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クルマ2018.04.02

歩行中の交通事故は7歳児が最多! ピカピカの新1年生たちを事故から守れ!

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 2018年もいよいよ4月、新入学・新学期シーズンだ。ピカピカの1年生になるお子さん・お孫さんをお持ちの方だけでなく、平日の登下校時に小学校の近隣をクルマで通る方も最大限の注意を払ってほしいのが、歩行中の交通事故は7歳児が最も多いという事実だ。それも、登下校時が多いという結果が出ている。

 3年前のデータではあるが、公益財団法人 交通事故総合分析センター(ITARDA)が発表した情報では、2015年の歩行中の交通事故死者数を年齢別に見たとき、1462人の7歳児(1~2年生)が最も多い。7歳児が最多となったのは1994年のことで、それ以降資料にある2015年まで20年以上最多のままとなっており、社会問題となっている。

 そこで今回、ITARDAが一般公開している、交通事故の調査・分析結果の解説書「イタルダ・インフォメーションNo.121 小学校一年生が登下校中に遭った死傷事故」(2017年3月公開)をもとに、小1の交通事故に関する情報をお伝えする。

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上のグラフは、1995年から2015年まで、歩行中の死傷者数を年齢別にまとめたもの。2015年だけ棒グラフ、それ以外は折れ線グラフとなっている。2015年の棒グラフを縦方向に拡大して表示したのが、下のグラフだ。7歳を中心にした6~8歳は、高齢者層も引き離して突出している。グラフは、イタルダ・インフォメーションNo.121より。

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1年生が事故に遭ってしまうのは1日の内のいつ?

1年生はいつ交通事故に遭ってしまうことが多いのか?

 未就学児の場合、幼稚園や保育園と自宅の間の送迎を保護者が行っているが、小学校に入ると、登校時は上級生に引率されての集団登校はあるが、街角での見守りなどはあるものの基本的に保護者の引率はなくなり、単独での外歩きに慣れていないことが大きいという。

 下のグラフは、1年生が交通事故に遭った際の通行目的の構成(棒グラフ)と、1年生の交通事故死傷者数の20年間(1996~2015)の推移(折れ線グラフ)だ。この20年間に限れば、1年生の歩行中の交通事故による死傷者数は1996年の5128人がピークで、その後は2015年の1553人まで減り続けている。

 しかし、通行目的はほぼ変わっておらず、登下校中に発生した事故の割合は35%前後でほぼ一定に推移しているという具合だ。また、遊戯時を加えると、ほぼ半数となる。

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1996~2015年の1年生が交通事故に遭った際の通行目的の構成(棒グラフ)と、1年生の交通事故死傷者数の推移(折れ線グラフ)。喜ばしいことに年々死傷者数は減ってきている。交通事故に遭った際の通行目的は、登下校時、遊戯時の3つが50%を占める。中でも、下校時が多い。イタルダ・インフォメーションNo.121より。

 この上位3つの中では、下校時の事故が多い。これは、地域にもよるが、登校時は登校班で上級生が引率する上に、スクールゾーンは登校時はクルマが一時的に通れなくなったり、保護者の見守り、地域の方々などによる旗振り(昔の緑のおばさん)などもあって、安全確保に対する取り組みが影響しているといえるだろう。

 それに対し、下校時は旗振りはあったとしても、下校時間が学年で異なるので基本的に1年生のみで帰宅することが多くなるし、スクールゾーンでもクルマが通れることなどに起因すると推測される。また、友達と一緒に帰る内に我を忘れて追いかけっこをするなど、つい遊びながらになってしまうことなどもあるだろう。

 教員が帰り道に立ったり、地域の方々による旗振りなどもあるが、下校時はさらに大人の目が必要なのかも知れない。

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1年生が交通事故に遭いやすい理由を探る

1年生はなぜ交通事故に遭いやすいのか?

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1年生の登下校時の交通事故における法令違反の構成および死傷者数の推移。1年生は「横断」(横断歩道以外での横断、斜め横断)がこの20年間で減ってきたが、「飛び出し」はほぼ横ばい。ただし、2015年時点で半数が違反無しにもかかわらず事故に遭っており、ドライバー側にもさらなる安全運転が求められる。イタルダ・インフォメーションNo.121より。

 続いては、1年生が登校時になぜ事故に遭いやすいのかについて、1年生の登下校中および登下校以外での死傷事故における、1年生側の法令違反の推移を見てみる。ページ上のグラフが登下校時、ページ下のグラフが登下校以外のものだ。

 学校や警察、そして地域ぐるみの交通安全指導などによる効果と思われるが、1年生の登下校時の違反は年々減っており、1996年時点で違反は70%ほどだったのに対し、2015年には50%まで下がっている。目に見えて減ってきているのは、横断歩道以外の横断や斜め横断などだ。しかし裏を返せば、半数が違反なしにもかかわらず事故に遭うケースが増えているということであり、これはドライバー側にも大いに問題があるという証拠だろう。

 また、1年生側の違反で注意したいのは、飛び出しが20年間でほぼ横ばいということ。友達との遊びなどで夢中になった子どもたちが、曲がり角などから飛び出してくる危険性というのは、いつの時代でも変わらないことがわかる。ドライバーは、学校や公園など、子どもが飛び出してくる可能性のある施設などの近辺を走る際は、いつでもブレーキをかけて停止できるような速度で走行し、なおかつ細心の注意を払ってもらいたい。

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1年生の登下校時以外における法令違反の構成と死傷者数の推移。「飛び出し」が多いのは、放課後の友達との遊戯中と思われる。「横断」に関しては、登下校時と同様にこの20年間で大きく割合を減らし、結果として「違反無し」が増えている。ただし、違反無しは4割弱となっており、登下校時ほどではない。イタルダ・インフォメーションNo.121より。

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1年生が交通事故に遭いやすい場所はどこか?

