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最終更新日:2018.03.29 公開日:2018.03.29

【自動車カメラマンの、旅のしおり】佐賀県・有田町(後編)

海からちょっと離れた山あいの町、有田。その風情を体いっぱいに感じるために、今回は移動の手段に僕が選んだのはレンタサイクル。自転車でめぐる有田町。後半ではどんな出会いがあるのでしょうか。

 前編からの続きです。今回も引き続き、佐賀県・有田町を自転車でのんびりめぐり、町の魅力をお届けします。

 日本の磁器産業の発祥の地「焼き物の町、有田」の原点とも言える、泉山磁石場や天狗谷窯跡を見学した後は、有田の町を一望できる高台にある陶山神社(写真上)に向かいます。1658年頃建立したというこの神社、急な階段を上り線路を渡った先にあるという、ちょっと変わった立地です。

 境内にある大鳥居、狛犬、欄干などあらゆるものが磁器でできているという焼き物の町ならではの珍しい神社です。

 ここからさらに坂道を5分ほど上っていくと、山あいにひしめき合うようにして立つ有田の町が見えます。多くの人にその名を知られた「有田焼」の産地としては、意外なほどこじんまりとして見えますが、麓には陶磁の美術館、香蘭社や深川製磁本店、日本で初めて磁器が焼かれた窯の一つとされている天狗谷窯跡、窯を築くために用いた耐火煉瓦の廃材などで作られたトンバイ塀のある裏通りなど、この町の見所が一箇所にギュッとつまっています。僕のお気に入りの場所です。

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食べ物でも有田焼を体感

食事でも有田焼を体感!

 有田の町での食事はその味とともに器も楽しめる店も少なくありません。今回僕がいただいたのは「有田焼五膳」というメニューもそのひとつ。地場産の鶏や野菜を使った料理が地元の窯元によるオリジナルの器で提供されます。新・ご当地メニューとして2011年に登場したこの料理は、町内の日本料理店、寿司店、レストランなど4つのお店で提供され、それぞれの味で楽しめます。

 ゆったりと町内のサイクリングを楽しみながら、疲れを感じる前にちょっと休憩。カップが選べるカフェで、お気に入りの有田焼で一息というのもとてもいいものです。

 毎年ゴールデンウィークには有田陶器市/有田国際陶磁展が行われ、この小さな町に100万人もの人が訪れるという有田町。でも、人混みがあまり得意ではない僕としてはこじんまりとした街並みに風情を感じながらゆったり過ごす、そんな有田町での時間もなかなか楽しいものなのです。

2018年3月29日(自動車カメラマン・高橋学)

高橋学(たかはしまなぶ):フォトグラファー。1966年北海道生まれ。スタジオに引きこもって創作活動にいそしむべくこの世界に入るが、なぜか今ではニューモデル、クラシックカー、レーシングカーなど自動車の撮影を中心に活動中。日本レース写真家協会(JRPA)会員。

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