映画『ボヘミアン・ラプソディ』を「4DX」と「胸アツ応援上映」で見てきた!
今、多くの人たちが劇場に足を運び話題沸騰の映画『ボヘミアン・ラプソディ』。近年ではさまざまな上映形態で映画を楽しむことができるが、この作品を「4DX」と「応援上映」の2つのスタイルで体感してきた。
2018年11月9日・10日公開作品の”ぴあ映画初日満足度ランキング”でも第1位を獲得。映画『ボヘミアン・ラプソディ』は今、多くの人たちが劇場に足を運び話題沸騰の作品だ。伝説のロックバンド「クイーン」の伝記映画で、ボーカリストのフレディ・マーキュリーの成功と苦悩、そしてバンドの成長を描いた物語。映画のクライマックスでは、20世紀最大のチャリティーライブ「ライヴ・エイド」のステージパフォーマンスが再現されている。
ぴあ映画初日満足度ランキングでも1位になり、盛り上がりを見せている映画『ボヘミアン・ラプソディ』。
(C)2018 Twentieth Century Fox(C)2018 Twentieth Century Fox
この作品に限らないが、近年ではさまざまな上映形態で映画を楽しむことができる。通常のフィルムよりも大きなサイズの映像を記録・上映ができる「IMAX」、映像・音声に合わせて座席稼働や環境効果が体感できる「4DX」などがあり、本作品でも、それぞれの上映形態で「より迫力のある映画体験ができる」とSNSなどでも話題になっていた。
そんな中、気になったのが4DXでの上映形態。「ん、音楽映画で4DX?」頭の中にクエスチョンマークが浮かぶ。4DXは、座席自体が前後&上下左右に動き、シートの振動で衝撃なども擬似体感できるシステム。嵐などのシーンでは座席に風が吹いたり、濡れない程度に水が噴き出したりすることも。通常のシアターでは得ることができない特殊効果によって、映画の持つ臨場感を最大限に演出することができる、いわばアトラクション・スタイルの映画上映システム。通常はアクション映画などを上映することが多いのだが、音楽映画との相性はどうなのだろうか。
まずはSNS検索で『ボヘミアン・ラプソディ』をすでに4DXで見た人たちの声を追ってみた。そこはまさに絶賛コメントの嵐。劇中曲に合わせて振動するシートの心地よさや、ライブシーンの体感度合いがケタ違いだというコメントが多数見受けられた。これは絶対に4DXで見るしかない!
というわけで、さっそく4DXの上映館へ足を運び『ボヘミアン・ラプソディ』を鑑賞してきた。
「4DX」で、スタジアムの風を感じながらの擬似ライブ体験!
以前、アクション映画で4DX上映を体感したことはあるが、アクションシーンなどで常に座席がガタガタと揺れる効果などは好みが分かれるところ。『ボヘミアン・ラプソディ』はどうなのだろうか。期待と不安が入り混じる中、ストーリーが次々に展開していく。ライブハウスのシーンでは場内にフラッシュが光り、スクリーン前からはスモークが噴き出す。そして雨のシーンでは座席にもポツポツとわずかだが水しぶきが降ってくる。もちろん曲に合わせてシートが振動するのは言うまでもない。
しかし『ボヘミアン・ラプソディ』と4DXの相性は、クライマックスで最大限の効果を発揮した。劇中のクライマックスは、かつてロンドンにあったウェンブリー・スタジアムでのライブシーン。カメラが観客の頭上からステージにズームする場面では、ライブ会場の中に吸い込まれたかのような感覚に陥った。そして何といっても、野外スタジアムに吹く風を座席にいながら浴びることができ、その場にいるかのような臨場感を味わえた。まさに全身で映画を体感することとなり、思わず大声で歓声をあげたくなるほどだった。
手を叩き、叫びたいなら「応援上映」!
想像以上に臨場感が味わえた4DX上映は満足感の高いものだった。しかし、唯一物足りなかったのが、じっと静かに鑑賞しなかければならなかったこと。しかし、そんなモヤモヤが解消できるのが「応援上映」。近年、一部の劇場でイベント的に開催されることが増えてきたこの試み。ありがたいことに『ボヘミアン・ラプソディ』でも実施されていた。しかもわざわざ「”胸アツ”応援上映」と銘打たれている熱の入りよう。応援上映なら、拍手、手拍子、発声がOK。さらにこの作品では、曲の流れるシーンに英語字幕をのせた特別バージョンが上映されるとのこと。これは行くしかない! というわけで、応援上映について検索したスマホ画面からそのままの勢いで座席を予約。仕事終わりの月曜の夜、早々に劇場へ足を運んでみた。
「胸アツ応援上映」会場前の案内看板。果たして劇場内はどんな雰囲気になるのだろうか。期待と不安が入り混じる。
場内に入ると月曜の夜ということもあってか、満席にはなっていなかった。そして周囲は往年のクイーンファンであろう年配の方々が多く目に付く。今のところ、静かに着席しているこの方々もスクリーンに向かって拍手や声援を送って盛り上がってくれるのだろうか。少し心配になってきた。
そんな中、ついに上映開始。オープニングには配給会社である20世紀フォックスのファンファーレが流れるのだが、この映画ではクイーンのギタリストであるブライアン・メイのギター演奏バージョンになっている。早くもここで最初の拍手と絶叫が場内に響いた。よし、いい感じだ。通常の場面では、普通の劇場内とまったく変わらず静かな客席。だが、曲のシーンになるとスクリーンに向かって手拍子を送り、シャウトし、時にスクリーンに映し出された歌詞とともにサビを合唱するなど、最初控えめだった人たちのリアクションも次第に大きくなってきた。
気付くと劇場内は、曲のシーンになると思いのままに手を叩き、声をあげるといった光景が広がっていた。少し気になったのが、上映中に席を立つ人が多かったこと。これは後でわかったのだが、売店でビールを買いに行って飲みながら鑑賞していた人が多かったようだ。このあたりも通常上映と雰囲気がちょっと違ったところだ。
そしてやってきたクライマックスのライブシーン。客席では往年のクイーンファンの方々も大きくこぶしを上げ、女性の絶叫も響く中、ハイテンションな外国人の観客たちも劇場を大いに盛り上げた。ライブ会場が一体となってコーラスをするシーンでは劇場中が熱唱。一緒に歌う心地良さにも酔いしれることができた。
最後のライブシーンが終わると「フレディ、ありがとー!」と思わず叫ぶ女性も。終幕時には劇場中が拍手喝采となったのはもちろんのこと、席を立つ際には観客の間でサプライズが。「エーオ!」「オレオレオ!」フレディーがライブ時にパフォーマンスするコール&レスポンスが湧き起こったのだ。きっと週末や応援上映の最終日にはさらなる盛り上がりが期待できることだろう。
終幕後、テンションが高まり過ぎて思わずフレディーになりきってしまった。Rock You!!!
4DXと応援上映、どちらもそれぞれ違った臨場感が味わえ、単なる映画鑑賞を超える体験ができた。4DXでは、今では映像でしか見ることができないライブ会場に足を運んだかのような感覚が味わえ、応援上映では、思うがままにシャウトすることもできた。好きな作品の世界にさらに一歩入り込みたいと思うなら、こういった特別上映に足を運んでみるのもオススメだ。