1年生はどこで事故に遭いやすいのか?

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2015年の交通死傷事故におけるロケーションの構成。左から1年生の登下校時、1年生の登下校時以外、全年齢。登下校時については、比較的全年齢構成比に近いことから、ルールを守っていることが読み取れる。それが、自由闊達に遊び回る放課後などの登下校時以外では、「単路」(一本道の直線路やカーブ)での事故が大きく増える。イタルダ・インフォメーションNo.121より。

 続いては、1年生が交通事故に遭いやすいロケーションについてだ。上の円グラフは死傷事故が発生した場所の構成比で、左と中央が1年生の登下校時と登下校時以外、そして右が全年齢だ。大きく、交差点、交差点付近、単路(1本道の直線路やカーブ)、そのほか(踏切などが含まれる)に分類して、その構成比を示したものだ。

 登下校では、特に登校時は上級生が引率する登校班などが地域によってはあり、比較的ルールが守られていることが考えられ、全年齢に近い比率となった。

死傷事故のロケーション別に見た1年生の行動の構成

 さらに、交差点および交差点付近と単路の、死傷事故におけるロケーション別に見た1年生の行動の構成を見てみよう。

 まずは、交差点および交差点付近。こちらは、登下校時も登下校時以外も8割以上が横断歩道もしくは横断歩道以外を横断中に交通事故に遭っている。これは、ドライバー側の問題が非常に大きいのではないだろうか。

 なお、登下校時に横断歩道を横断中の方が割合として多いのは、交通ルールを守っていることの表れと推測される。そして登下校時以外になると横断歩道以外を横断中の割合が増えるが、これは友達と遊んでいる中で、飛び出したりしていることが考えられるだろう。

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上から1年生の登下校時、登下校時以外、そして全年齢。ここでもルールが比較的守られやすいことから、登下校時は全年齢に近い結果となっている。イタルダ・インフォメーションNo.121より。

 次は、単路だ。交差点と比較すると、小1は横断歩道以外を横断中に事故に遭っている割合が多い。特に登下校時以外は、6割近くにもなっている。単路の特徴は、小1は全年齢の構成とはかなり違うというところ。交差点と比べると横断してしまいたくなるためか、交通ルールが破られやすいことがわかる。

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小1は登下校時以外で横断歩道以外を横断しての事故が6割近くを占めていて非常に多い。遠回りになってしまうような場合、つい横断歩道以外を突っ切ってしまいたくなる。しかし、大人がそうした悪い手本を見せてしまうと、子どももそれが悪いことではないと思ってマネをしてしまう危険性がある。大人は、子どもたちの悪い手本にならないよう、しっかりと交通ルールを守り、横断歩道を渡ることを徹底しよう。イタルダ・インフォメーションNo.121より。

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1年生が落ち着いてくる時期はいつ?

1年生はどのぐらいから落ち着いて歩くようになる?

 最後は、2013年4月に入学した児童の前後1年間(幼稚園・保育園の年長児から2年生まで)、2012年4月~15年3月までを歩行中の交通事故による死傷者数を月別にまとめたグラフを見てみよう。

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2013年4月に入学した児童の2012~15年の月別に見た交通事故死者数の推移。入学前の幼稚園や保育園の年長の1月頃から死傷者数が上昇している(a)。入学して間もなく、まだ学校に慣れていない4月はまだ少ないが、5月に入ると慣れてきて油断すると思われ、一気に増加(b)。それが、12月頃から2年生レベルに減り始める(c)。1年生として成長し、2年生の落ち着きを得つつある、と思われる。イタルダ・インフォメーションNo.121より。

 このグラフから見えてくるのは、1年生がどのぐらいから単独での外歩きに慣れ、またより落ち着いて歩行できるようになるか、というところ。入学前の1年(幼稚園や保育園の年長)は、保護者による送迎が行われるため、通園時の事故は少なく、圧倒的に通園時以外が占める。ただし、卒園を控えた1月以降は徐々に増加し出すため、その時点から注意が必要だ。

 そして1年生になると、4月は緊張などもあって慎重に行動することが考えられ、登下校時の事故は比較的少ない。しかし、5月に入ってくると慣れで慎重さが減ってくるためか、4月の2倍ほどに。7月下旬から夏休みのため、7月はやや少なめ、8月は非常に少なくなるが、9月に入ると5~6月のペースを取り戻す。

 それが、12月は冬休みの影響があって若干減る影響もあるものと思われるが減少傾向が見え、年が明けて1月に入ると、確実に減ってくる。1~2学期をかけ、学校や地域の交通安全指導などを受け、また事故には至らなくてもヒヤリハットを実際に体験するなどして自身でクルマの怖さを実感したことで、交通安全の重要性を自覚してきていることと思われる。

 なお2年生になるとまた若干増えるが、同じようなパターンで3学期に入ると大きく減り、3年生に向かってより落ち着いた行動を取れるようになっていくようだ。こうして、最も交通事故死者数の多い、6~8歳期を脱していくものと推測される。

交通安全指導の時期はいつから、そしていつまでが適切?

 こうした結果から、ITRDAでは、交通安全指導を1年生になってからするのではなく、幼稚園や保育園の年長組の12月ぐらいまでに前倒しで開始するのが効果的としている。

 また入学して登下校に慣れてきたからといっても保護者も学校も油断せず、3学期に入るまでは注意を払っておく必要があるだろうとしている。

2018年4月2日(JAFメディアワークス IT Media部 日高 保)

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