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最終更新日:2018.11.29 公開日:2018.11.29

ロールス・ロイスやベントレーなどを動画と画像で! 戦前+1940年代編【トヨタ博物館 クラシックカー・フェス 2018】(1)

「クラシックカー・フェスティバル in 神宮外苑」レポート第1弾! 1927年製ロールス・ロイス「ファントムI」など、戦前から1940年代までの計8台を動画と画像で紹介。

展示会場の明治神宮外苑 聖徳記念絵画館前を出発して、パレードランに向かうロールス・ロイス「ファントムI」。1927年製で、パレードランに参加した車両の中では最も歴史を有する。

 例年よりも半月ほど早く、11月17日に開催された「トヨタ博物館 クラシックカー・フェスティバル in 神宮外苑 2018」。ヘリテージを尊び、人とクルマの未来を見据え、日本の自動車文化を育んでいくことを目的としたクラシックカーと旧車の祭典だ。希少なクルマのオーナーが自慢の愛車で参加する国内屈指のイベントで、明治神宮外苑 聖徳記念絵画館前~皇居脇~銀座周辺~絵画館前というパレードランは、沿道に詰めかけた多くの人々を楽しませている。

 今年も多くの貴重なクラシックカーや旧車がパレードランに参加し、また展示された。そのレポート第1弾は、1913~1946年に製造された8車種を動画と画像で紹介する。

【2018年のリポート一覧・すべて動画あり!】

車種別インデックス:70台強のクラシックカー記事がすぐに見つけられる!
第2弾:動画で見る1950年代の名車たち。「ミニ」など、辞典なみの情報量で紹介!
第3弾:ピックアップ型「ランクル」など、1960年代、魅惑の日本車を集めてみた! 前編
第4弾:1960年代後編は、ホンダ「S800」やいすゞ「ベレット 1600GT」など国産の名車を集めてみた!
第5弾:1970年代前編:クラウン、フェアレディ、グロリア、ff-1、ジムニーなど!
第6弾:1970年代後編:初代「カローラ レビン」やケンメリ「スカイライン」など!

ゲートをくぐってパレードランに出発するクラシックカーたち。この動画では、1927年製ロールス・ロイス「ファントムI」から1933年製オースチン「10-4」までの戦前の7車種に、1946年製MG「ミジェット TC」を加えた合計8車種の走行シーンを収録した。

展示参加で最古参の1913年製! AC「ソサイアブル」

 パレードランは残念ながら不参加だったが、今回の展示参加車両中で最古参だったのが、1913(大正2)年に英国最古の自動車メーカーとされるAC社が製作した3輪車「ソサイアブル」。ACとはAuto Carrierの略で、後のACカーズのことで、フォード製V8エンジンを搭載したモンスターカー「ACコブラ」で知られている。

「ソサイアブル」を前方から。前2輪+後1輪のリバーストライク型だ。空冷・735cc・サイドバルブ方式の単気筒エンジンを搭載。出力は5馬力だった。

「ソサイアブル」は後ろが1輪。全長は約7フィート(約2.1m)。シャシーは木製だ。後1輪が駆動輪で、チェーン駆動方式が採用されている。

パレードランの先頭を切ったロールス・ロイス「ファントムI」

 日本に現存する公道走行が可能なクラシックカーの中でも、屈指の歴史を有する1台。現在はBMW傘下のブランドとなっているが、英国の高級車メーカーだったロールス・ロイスが1925(大正14)年に世に送り出したのがこの「ファントムI」。この車両は1927(昭和2)年製だ。冒頭の動画では、パレードランに最初に向かったのが「ファントムI」だ。

7.7Lという大排気量のエンジンを搭載するが静粛性が高いことから、”幽霊”を意味する「ファントム」の名がつけられたという。

戦前のル・マン24時間レースで2連覇を達成したベントレー「6.5L」

 こちらも国内のさまざまなクラシックカー・イベントに参加しており、非常に有名な1台。「6.5L」は、現在はフォルクスワーゲン傘下だが、かつて英国の高級車・スポーツメーカーとして名を馳せたベントレーが1926(大正15)年に発表した大排気量スポーツカー。1929(昭和4)年・1930年のル・マン24時間レースで2連覇を達成した。この「6.5L」は1928年製。

ベントレーは当時、スポーツタイプとして3L、4.5Lと開発し、そしてこの6.5Lが誕生。最高速度は時速160kmまで出せる。

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続いてフォード「モデルA」やMG「ミジェット TC」など!

