世界一の資産家ビル・ゲイツが残念がる2つの後悔とは?
ビル・ゲイツ氏。© picture alliance / Photoshot
米マイクロソフト創業者のビル・ゲイツ氏の「後悔していること」が欧米のメディアで報道された。
あの3つのキー問題
1つは自ら開発したWindowsの「Ctrl+Alt+Delete」というキーボードのコマンドについてである。
マイクロソフトWindowsにログインする時のこのキーストローク・コンビネーションは、両手を使用しなくてはならず「手間がかかる」という声や、起動ボタンの後にログイン画面が表示されるマックユーザーからは「必要性が感じられない」などの意見がある。
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それについてゲイツ氏は9月20日、ブルームバーグ・グローバル・ビジネスフォーラムにおけるインタビューで、「あれは失敗だった」と告白。「もしやり直すことができるなら、キー1つでできるようにする」と発言したことを、米CNNが伝えている。
独の大手通信社テレコムによれば、2013年に同氏は「もともとマイクロソフトは1つのキーでハードウェアとソフトウェアの接続を可能にし、それを押せばログイン画面が現れるよう計画していた。しかし、IBMのキーボード設計者がそのようなキーボタンをつけたがらなかった」と述べている。
ゲイツ氏が自分は愚かだと感じること
2つ目のゲイツ氏の後悔は、外国語が話せないことであるという。
「外国語を何も知らない自分は本当に愚かだと感じる」との発言を、ゲイツ氏はソーシャルサイト「レディット」のチャットで行い、「フランス語かアラビア語か中国語ができたらと思う」と打ち明けたことをCNNが伝えている。
フェイスブックCEOのマーク・ザッカーバーグ氏。© picture alliance / Mandoga Media
フェイスブック最高経営責任者(CEO)のマーク・ザッカーバーグ氏が、北京の清華大学で講演を行った際、30分の質疑応答にほとんど中国語で答え聴衆から絶賛されたことがあったが、それについてゲイツ氏は、すごいことだと称賛したという。
ちなみに、ザッカーバーグ氏の夫人は中国系アメリカ人であり、同氏は夫人の親類と会話できるように中国語を勉強していたそうだ。またCNNは、現役から退いたゲイツ氏には、語学取得のための時間はたっぷりあるはずだと辛らつなコメントを残している。
世界一といわれる資産と慈善団体活動
ところでゲイツ氏は、約800億ドル(約9兆円)の資産を有する世界一の富豪であるといわれる。2008年にマイクロソフト社の経営から退き、現在は夫人のメリンダさんと独自の慈善団体「ビル・アンド・メリンダ・ゲイツ財団」の活動に専念している。
ゲイツ氏と夫人のメリンダ・ゲイツさん。© picture alliance / Consolidated/dpa
独シュピーゲル誌によれば、同団体は、発展途上国のエイズ、マラリア、結核の根絶や教育、貧困、保険、介護の水準の改善などに尽力しており、ユニークな援助活動の構想案として次世代コンドームの開発や、途上国のトイレの悪臭を解消するために、人の嗅覚に働きかけ防臭の役割をする香水の開発を行っている。
コンドームは、エイズウイルス(HIV)感染を防ぐために効果的な手段であるが、快感が損なわれるという理由で使いたがらないカップルが多いという。同団体はそういった問題の解決法として、新素材を使った製品の開発サポートを行う意向で、ゲイツ氏は開発者に10万ドル(約940万円)の資金援助を発表したことを米CNNが伝えている。
2017年10月7日(JAFメディアワークス IT Media部 荒井 剛)