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最終更新日:2018.08.04 公開日:2018.08.04

日産「グランピングカー」とホンダ「N-VAN」軽キャンパー仕様

日産が開発中のキャンピングカーのベース車両「NV350 キャラバン グランピングカー」がいよいよ10月にリリースされることが正式に決定した。また、ホンダが7月12日に発売した軽商用車の新型「N-VAN」は、乗用グレードも用意されており、それにホンダアクセス純正のアウトドア用アクセサリー類を備えることで、軽キャンパーに早変わりするという。ここでは、7月21日・22日に開催された、「東京キャンピングカーショー2018」(東京ビッグサイト)で2台を見てきたので、紹介する。

 いつかはキャンピングカーがほしい、という人も結構いるのではないだろうか。この時期に開催される国内でも有数の出展台数を誇る展示会が、東京キャンピングカーショー2018だ。今年は7月21日・22日に開催された。

 現在、国内のキャンピングカー市場で、ここ数年目立つようになってきたのが、ソーラー発電システムの発電量の増大やバッテリーの大容量化が可能にした、多数の家電を搭載した豪華な「グランピング」と呼ばれるスタイル。そしてもうひとつがもはや定番といっていいコンパクト路線、軽自動車ベースの軽キャンパーだ。

 日産「NV350 キャラバン リチウムイオンバッテリー搭載 グランピングカー」(グランピングカー)は、2017年2月のジャパンキャンピングカーショーで初めて出展され、グランピング路線のベース車両として開発が進められてきた。今回の展示会で10月の発売が正式にアナウンスされた。

 そして軽キャンパー路線の提案をしたのが、ホンダアクセス。ホンダが7月12日に発売したばかりの商用軽自動車「N-VAN」をベースに、純正アクセサリー類を装備するだけで軽キャンパーに変身できる1台だ。

10月発売決定! 日産「NV350 キャラバン グランピングカー」

日産がキャンピングカーの架装ビルダー向けに10月から発売を開始する、「NV350 キャラバン リチウムイオンバッテリー搭載 グランピングカー」をベースにした、日産ピーズフィールドクラフトの「NV350 キャラバン G-LIB」。

 現在、キャンピングカーのベース車両として、多くのビルダーや一般ユーザーから期待されているのが、日産の「グランピングカー」だ。ワンボックスカー「NV350 キャラバン」をベースとしており、「リーフ」などで培ったEV技術を用いて開発したリチウムイオンバッテリーシステムを搭載しているのが特徴だ。

 市販はされない予定で、キャンピングカーの架装ビルダー向けに販売される。そして各ビルダーが自分たちのコンセプトのもとにキャンピングカーとして完成させて販売するのである。

日産ピーズフィールドクラフトの「NV350 キャラバン G-LIB」の車内。豪華な雰囲気が特徴。

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いくつも家電を搭載してもバッテリーが切れない頼もしさ!

もはや走るリビングダイニング状態で家電フル装備!

 「グランピングカー」のバッテリーは総電力量が8kWhあることから、いくつもの家電を搭載しても、普通に使うのであれば1~2泊はバッテリー切れの心配はいらないという。もちろんプラグインで充電もでき、AC電源つきのキャンプサイトなら、バッテリー切れの心配はまったくなくなる点も嬉しい。

 東京キャンピングカーショー2018では。日産ピーズピーズフィールドクラフトが早速「グランピングカー」をベースとした「NV350 キャラバン G-LIB」を披露。

 家庭用のルームエアコンに加え、クーラーとヒーターも搭載。さらに、IH調理器、電子レンジ、モニター、冷蔵庫、そしてオプションでリアスピーカーも備え、各所にはLED照明。そこにシンクと各19Lの給排水タンクもあることから、もはや走るリビングダイニングという豪華さ。キャンピングカーというよりは、小型モーターホームといえるフル装備ぶりだった。

 大型のキャンピングカーに家庭用ルームエアコンを搭載するのは今や常識となっている。ルームエアコンをバッテリーで稼働させることでエンジンを回さなくて済むからだ。

 ワンボックスカーベースのバン・コンバージョン市場のベース車両は、トヨタ「ハイエース」が圧倒的なシェアを誇り、各ビルダーが市販のバッテリーシステムやソーラー発電システムを搭載して家電を使えるようにした車種も多い。

 それに対し、「グランピングカー」の大容量バッテリーシステムは、日産がEVで得た技術を用いて開発されたもの。メーカー純正の技術だけに、安定感や安心感は間違いなく大きいだろう。どこまでシェアを伸ばせるか? 今年10月以降の「グランピングカー」の動向から目が離せない。

「NV350 キャラバン G-LIB」を後方から。シンクやIH調理器具などを備え、家庭用のルームエアコンも積む。展示車両の価格は1022万6000円(税別)だ。

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続いてはホンダの軽キャンパーに迫る!