大ヒットを記録したフォード「モデルA」は2台が参加

 世界で初めて大量生産され、約20年で1500万台以上という大ヒットを記録したフォード「モデルT」。その歴史的な名車に続いて、フォードが1927(昭和2)年に発表したのが「モデルA」だ。同車は、同年の10大ニュースに数えられるほどの一大センセーションを巻き起こし、ヒットしたという。この時点でフォードは高級車メーカーのリンカーンを買収していたことから、大衆車ではあるが「モデルA」には高級車のスタイリングを採り入れており、それが魅力となったのである。

「モデルA」は1927年に発表され、1928年から1931(昭和6)年まで生産された。4気筒エンジン、3段変速機、横置きリーフスプリング・サスペンション、4輪ブレーキなどは「モデルT」から引き継がれたが、シャシーは大幅に強化された。このゼッケン4番の「モデルA」は1929(昭和4)年製で、今回参加した米国車の中で最も歴史がある。

ゼッケン6の「モデルA」は最後期の1931年製。正式名称は「モデルA 68B カブリオレ」で、オープントップにできるコンバーチブルタイプの高級グレード。「モデルA」の中では最も生産台数が少なく、1931年に生産されたのは1万1801台だった。

1914(大正3)年製の「モデルT ツーリング」。記念乗車撮影用にトヨタ博物館が展示した1台。「モデルT」は1908(明治41)年に登場し、大量生産により約20年間で1500万台以上が生産された。自動車産業史上で最も生産されたクルマで、世界中で”クルマの大衆化”を実現した1台である。

1930年製アルファロメオ「グランスポルト」の復刻車

 今回、1930(昭和5)年製として参加しているが、実際には同年にアルファロメオがデビューさせた「1750型グランスポルト」を、限定75台の注文受注で1967(昭和42)年に復刻したモデル。正式名は、「グランスポルト クアトロルオーテ 4R ザガート」。中でも右ハンドル車は特注のために希少で、世界で15台ほどだという。オーナーは当時正規ディーラーで購入し、オリジナル状態で維持しているとのことだ。

エンジンは水冷直列4気筒DOHC、排気量は1570kg。車名にあるザガートとは、イタリアの名門カロッツェリア(デザイン工房)のひとつ。ナンバープレートの「練馬5」が登録からの歴史を物語っている。

29万台が生産されたうちの1モデル・オースチン「10-4」

 英国のオースチンはのちにナッフィールド・オーガニゼーションと合併し、BMC(ブリティッシュ・モーター・コーポレーション)となるメーカーで、創業は1900年代初頭まで遡る。「10-4」は、戦前の1932(昭和7)年から戦後の1947(昭和22)年まで生産された「10」シリーズの1モデルだ。同シリーズはさまざまなタイプがあり、合計で29万台が生産された。この「10-4」は初期の1933年製。

オーナーは、先代の英国人オーナーが高齢のために売り出したところを購入。し、日本の保安基準に適合させるため、自ら改造して車検を通したという。

今回唯一の1940年代の車種MG「ミジェット TC」

 MGとは”モーリス・ガレージ”の略とされ、「ミニ」などを生み出した英国モーリスのスポーツモデルを手がけるブランドだ。この「ミジェット TC」は、1936年に登場した「ミジェット T」シリーズの1種で、英国製ライトウェイトスポーツの先駆けといわれる。戦前型の「ミジェット TB」の運転席を拡大して居住性を向上させたのが、「ミジェット TC」だ。参加車両は1946年式。

英国製ライトウェイトスポーツは、第2次大戦で欧州に駐留した米兵がその軽快さに魅せられ、帰国してからも愛好し続けたことで米国でブームが起きたという。

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