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道路・交通最終更新日:2020.07.09 公開日:2020.07.09

広島の水害調査から開発、マツダが緊急防災セット「車中泊セット」を発売

自然災害の被害が甚大化する昨今、さまざまな事情から避難所での集団生活が難しい場合や、プライバシーが必要な場合などもあるだろう。そうした時に車中泊という手段が考えられるが、普段から車中泊用の装備を愛車に備えているだろうか? 本社の地元である広島で水害が多発したマツダは、災害時のクルマの活用を念頭に車中泊の状況をていねいに調査。それを元に作られたのが「車中泊セット」だ。7月6日から発売を開始した。

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マツダが発売した「車中泊セット」。左が中味の9点セットで、右がマツダのロゴが入った純正防水ロールバッグ。

右がマツダ純正の防水ロールバッグ(10L)で、左の9点がその中味の車中泊用アイテム。

 「車中泊セット」は、常時車内に置いておけるよう考慮されており、防水ロールバッグ(容量10L)に車中泊用のアイテム9点が入っている。防水ロールバッグも含めた内容は、以下の通りだ。

(1)車中履くソックス Mサイズ/Lサイズ×各1足

車中泊で問題となるのが、足を伸ばしにくいことから来るエコノミークラス症候群(深部静脈血栓症/肺塞栓症)。「車中履くソックス」は、それを軽減できる着圧ソックスだ。サイズはMとLを1足ずつ。

(2)虫よけウインドウネット フロントドア用×2個

ドアサッシュにかぶせて使用。夏場などに窓を全開にしても、虫などの侵入を減らすことが可能だ。

(3)防災エアーマットGOLON×2個

大きな緩衝材をつなげたような、空気を入れて膨らませるタイプのマットで、人がひとり横になれるサイズ。車室内で利用することでシートの凹凸を軽減できるほか、避難所などの床などでも使用可能。

(4)目隠しポンチョ(黒色)×1個

軽量コンパクトなビニール製ポンチョ。黒色なので、着替えやトイレ時のプライバシーを守るのに利用できる。

マツダ「車中泊セット」の内容その1。(1)車中履くソックス Mサイズ/Lサイズ×各1足。(2)虫よけウインドウネット フロントドア用×2個。(3)防災エアーマットGOLON×2個。(4)目隠しポンチョ(黒色)×1個。

(1)車中履くソックス Mサイズ/Lサイズ×各1足。(2)虫よけウインドウネット フロントドア用×2個。(3)防災エアーマットGOLON×2個。(4)目隠しポンチョ(黒色)×1個。

(5)トイレONE(3枚入り)×1個

凝固剤不要の簡易型トイレ。3枚1セット。

(6)タオル×2枚

一般的なタオルを2枚用意。

(7)蓄光ホイッスル×1個

緊急用ホイッスル。蓄光タイプなので、夜間や暗所でも目立つ。

(8)非常用給水バッグ(5L)×1個

容量5Lのビニール製の給水袋。防水ロールバッグも非常用の給水袋として使えるが、通常はこちらを利用。

(9)ブースターケーブル(DC12V、80A)×1個

バッテリーの上がってしまったクルマへ、ジャンピングするためのケーブル。

マツダ「車中泊セット」の中味その2。(5)トイレONE(3枚入り)×1個。(6)タオル×2枚。(7)蓄光ホイッスル×1個。(8)非常用給水バッグ(5L)×1個。(9)ブースターケーブル(DC12V、80A)×1個。

(5)トイレONE(3枚入り)×1個。(6)タオル×2枚。(7)蓄光ホイッスル×1個。(8)非常用給水バッグ(5L)×1個。(9)ブースターケーブル(DC12V、80A)×1個。

防水ロールバッグ(10L)×1個

防水加工が施されているため、万が一の際にはバケツとしても利用が可能。また中に詰め物をすればマクラとしても使用できる。マツダのロゴが入った純正品だ。

マツダ「車中泊セット」の防水ロールバッグ(10L)。9つのアイテムがこの中に入れられており、持ち運びもしやすい。

防水ロールバッグ(10L)。9つのアイテムがこの中に入れられており、持ち運びもしやすい。

 「車中泊セット」は全国のマツダディーラーにおいてのみ扱っており、クルマ用品店での販売や通信販売は行われていない。価格は1万5950円(税込)だ。店頭にない場合は、取り寄せもできる。また、マツダ車を所有していなくても誰でも購入することは可能だ。

本社のある広島県で水害が多発していることがきっかけに

マツダ「車中泊セット」の防水ロールバッグ(10L)には、純正のロゴが入っている。

防水ロールバッグ(10L)に入っている、マツダの純正ロゴ。

 「車中泊セット」のような緊急避難用のアイテムセットはサードパーティ製が多く、自動車メーカー純正のものはあまり見かけない。あるとしても、オートキャンプ用のアイテムや機器などが多い。マツダ広報によれば、今回「車中泊セット」を企画したきっかけは、本社がある広島県で近年、水害が多発していることが大きな理由だという。実際に被害に遭った関係者も少なくないそうで、車中泊を経験した人たちから丹念な聞き取りなどを行い、今回の9点のアイテムを決めていったとしている。発売時期に関しては、もともと水害が起きる可能性が高まる夏場に備えて計画していたそうだ。

 万が一に備えて、自分でも車中泊用アイテムをそろえたいけど、何を買えばいいかわからないという人もいることだろう。そんなときは、この「車中泊セット」のアイテムを参考にして、自分なりに必要なものを追加するのもありだ。マツダとしても、「ぜひ一例として参考にしてもらえれば」としている。

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