コーヒーに合う和菓子はコレ! 珈琲♡和菓子コンテスト2018
和菓子とコーヒーは仲良くなれるのか? そんな興味をくすぐるコンテストが開かれた。 果たして新たなコーヒーのお供はどのような和菓子なのだろうか。
そもそもコーヒーと和菓子って合うの?
和菓子のお供といえば、どうしても日本茶を選びたくなってしまうところだが、みなさんはコーヒーと和菓子を一緒に楽しむことはあるだろうか。意外と思われるかもしれないが、コーヒーとあんこの相性は抜群。騙されたと思ってぜひ一度、羊羹や大福をコーヒーとともに食していただきたい。特にブラックコーヒーと羊羹の組み合わせが筆者のオススメだ。
このように、コーヒーとの潜在的な相性を見つけることができれば、和菓子の楽しみ方もより幅が広くなるはずだ。そんな興味をくすぐるコンテストが開かれ、先日グランプリが発表された。果たして新たなコーヒーのお供としてグランプリに輝いたのはどのような和菓子なのだろうか。
「珈琲♡和菓子コンテスト 2018」とは
プロの考案した「コーヒーに合う和菓子」とはどのようなものなのか、期待が高まる。
味の素AGF株式会社(以下、AGF)は「珈琲♡和菓子プロジェクト」の一環として、和菓子の製造や販売に携わる方を対象に和菓子を募集する「珈琲♡和菓子コンテスト 2018」を実施。このコンテストは2つの部門に分かれており、部門1は今年で3回目となる「コーヒーを用いた和菓子のコンテスト」。部門2は「AGF®『煎』と共に楽しむ創作和菓子のコンテスト」となっている。
和菓子職人の挑戦! 香り高いコーヒー味の和菓子
部門1「コーヒーを用いた和菓子のコンテスト」では、AGFのコーヒーを原材料として用いた和菓子を公募。全国から合計188品の応募があり、レシピ選考による1次審査、審査員の実食審査による2次審査が行われた。
審査員の1人、日本菓子協会東和会会長の梶山浩司さんは「コーヒーの風味の引き立たせ方はもちろんのこと、他の素材との組み合わせや味のハーモニーという点でもおもしろいものがいくつかありました」と語った。また、全国和菓子協会会長の細田治さんは「和菓子にはあまりないような組み合わせや作り方など、昨年までには見られなかった新しいアイディアやチャレンジというものを目にすることができました。年々みなさんの意気込みが強くなっているのを感じて嬉しくなります」とのコメントがあった。
《コーヒーを用いた和菓子のコンテスト》
【グランプリ】
専修学校日本菓子専門学校/長澤真悟さん作
「LATE・焼」
インスタントコーヒーのフリーズドライ製法同様の凍結微粉砕コーヒーを使用。コーヒーの香ばしさが焼き菓子に封じ込められている。
【大賞】(2作品)
朝日風月堂/木下卓さん作「三種の香のマリアージュ」(左)
雪華堂/高橋謙さん作「亜麻色オペラ」(右)
「三種の香のマリアージュ」(左)は、チョコレートケーキのような見た目だが、餡を混ぜてふんわりと蒸し上げた上生菓子の「浮島」と羊羹による和菓子。「亜麻色オペラ」(右)は、白あんをベースにした練切と羊羹に、歯ざわりがサクサクのビスキュイ(ビスケット)を加えた生菓子となっている。
“コーヒーと和菓子”を楽しむために生まれた極上の和菓子
部門2は、今年からスタートした「AGF『煎』と共に楽しむ創作和菓子のコンテスト」。AGFのコーヒー『煎』と相性がよい創作和菓子を公募。全国から計91品の応募があり、グランプリ1品、大賞2品、金賞5品の計8品および優秀賞26品が決定した。
こちらは、実際に2種類のコーヒーを味わいながら審査されたという。濃厚なコーヒーは餡との相性がよく、さっぱりとしたコーヒーにはフルーツの酸味がよく合う印象。また、どちらのコーヒーにも共通して合うと感じられたのはナッツで、食感のアクセントにもなるようだ。また、どちらが主役か脇役かというわけではなく、対等においしさが引き立つ関係であること。応募作品の中には、そういうバランスのいい関係を築くことができる和菓子もあり、職人の技術の向上を感じたといった声があった。
《AGF『煎』と共に楽しむ創作和菓子のコンテスト》
【グランプリ】
有限会社伊勢屋/谷川イリーナさん作
「穏やかな珈菓(こうか)」
林檎(ふじ)を使ったやさしい口当たりの林檎蒸し羊羹。ほんのりとした紅色も上品な仕上がりだ。
【大賞】(2作品)
甘春堂/岡田紗楽さん作「胡桃菓(ことうか)」(左)
金精軒製菓/土見奈奈さん作「ジャンドゥーヤ黄身時雨」(右)
周囲を少し焦がすことで香ばしさを引き立たせている「胡桃菓(ことうか)」(左)は、黒糖くるみを使用し香ばしく仕上げている。右はローストして細かく砕いたヘーゼルナッツを加えたチョコレート「ジャンドゥーヤ」を和菓子にアレンジした「ジャンドゥーヤ黄身時雨」。
このコンテストを開催した「珈琲♡和菓子プロジェクト」は、日本の水に合う「JapaNeeds Coffee」(ジャパニーズコーヒー)を目指したブランドAGF『煎』が2016年より取り組んでいる活動。”コーヒーと和菓子を楽しむ”という新しい食文化の創造をコンセプトとして、さまざまな取り組みを行っている。