VW 自動運転レベル5 ジュネーブで発表
フォルクスワーゲングループのマティアス・ミュラーCEOとレベル5の完全自動運転コンセプトカー「セドリック」。同社公式サイトより抜粋。
フォルクスワーゲンは現地時間3月6日、開催前のジュネーブ・モーターショー(現地時間3月9日~19日開催)の同社ブースにおいて、完全自動運転のコンセプトカー「セドリック(SEDRIC:SElf-DRIve-Car)」の発表を行った。
セドリックはレベル5の自動運転車
セドリックは、ステアリングやアクセルなど、手動運転のための機構を一切備えていない自動運転車だ。
完全にドライバーレスで走れる自動運転車は、自動運転レベル(米SAEが定めた0~5レベル)のレベル4と5にあたり、条件付きで完全自動で走れるのがレベル4、無条件に完全自動で走れるのがレベル5である。そして、フォルクスワーゲングループのマティアス・ミュラーCEOが発表会で語ったところによればレベル5だという。
一般道でのセドリックのイメージ。同社公式サイトより抜粋。
セドリックは同社のEV用基盤「モジュラーエレクトリックドライブキット(MEB)」をベースに開発されたEVだ。コンパクトなモーターが車輪と同等の低い位置に配置され、またバッテリユニットはフラットな形状が特徴で車輪間に取り付けられており、低重心化と居室空間の広さを実現している。広い室内を実現するため、外見はワンボックス型だ。
室内はラウンジのような雰囲気
定員は4人で、車内はストレッチリムジンや一部のキャンピングカーに見られるような、ラウンジのように向き合う形で座る。
室内空間のイメージ。同社公式サイトより抜粋。
このように欧米人4人が乗っても広く感じる室内空間の広さ。同社公式サイトより抜粋。
操作はワンボタンで行え、またセドリックに搭載されたAIとは音声によるコミュニケーションを行え、セドリックのAIは乗客の秘書のように利用できるという。
なおセドリックは、フォルクスワーゲン・グループ・リサーチと、フォルクスワーゲン・グループのフューチャー・センター・ヨーロッパの協力により開発された。
また同社はプログラム「TOGETHER – Strategy 2025」を打ち出しており、その一環として、数10億ユーロの投資を自動運転およびAIのコア技術開発に投資していくという。
そして今回、セドリックを発表したことで、同社は自動車メーカーから「モビリティープロバイダー」への転換を開始したとしている。
2017年3月7日(JAFメディアワークス IT Media部 日高 保)