵し、スマートフォンアプリを使うことでエンジン音を鳴らすことができるように手を加えた。
「本当に泣き止むの?」と半信半疑の方は、ぜひ公開された上記動画を見て欲しい。「Honda SOUND SITTER」を実際に使ってテストするシーンは、きっと驚くはずだ。
以前、ホンダが行った調査によると、お母さんたちの75%以上が「子どもが泣いてしまうことを心配して、外出することが億劫になる」と回答したという。
しかし、これさえあれば赤ちゃんもお母さんも、もう怖いものなしなのではないだろうか。慣れない外出先での安心感もぐっと高まって、家族のお出かけはさらに楽しいものになるはずだ。
唯一の問題は、このぬいぐるみが非売品なこと。こんなにカワイイくて、社会の役に立てるんだから、ホンダさんぜひ商品化をお願いします!
「Honda SOUND SITTER」
https://www.honda.co.jp/SOUNDSITTER/