新型「N-VAN」は実はホンダ純正軽キャンパーだった!?

ホンダの商用軽バン「N-VAN」。「N」シリーズは、ホンダの人気軽自動車「N-BOX」をベースに開発されており、「N-VAN」は「N」シリーズ第2世代の2車種目となる。ホンダのかつての商用車「バモス」の系譜で、先代は「アクティバン」。車体の右にあるのは、ホンダアクセス製のオリジナルプライバシーテント。

 現在、キャンピングカーを購入する主要顧客となっているのが、60歳を過ぎて定年退職した世代。この世代には、夫婦ふたりで旅行して回ることを目的としつつも、街中でも取り回しがいい普段使いも可能で、車両価格も安価な軽キャンパーが人気だ。

 従来の軽キャンパーというと、スズキ「エブリイ」などの車内容積の大きい商用バンや、ダイハツ「ハイゼット」など積載量のあるトラックなどをベースに、各ビルダーが改装を施していた。この2台が軽キャンパーのベース車として圧倒的なシェアを占めるという。

 そうした中、ホンダアクセスが今回展示したのは、ホンダが7月12日に発売したばかりの軽商用車「N-VAN」に純正アクセサリー類を搭載しただけで軽キャンパー仕様とした1台だ。

 「N-VAN」の乗用グレードである「+STYLE FUN Honda SENSING」をベースに、ホンダアクセスがキャンピングカービルダーのホワイトハウスとコラボレーションして開発した「N-VAN」専用アウトドア系アクセサリー類を搭載。テールゲートタープ、サイドオーニング&オリジナルプライバシーテント、スライド式収納ボックス&アウトドアテーブル、クイックエアマット(ダブルベッドタイプ)などである。

 従来の軽キャンパーのように、車体そのものを大きく改装することもなくこれらを装備するだけで車中泊ができ、オートキャンプ場なら車外で寝泊まりすることも可能。もしかしてホンダは、軽キャンパーとしての利用まで想定して「N-VAN」を開発したのではないかと考えてしまうほどしっくりきていた。

シートをすべてフラットにすることで、大人でもふたりの車中泊が可能。室内寸法は、助手席側の前後長1510×左右幅1235×高さ1365mm。

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「N」シリーズ中「N-VAN」が最もキャンピングカー向き?

「N-VAN」にしかないキャンピングカー向けの特徴とは?

助手席側はセンターピラーレスの開口部。軽バン(軽商用車)としては初めての採用ということだ。助手席のドア内にピラーを埋め込んだドアインピラー機構を採用したことで、センターピラーをなくすことができた。

 ホンダの軽自動車「N」シリーズには、その中核となる大人気の「N-BOX」を初め、よりコンパクトで走りの楽しさを追求した「N-ONE」やワゴンタイプの「N-WGN」などもあるが、「N-VAN」にはそれらにはない、キャンピングカー向けの大きな特徴がひとつある。それが、助手席側をセンターピラーレスにしたことと、フロントドアを90度開けられるようにしたことで実現した「ダブルビッグ大開口」と名付けられた広い開口部だ。

 これは本来、商用利用の際に荷物の積み下ろしのしやすさを考慮して、助手席側のフロントドアにドアインピラー構造を採用したことで実現した特徴。これにより、ドアを閉じればセンターピラーがあるのと変わらない剛性を確保している。

 アウトドア用品もサイドオーニングやテント、テーブルなど、かさばるものが多いことから、ダブルビッグ大開口なら積み下ろしが容易になる。さらに、車内とテント内も往来しやすいというメリットもある。

 ブース説明員によれば、これまで出展してきた中で最もブースの訪問者が多いそうで、反応は上々だという。軽キャンパー市場の2大巨頭であるスズキ「エブリイ」とダイハツ「ハイゼット」の牙城を崩せるか、ホンダ「N-VAN」の軽キャンパー市場での活躍に期待したい。

フロントドアは運転席側も90度まで開く。展示車両の価格はベース車両が163万1880円(税込)で、インテリア及びエクステリアの追加やパーツ交換、そしてホンダアクセス純正アクセサリー類などを加えると、311万3640円(税込)。アウトドア系の純正アクセサリー類の合計は52万1640円(税込)だ。

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