トヨタ、月定額”乗り放題”とカーシェア始めます。その中身とは?
トヨタは11月2日、車のサブスクリプションサービスを2019年初めに開始すると発表した。
サブスクリプションサービスとは何か。モノを売り切るのではなく、「定額」で貸し出すサービスのことだ。アパレルや音楽配信などでは人気になりつつあるサービス形態の一つだが、車への導入事例もある。IDOMが運営する「ノレル」や、オリックス自動車と提携する「カルモ」が有名だ。細かいサービスに違いがあるが、レンタカーとは異なり基本的には車の名義変更を行うことになる。レンタカーやカーシェリングよりも「所有」に近いサービスだ。別の車種への乗り換えも可能というのもメリットだ。一般的に支払い総額は購入するよりも高くつく場合が多い。しかし一方で、初期費用が安くて済み、保険や税金の手続きや入金の煩わしさから解放されるという利点もある。
トヨタでも同様に、税金や保険の支払い、車のメンテナンス等の手続きをパッケージ化する。その上で、月々定額でレクサスなどの車を「自由に選び、好きなだけ楽しんでいただく」としている。なお、現時点では料金や具体的な車種は未定となっている。
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トヨタは、このサブスクリプションサービスの発表と同時に、カーシェアリング事業を新たに開始すると発表した。最近は若者を中心に、モノを所有しないでシェアするという風潮が強まっている。こうした機運にトヨタでは、今年12月から東京都中野区内の20拠点でカーシェアリングサービスのトライアルを開始。19年2月からは、都内ディーラー等の直営店20店舗程度を活用し、東京全域にトライアルを広げるとしている。
シェアリングのためのシステムやデバイスはトヨタが販売店に提供する。トヨタでは既にハワイで利用しているシェアリングアプリがある。これを日本向けにカスタマイズするとともに、車両情報を取得する通信型のドライブレコーダーや、決済システムを合わせて導入する見込みだ。
これらサブスクリプションとシェアリングで、ユーザーが車に接する機会を増やしていくのが狙いと見られる。新しい取り組みによって新車販売台数減で苦境にあえぐ販売網へのカンフル剤となるか。この成否がトヨタが目指す「モビリティカンパニー」への変革を進めるための大きな鍵となっている。