やっぱりシートベルト非着用は危ない! 非着用時の危険性を最新データで改めて考えてみる
シートベルトの非着用による死亡事故が未だになくならない。シートベルトの着用率は前席に限れば9割を超えているが、それでも100%ではない。まして、後部座席やミニバンなどの3列目になると、着用率は大きく下がる。
シートベルトの着用は、特に後席などは差し込み口が分かりにくい場合もあり、煩わしく感じる人がいるかもしれない。しかし、事故の際に死亡につながる確率は、非着用の方が遥かに高いのである。
ここでは、警視庁が2018年2月に発表したの「平成29年中の交通死亡事故の発生状況及び道路交通法違反取締り状況等について」をもとに、シートベルトの非着用がどれだけ危険であるかを改めて見てみる。
シートベルトの着用・非着用の差はどれぐらい?
2017年の自動車乗用中の死傷者数は38万702人。その内、死者数は1221人である。
そしてシートベルトの着用・非着用で見てみると、着用していた死傷者数が35万9986人(チャイルドシートの着用も含む)。全死傷者に対する割合は94.6%だ。一方、シートベルト非着用の死傷者数は1万8719人で、全死傷者に対する割合は4.92%となっている(残りは着用不明)。なお、シートベルトの着用・非着用の確認は、事故当事者への聞き取りなどの調査により行われている。
それでは、それぞれの死傷者数に対する死者数の割合を見てみよう。着用死傷者数35万9986人の内、死者数は654人。割合は0.18%だ。一方、非着用死傷者数1万8719人の内、死者数は520人と多い。割合は2.78%となる。単純計算だが、シートベルトの非着用は、着用の約15.4倍も死亡する危険性が高いという結果となった。
2017年1年間だけのデータだと信憑性が低いと思うので、2013~16年のデータも用いて、同じ計算をしてみる。すると、以下の通りとなった。
2013年:約15.2倍
2014年:約14.3倍
2015年:約13.9倍
2016年:約14.5倍
2017年の15.4倍も含めて5年間の平均は、14.6倍。シートベルトの非着用は、事故になったときに死亡につながる確率が間違いなく高くなることが、わかってもらえたのではないだろうか。どれだけ安全装備が充実したクルマであっても、基本はシートベルトの着用なのだ。
あなたもドライバーとして家族や友人・知人を乗せるときはシートベルトの着用を促し、自分がパッセンジャーとして乗るときは面倒くさがらずに確実にシートベルトをするようにしよう。
2018年3月31日(JAFメディアワークス IT Media部 日高 保)