アウディの4ドアEV「eトロン GT コンセプト」がカッコいい!
アウディは11月28日、ロサンゼルス・モーターショーで「eトロン SUV」「eトロン スポーツバック」に続く、第3の量産電気自動車として「eトロン GT コンセプト」を発表した。
このショーカー、車名に “コンセプト”という名こそ付いているものの、実は2020年後半に生産開始を予定する極めて市販版に近いモデルである。プラットフォームに関しては、その多くをポルシェと共同開発しており、そちらは「タイカン」としてすでに発表済みだ。
前後アクスルに2基の電気モーターを配置し、フルタイムで4輪を駆動する「eトロン GT コンセプト(e-tron GT concept)」。最高出力は434kW(590ps)と強力で、0-100km/h加速は3.5秒とR8に迫る速さを持つ。最高速度こそ航続距離を最大化するために240km/hに抑えてあるが、優れた冷却システムにより、連続してフル加速できる点がこのeトロン GT コンセプトの強みである、とアウディは説明する。
フロア下に全体に敷き詰められたリチウムイオン・バッテリーは90kWh以上の容量を備え、WLTPモード(2018年10月から導入された燃費計測用走行モードの国際基準)における航続距離は400kmを超える。800Vの充電システムにも対応し、80%までの充電にかかる時間はわずか20分と短く、320km以上の走行が可能だ。
ロー&ワイドなeトロン GT コンセプトのスタイリングは、新時代のアウディ車らしくダイナミックで未来的。4ドア・4シーターのグランツーリスモとして、そのキャラクターを強くアピールする。もちろんアウディ・デザインの象徴、シングルフレームグリルはEVになっても健在だ。ボディサイズは全長4960×全幅1960×全高1380mmと大型で、現行A7スポーツバックの全長4975×全幅1910×全高1405mmに近い(とはいえ全幅50mmの差は大きい)。
インテリアは現行アウディの水平基調でクリーンなデザインの進化版といった感じ。エコなイメージを意識してか、使用するインテリアの素材はリサイクル繊維や植物由来なのだという。レザーなど動物由来の素材を一切使用していない点は興味深い。
アウディは今後、さらに電動化で攻勢を強めていく方針だ。2018年9月に販売を開始した同社初の量産電気自動車「eトロン」を皮切りに、2019年には「eトロン・スポーツバック」をリリース。さらには「アヴァント」「スポーツバック」といった従来型のボディを備えた電動モデルを導入することで、コンパクトからフルサイズクラスまで、あらゆる市場セグメントを網羅していくという。
なお、アウディ eトロン GT コンセプトは2020年後半までに量産モデルが登場し、最初の納車は2021年初頭になる予定だ。
また同社では、これら一連のモデルとは別にもうひとつ、ポルシェとの共同プロジェクト「プレミアム・プラットフォーム・エレクトリック」が進行中であることを今回発表した。このプラットフォームはB~Dセグメントをカバーし、将来のアウディの電気自動車の基盤になるという。
これまでテスラ一辺倒だったプレミアムな電気自動車界隈に、一気にアウディ、ポルシェが参入。マーケットが盛り上がるのはこれからだ。