見ごたえある常設展に 活版印刷の体験コースも! 印刷の聖地「印刷博物館」
左:「キンダーブック展」チラシ画像。右:印刷博物館のオリジナルグッズ、マスキングテープとメモ帳
人類の英知の発展に貢献してきた印刷。例えば、グーテンベルクによる活版印刷技術の発明は中世ヨーロッパの情報伝達速度を一気に加速させた。
印刷博物館はコミュニケーション・メディアとしての印刷の価値や可能性を紹介する総合施設だ。常設展や特別展、ミュージアムショップ、印刷の体験など、本やグラフィック好きなら一日いても飽きない”印刷の聖地”の楽しみ方をご紹介したい。
懐かしいけど画期的!「キンダーブック展」
B1Fの企画展示ゾーンでは、2017年10月21日~2018年1月14日まで企画展「キンダーブックの90年 童画と童謡でたどる子どもたちの世界」が開催中だ。
『観察絵本 キンダーブック』昭和37年9月号。新幹線について紹介されている
幼稚園や保育園で子どもたちに読まれているキンダーブックは、1927(昭和2)年に「観察絵本キンダーブック」として誕生し、今年、創刊90年を迎える。
保育絵本の先駆けとして、その時代の生活や文化を描いたキンダーブックに懐かしさを憶える人も多いと思うが、絵、イラスト、文章、デザインなどが画期的に構成されており、また印刷技術の進歩と共に、表現も大きく変化しているのに改めて驚かされる。
約300点もの資料の中には、歴代のキンダーブックの他に、編集者、画家、作家の思いなども紹介されており、ラジオの普及や新幹線開通など、時代の事象を紹介してきたキンダーブックが、子どもをはじめとする人々の心にいかに夢や希望を残したのかが窺える。
世界のブックデザインに触れる
1F のP&Pギャラリー(入場無料)では、2017年12月1日~2018年3月4日まで展示「世界のブックデザイン2016-17 feat. 21世紀チェコのブックデザイン」が開催されている。
受賞図書 集合写真。
これは2017年3月に行われた「世界で最も美しい本コンクール」の入選図書13点に、7か国のコンクール入選図書をくわえた約200点のブックデザインを紹介した展示である。
会場では、日本、ドイツ、オランダ、スイス、カナダ、中国、チェコから集まった世界最高峰のデザインや造本技術を、実際に本を手に取ることで体感することができる。
また、卓越した絵本やグラフィックデザインで有名なチェコの21世紀におけるブックデザインに焦点を当てた特別コーナーも設けられている。
活版印刷を体験!
映像やゲームなどを使って印刷と文化について「社会」「技術」「表現」の3つのキーワードで紹介した総合展示ゾーンを堪能した後は、印刷工房「印刷の家」で実際に印刷を体験してみたい。
左が印刷工房「印刷の家」。右側は広大な総合展示ゾーン
印刷の家では、毎週火曜・水曜の13:30~と15:30~先着10名に「知る」コースが、木曜・金曜・土曜・日曜の15:00~先着6名に「つくる」コースが提供されている。
「知る」コースは、工房内の活字・印刷機を見学し、印刷の歴史を学べる上、来館記念カードの印刷体験も受けられる。室内に展示された年季の入った海外の印刷機や、無数にある活字やフォントのコーナー、印刷の歴史を刻む数々の遺品はまさに圧巻だ。
「つくる」コースでは、活字を拾い、版を組み、グリーティングカードなどの印刷が体験できる。職人技術の難しさを感じたり、印刷機の機能性、刷り上った活字の美しさなどに感嘆すること請け合いだ。
印刷機を使って自分だけのグリーティングカードを作ることができる。
- 印刷博物館
- 【所在地】
- 〒112-8531 東京都文京区水道1丁目3番3号 トッパン小石川ビル
- 【開館時間】
- 10:00~18:00 (入場は17:30まで)
- 【休館日】
- 毎週月曜日(ただし祝日の場合は翌日)、年末年始、展示替え期間(事前にご案内します)
- 【アクセス】
- ●「江戸川橋駅」:東京メトロ有楽町線〈4番出口〉より徒歩約8分
- ●「飯田橋駅」:JR総武線〈東口〉、東京メトロ有楽町線、東西線、南北線、都営地下鉄大江戸線〈B1出口〉より徒歩約13分
- ●「後楽園駅」:東京メトロ丸の内線、南北線〈1番出口〉より徒歩約10分
- ■都営バス[上69]:上野公園~春日駅前~小滝橋車庫「大曲」、「東五軒町」下車いずれも徒歩約3分
- ■都営バス[飯64]:九段下~飯田橋駅前~小滝橋車庫「大曲」、「東五軒町」下車いずれも徒歩約3分
- 【お問合わせ】
- tel 03-5840-2300
- 【ホームページ】
- http://www.printing-museum.org/
印刷博物館の読者プレゼントの応募は終了しました。たくさんのご応募ありがとうございました。賞品は抽選の上、2017年12月25日(月)に発送しました。
2017年12月13日(JAFメディアワークス IT Media部 荒井 剛)