ダイハツのデザイン力が炸裂! 期待の次期「コペン」、FRだからこそ実現した最大の見せ場とは?——渕野健太郎の「カーデザイン解説ラボ」#3
元スバルのカーデザイナー渕野健太郎氏が、ジャパンモビリティショー2025で気になったクルマを紹介! 今回はダイハツが発表したコンセプトカー「ミゼットX」「K-OPEN」の魅力を探った。
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デザインから伝わるダイハツの本気度
実はジャパンモビリティショー2025(以下、モビショー)で一番いいなと思ったメーカーがダイハツなんです。
というのも、企画からデザイン、宣伝までが一体になっていて、非常にシンプルで見やすくワクワクする展示だなと感じたから。内容も「ユーザーの使われ方」から発想しているところがダイレクトに伝わりました。
今回4台ものコンセプトカーを出していて、しかも全てインテリアまで作り込まれていましたが、コンセプトカーは一台でも内外装を作るのは大変なので、ダイハツの意気込みを感じましたね。
4台とも非常に良いデザインでしたが、ここではその中の2つのクルマ「ミゼットX」「K-OPEN」を取り上げます。
ダイハツが出展したコンセプトモデルのひとつ「ミゼットX」
ダイハツが出展したコンセプトモデルのひとつ「K-OPEN」
ダイハツが出展したコンセプトモデルのひとつ「K-VISION」
ダイハツが出展したコンセプトモデルのひとつ「KAYOIBAKO-K」
現代的デザインに生まれ変わったミゼットX
昔の「ミゼット」といえば、コンパクトな3輪トラックというユニークな成り立ち、またトラックにも関わらず丸みを帯びた可愛らしいデザインが印象的でした。
「スバル360」などとともに昭和の軽自動車創成期を代表するクルマのひとつです。私が子どもだった昭和50〜60年代でも、たまに走っている所を見かけた記憶がありますよ。
フロント部分のラウンド感とフラットに近いドアとの構成は、旧型から継承されている形状
そのミゼットのコンセプトを継承し、令和に蘇ったのがこの「ミゼットX」です。
3輪から安定感のある4輪に変わりましたが、どこか小型飛行機のような丸みのあるフロント周りは継承され、適度な道具感も感じられるデザインになりました。
小さいながらも4輪がしっかり踏ん張った安定感あるプロポーションは現代的なカーデザインであり、レトロとうまくバランスを取っていると感じます。
内装のCMFデザインが楽しい。ここまで思い切ったことが出来るのも、デザインに自信があるからだと感じる
また運転席の両脇にチャイルドシート2つが搭載されたユニークな内装は、様々な色や素材を組み合わせたCMF(カラー・マテリアル・フィニッシュ)デザインに驚き。小さいクルマにも関わらず、細部まで作り込んだ仕立てになっていました。
このようなシティコミューター的提案はこれまでも度々コンセプトカーが出ていましたが、ここまでしっかり作り込んだ提案はなかったのではないでしょうか。
もちろん市販化への課題は多いと思いますが、こんなクルマが街で走っていたら楽しいだろうな、と誰もが想像できる夢のある提案がとても良かったです。
次期コペン最大の見どころをチェック!
ダイハツ・コペン コンセプト|Daihatsu K-OPEN Concept 写真=塚原孝顕
ミゼットXに比べるとグッと市販化が想像できるクルマが、この軽スポーツカーの提案「K-OPEN」です。これは一目見て「欲しい!」と感じました(笑)。
2002年に発売された初代「コペン」の可愛らしいイメージをそのままに、今回はなんとFRでの提案。このFRパッケージはデザインに直結するものであり、すぐにそれと分かる伸びやかなプロポーションになっています。
前後ランプは可愛いが全体的に引き締まっており、本格スポーツカーとしてのソリッドなデザインが印象的
全体のデザインは、初代と同じく丸さを強調しながらも各所が引き締まっており、ソリッドとも言える現代的な印象。特にリアの立体構成が秀逸で、このボリューム感は既存の軽自動車にない豊かさを感じさせます。
最小限かつ効果的なディテールもデザインを引き立てるのに一役買っており、デザイナーのピュアに徹する意志を感じました。
前回の2023年のモビショーでもコペンのコンセプトカーが出ていましたが(こちらは軽自動車より大きいサイズでした)、今回は初代のイメージを継承しつつも実は全く異なる本格スポーツカーのデザインという印象を受け、どこまで実現性があるのか分かりませんが市販化に期待したい一台です。
ダイハツ・コペン コンセプト|Daihatsu K-OPEN Concept 写真=塚原孝顕
ダイハツらしいデザインの市販車に期待!
ダイハツは前回2023年のJMSと同様に「かわいさ」と「ミニマル」が同居するようなデザインを推しており、これが本当のやりたいデザインテイストなんだなと感じました。
ただ、私も過去に軽自動車のデザインに携わった経験がありますが、この市場は独特であり、デザイナーが良しとする世界観が通用しない時があると思います。
しかし、このテイストを市販に繋げれば確実にダイハツのファンが増えると感じ、外野で勝手ですが大変期待してしまいます。
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