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クルマ最終更新日:2017.09.25 公開日:2017.09.25

【フランクフルトモーターショー2017】 世界最大級のモーターショーは、 EVとコネクトが全盛だった!Vol.2

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世界初公開されたメルセデスAMGのモデルカー『プロジェクトワン』。© Mercedes-Benz

 フランクフルトモーターショーは、フランクフルト中央駅から電車で2駅ほど離れた見本市会場で開催される。23万平方メートルの敷地が広大で、端から端まで歩くと20分かかるほどである。

 メルセデス・ベンツは毎年、3階建てのエスカレータが設置されたドーム状の建物にブースを構える。これは見本市会場が竣工になった当初からある由緒ある建物である。

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メルセデス・ベンツの展示会場。© JAF MW

ベンツもEV移行を発表

 メルセデス・ベンツの最高経営責任者(CEO)であるディーター・ツェッチェは9月12日、2022年までに小型車からSUVまでの同社の全モデル、50以上の車種に電動駆動装置を搭載すると発表した。その内の10台は純粋なEVで、「スマート」は2020年までに完全にEVになるという。BMWに続きEV化への方針を明らかにした。

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新型Sクラスを発表するメルセデス・ベンツCEOのディーター・ツェッチェ。© Mercedes-Benz

 最初に紹介された新車は、新型Sクラスのクーペとカブリオレ「S 560 4MATIC」、PHVの「S 560 e」「S 63 4MATIC」の3台である。2014年以降の売り上げが11.7%上昇したメルセデス・ベンツであるが、その中心を担っているのはSクラスであり、2016年に世界で最も購入された高級車だそうだ。

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フランクフルトモーターショーでベールを脱いだメルセデス・ベンツの未来のモビリティのあり方を示す「CASE」。© Mercedes-Benz

 続いてミュージカル仕立てで紹介されたのが、メルセデス・ベンツ傘下のブランド・スマートの「ビジョンEQフォーツー」である。

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ビジターの注目を集めていたスマートのコンセプトカー「ビジョンEQフォーツー」。バンバーには、ユーザーへのウェルカムメッセージなどが表示されていた。© JAF MW

 メルセデス・ベンツはコネクテッド、オートノマス(自動化)、シェア&サービス、エレクトリックの4つを柱に掲げる新たな企業戦略「CASE」を進行中であり、ビジョンEQフォーツーは、CASEを進行させる上で重要なキーカーとなる模様だ。ビジョンEQフォーツーは、アクセルもハンドルもない自動運転(オートノマス)を実現する未来車で、スマホなどのデバイスに接続(コネクテッド)して稼動し、道順を設定しカーシェアリングを可能にした移動(モビリティ)のあり方を再構築するクルマである。

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ハンドルもアクセルもないビジョンEQフォーツーのインテリア。その分スペースに余裕が感じられる。© JAF MW

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F1エンジンを搭載したハイブリッド・スーパーカー登場!

 2016年パリモーターショーにおいてメルセデスベンツは新しいEVブランドである「EQ」を発表した。今回発表された次世代EV「EQ A」がEQの第2弾コンセプトモデルである。

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EQブランドのコンセプトモデル「EQ A」。© JAF MW

 コンセプトEQAは4輪駆動の4WDで、二次電池は蓄電容量60kWh以上のリチウムイオンバッテリーを搭載。1回の充電での航続距離は約400kmを実現し、急速チャージャーを利用すれば、100km航続分の電気を10分以内に充電できる。

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2本の水素タンクを床下に配置した「GLC F-CELL」の最大航続距離は437km。© Mercedes-Benz

 2019年に、EQシリーズとして最初の生産開始が予定されているのが「EQC」。メルセデスベンツの主力SUV「GLC」をベースにした燃料電池車「GLC F-CELL」だが、外部充電が可能なプラグイン機能つきで、純粋なEVとしても利用できる。そして、その後に真打のごとく登場したのが、メルセデスAMG「プロジェクトワン」だ。

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メルセデスAMG「プロジェクトワン」。© Mercedes-Benz

 プロジェクトワンは、メルセデスAMGの創業50周年を記念し、F1エンジンを搭載したハイブリッドのスーパーカーである。1.6リッターV6エンジンに、90kW電動ターボチャージャーとエンジンをアシストする120kWモーターを装備したハイブリッドターボ式パワーユニットで、EVモードでは最大25kmのゼロエミッション走行を可能にする。トランスミッションは8速。駆動方式は4WD、0~200km/h加速6秒、最高速350km/h以上の優れたパフォーマンスを実現している。

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© メルセデスAMG「プロジェクトワン」Mercedes-Benz

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© メルセデスAMG「プロジェクトワン」Mercedes-Benz

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モーターショーで最も大胆なEVシフトを表明したメーカーは?

VWは自動車業界で最大規模の電動化攻勢を開始

 ディーゼル不正スキャンダル後、初のモーターショーを迎えるフォルクスワーゲン(VW)はモーターショーの前日、本社ヴォルフスブルクで今後のEV化に向けたロードマップ(方向性)を明らかにした。

◆2030年までに、VWグループの全ブランド合計約300モデルのそれぞれに、1台以上の電動化バージョンを設定する。
◆2025年には、合計80を超える新しい電動化モデルを販売する。そのうち、約50車種は純粋なEV、30車種はPHVとなる。VWグループの新車の約4台に1台がバッテリー走行車になり、年間販売は最大300万台になる予想。
◆以上のeモビリティ事業化のために、2030年までに200億ユーロ(約2.7 兆円)以上の予算を計上する。内訳は、新型車の開発、工場の刷新、従業員の教育、充電インフラの整備、取引および販売網の構築、バッテリーの技術開発や生産など。
◆バッテリーの需要に対応するため、中国、ヨーロッパ、北米で長期にわたる戦略パートナーを選び、500 億ユーロ(約6.7兆円)を超える契約を結ぶ。

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VWのEVであるI.D.シリーズ。左から「I.D.」「I.D. BUZZ」「I.D. CROZZ」。© Volkswagen AG

 この大規模な変革について、地元新聞フランクフルト・ルンドシャウは「勇気のある改革である」と評価しており、長年売り上げが伸びなかった北アメリカでディーゼルからEVへのシフトを行ったところ、今年1月から8月の期間に9%の伸びを示したことが大きいと述べている。これはディーゼル不正発覚以来の大きな快挙であり、VWの重要な市場である南アメリカとロシアでも上向きな成果があったという。

 9月12日のフランクフルトモーターショーのVW新車発表会において、ヘルベルト・ディースVWグループCEOは「VWブランド単体で、2025 年までに23車種のEVを提供し、今後5年間でeモビリティに60億ユーロの投資を行います。その過程において、EV以外のディーゼル、ガゾリンによる駆動技術も、当分の間は存続するでしょう」と発言した。

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CEOヘルベルト・ディースはI.D. CROZZを紹介した。© IAA

 舞台上に登場したのは、コンパクトなSUVクラスに最新のアシスタンスシステムを搭載した「T-Roc」「T-Roc Rライン」「I.D.CROZZ」、名車ワーゲンバスのEV版「I.D.BUZZ」(詳細はこちら)、ゴルフ・セグメントに属するコンパクトな4ドアEVの「I.D.」、新型「Polo GTI」などである。

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Polo GTI(左)とT-Roc Rライン。© JAF MW

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VWの新世代EVたるI.D.。© JAF MW

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ワーゲンバスのデザインを踏襲したI.D.BUZZ。© JAF MW

2017年9月25日(JAFメディアワークス IT Media部 荒井 剛)

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