マクラーレン史上最速「マクラーレン スピードテール」とは?
マクラーレン・オートモーティブは10月26日、”究極のロードーカー”と銘打った新型スーパーカー「McLaren Speedtail(マクラーレン スピードテール)」を発表した。
マクラーレン・オートモーティブは、2010年に設立されたイギリスのハイパーフォーマンスカーやスーパーカーを製造するカーメーカーだ。だが、マクラーレングループとしては、皆さんご存知の通り、F1参戦をグループ創立以前より続け、数々の輝かしい戦績を残し、現在もモータースポーツ界を牽引するグループとして君臨している。そのグループ内で現在最大の企業となっているのがマクラーレン・オートモーティブ(以下マクラーレン)である。
今回発表されたMcLaren Speedtailは、全長5.2mのカーボンファイバー製の流麗なボディを持つ。見た目に美しいだけではない。エアロダイナミックスに優れているのだ。通常、超高速で走る性能を有する車は、超高速時の車体の浮き上がりを防止するために、ボディ上方後部やフロントサイド部にウイングを装着する。McLaren Speedtailの場合は車体床面下の形状を工夫することで、この浮き上がりに対処した。車体に後付け感のある無骨な「羽」がついていないため、ボディが際立って美しく見えるというわけだ。
その超高速性能だが、この車、実はハイブリッドカーである。エンジンとモーターを合わせた最高出力は1050psにも達し、最高速度は時速403kmを誇る。1430kgの車重で、0-300km/h加速をなんと12.8秒で達成する。これは、並みのスポーツカーでは時速200kmにも到達していないタイムである。マクラーレンとしても同社の市販車史上最速としている。ちなみに、この記録はマクラーレンF1の最高速度記録である、時速391km(レース外記録)も上回っていることから、いかに超高速性能に優れるのかがお分かりいただけるだろう。
この最高速性能を確保するために、リアにエルロン(写真上:補助翼)が隠されていて、この角度を自動で調整。ロードクリアランスを35mm下げ、全高を1120mmにする仕組みが備わっている。加えて、デジタルサイドミラー(写真下)を格納することでさらに空気抵抗を低減する。(関連記事:レクサスが「デジタルアウターミラー」を量産車で初搭載。)
マクラーレンは、市販車のドライビングシートを、F1のように車体中央へ配置することで知られているが、McLaren Speedtailも同様だ(写真上)。ただし、だからといって速さに特化しただけの車ではない。車体前後にラゲッジスペースを有し、普通のドライブにも使える。内装はカーボンやチタン、レザーなどを使用し、オーナーの好みに仕立て上げることができる。
McLaren Speedtailの価格は175万ポンド(およそ2億5000万円)からとなっている。が、残念なことに、106台の限定生産で、すでに予約販売を完了している。マクラーレンによると、日本への導入台数は公表できず、日本での公道走行の可否についても提供できる情報はないとのこと。