中国車がカッコよくなった3つの理由
WEY VV7
WEYは長城汽車の高級車ブランド。中国におけるレクサスを目指しており、昨年のオート上海と同様に、北京モーターショー2018でも外国人モデルを積極的に起用。洗練された雰囲気で多くの来場者を集めていた。
中国車の劇的ビフォーアフター!?
筆者は昨年初めて中国の自動車ショー(オート上海)に出向き、中国車の進化を目の当たりにしたことで、それまで抱いていたイメージが大きく変わった。とはいえ、昨年のオート上海では、ポルシェ・マカンやレンジローバー、マツダCX-3などに激似の車が出展されていたのも事実。
昨年の上海モーターショーに出品されていた、レンジローバー激似のLANDWIND
ポルシェ・マカン激似のゾタイ・SR-9
だが、今年の北京モーターショーでは、中国車はさらに進化していた。上の写真のような、既存車種にデザインが激似のいわゆる「パクリ車」がほぼ姿を消していたのだ。
近ごろ、中国車がカッコいい!
今年開催された北京モーターショー(4月29日から5月4日までが一般公開)では、純粋な中国メーカーの車がとにかくカッコよく見えた。いずれも中国ならではのオリエンタルなテイストを残しつつも、洗練されたボディシルエットが印象的だった。そこで今回は、中国車が俄然カッコよくなった3つの理由について考察してみたい。
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なぜ、中国車はカッコよくなったのか?
中国車が俄然カッコよくなった3つの理由とは?
筆者が考えるに、中国者が俄然カッコよくなった理由は以下の3点。
1.いわゆる「パクリ車」がほぼ消えた
2.中国らしいオリエンタルなテイスト感
3.欧州や日本で実績のある技術者を積極的に採用
特に重要なポイントは3番だ。中国車が急にカッコよくなった理由。それは、実に簡単な話である。欧州や日本の自動車メーカーで実績のあるデザイナーを起用したり、ピニンファリーナを筆頭に有名カロッツェリアにデザインを依頼したり。その結果、短期間でカッコいい車がたくさん誕生しつつあるというわけだ。
近年の傾向としては、ドイツのやボルクヴァルトやイタリアのSWM、イギリスのMGなど、経営破綻した(または、幽霊会社のような?)ブランドを中国メーカーの資本で復活させる。そこに、欧州デザイナーが手掛けた新しい車を投入すれば、パクリ系や、東風 EQ7240BPに代表される中国メーカーならではの奇抜なデザインの車は極めて少なくなる。さらに、中国人デザイナーとのコラボ相乗効果で、適度にオリエンタルなテイスト感を盛り込んだ、カッコいい車が短期間で出来上がるという図式なのではないだろうか。
ここからは、超クールな中国車を一挙紹介!
では、ここからは北京モーターショー2018の会場で出会った超クールな中国車を紹介してみたい。
BYD 唐 BYDの王朝シリーズ
唐の他に秦や元などもある。BYDはEVバスでも有名で、今やロンドンバスでBYD製の電気バスが採用されているケースも。なお、BYDの電気バスは日本でも京都(「プリンセスライン」という名称の路線バス)や沖縄(主にクルーズ船客の送迎)で活躍中。
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カッコよくなった中国車をさらに見てみよう!
Lynk & Co 02
ボルボ社とその親会社である中国最大の吉利(ジーリー)汽車によるコラボブランド。デザインや技術、生産の基準はボルボの著名デザイナーである英国人、ピーター・ホーブリー氏をトップとするヨーロッパチームのスタッフが担当している。また、カーシェアリング向けの車を積極的に投入。オリジナルのアパレルや化粧品の展示販売もあり、ファッショナブルなイメージを演出していた。
海馬 SG00スポーツ
海馬SG00に専用エアロパーツとグリル、ホイールを装着したスポーツバージョン。
トランプチ GS8
トランプチは広州汽車の乗用車ブランドで、写真のGS8はその最高級モデル。
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まだまだある! カッコいい中国車たち
駿派(ジュンパル)CX65
駿派は天津一汽夏利汽車の若者向けブランド。中国内でのトヨタ車生産を担当する「一汽豊田汽車」の親会社でもある。
NIO ES8
NIO(ニーオ)といえばEVスーパーカーNIO『EP9』がドイツ・ニュルブルクリンク(北)において、ウラカンペルフォマンテの最速記録を更新したことでもおなじみ。写真のNIO ES8は3列7名乗りのハイパフォーマンスEVである。
安全性も格段に向上しつつある中国車
急成長、急進化を遂げつつある中国車は、デザインやブランドイメージだけが良くなっているわけではない。ユーロNCAP(欧州新車安全評価)で、ドイツ車を上回る結果を出す「QOROS 3 セダン」のような純中国車も出てくるなど、安全性も格段に向上しつつある。「中国車」=「カッコ悪い鉄くず車」のイメージは大きく変わろうとしている。
2018年6月27日(雨輝・加藤久美子)