クルマのある暮らしをもっと豊かに、もっと楽しく

Cars

最終更新日:2018.10.09 公開日:2018.10.09

相鉄・JR直通線用新型車両「12000系」を来年春に導入

 相模鉄道株式会社は、2019年春に新型車両として「12000系」を導入する。駅舎や車両、制服、商業施設等のデザインコンセプトを統一し、グループの認知度・好感度の向上を図る「デザインブランドアッププロジェクト」の概念に基づいて製造するものだ。新型車両としては、今年2月にデビューした「20000系」に続くものとなっている。

SF映画から飛び出したようなフォルムに横浜を象徴した濃紺色が映えるスタイリッシュな新型車両だ。

スタイリッシュかつ乗客への配慮も万全な車両

外見の特徴
 まずは外見の特徴を紹介しよう。先頭形状は、能の代表的な面の1つである「獅子口」をイメージした力強いデザイン。横浜を象徴した濃紺色、YOKOHAMA NAVYBLUE(ヨコハマネイビーブルー)で車体を塗装している。このカラーリングはすでに運行中の「9000系」から引き継がれたもの。 深みのあるダークブルーの塗装は、横浜の街が刻んできた歴史をイメージ。塗料メーカーの協力の下、実際の車両に候補色を塗り、さらに工場に出向き何度もブラッシュアップを重ねて完成したものだ。

内装の特徴
 内装は、今年2月にデビューした「20000系」の仕様を踏襲し、落ち着きのあるグレー色で統一。ロングシート座席は座り心地を改良し、ランダムパターンを施した汚れが目立たない生地を採用している。一部で採用されている「ユニバーサルデザインシート」は、地元の高齢者の意見を取り入れたもの。立ち座りを容易にするため座席の高さを上げるなどの工夫が凝らされている。また、座席下部に大型の荷物が収納でき、背の低い人や高齢者など、荷棚が使いにくい人でも手軽に利用することができる。「ユニバーサルデザインシート」は、先頭車以外の優先席・一般席に導入されており、ベビーカー・車椅子用のフリースペースは全ての車両に設置されている。

その他の車内設備
 座席端部には、荷棚まで届く強化ガラス製の仕切り板を採用。また、身だしなみがチェックできる鏡の設置、にぎりやすさにこだわった楕円形のつり革、「紫外線カット熱線吸収合わせガラス」の採用、全車両でWi-Fiを提供するなどの配慮がなされている。

→ 次ページ:
さらに相鉄線初導入のあれこれを紹介!

時間帯で色調が変化する車内照明

 車内照明は、時間帯で色調が変化する調色調光式のLED照明を採用。これは9000系の車両をリニューアルした際に初めて採用されたもので、大手私鉄では初となる昼と夜で色調が変化する調光機能付き照明となっている。

車内の照明は色調が変化する調光機能付き。上が昼、下が夜の色調のイメージだ。

前方監視カメラと車内防犯カメラを初採用

 車両の開発コンセプトは「安全×安心×エレガント」。外装・内装の特徴は前述したとおりだが、セキュリティ面でもさまざまな配慮がなされている。前方監視カメラと車内防犯カメラを相鉄線で初めて採用し、ホームドア設置駅で自動停車可能なTASC(タスク・定位置停止装置)に対応。また、IGBTタイプのVVVFインバータ制御装置の採用や、室内灯・各種灯火類のLED化により消費電力を低減。さらに防音車輪の採用により騒音を低減しているという。

相鉄・JR直通線用新型車両「12000系」の概要

【営業運転開始】
2019年春(予定)

【導入車両数】
1編成(10両)※2019年度末までに全6編成(60両)を導入予定

【主な特徴】
(1)快適性の向上
・紫外線カット熱線吸収合わせガラスを採用
・「ユニバーサルデザインシート」を改良し優先席・一般席に導入 ※先頭車両を除く
・ベビーカー、車椅子用のフリースペースを全車両に設置
・「ナノイー※」搭載の空気清浄機を導入 ※「ナノイー」は、パナソニックの登録商標
・「個別ドアスイッチ」を全てのドアに導入
・座席端部の仕切り板の大型化
・身だしなみのチェックができる鏡の設置
・時間帯で変化する調色調光式のLED照明を採用
・にぎりやすさにこだわった楕円形のつり革を採用
・ロングシート座席は座り心地を改良し、ランダムパターンを施した汚れが目立たない生地を採用
(2)車内への情報提供の強化
・ドア上に液晶式案内表示器(17インチ)を設置
・全車両でWi-Fiを提供
(3)環境への配慮
・11000系と同型のIGBTタイプのVVVFインバータ制御装置の採用や、室内灯、各種灯火類のLED化により消費電力を低減
・防音車輪の採用により騒音を低減
(4)安全・安心の更なる向上
・前方監視カメラ、車内防犯カメラの設置
・ホームドア設置駅で自動停車可能なTASC(タスク・定位置停止装置)に対応 相互直通運転への対応
・車両情報処理装置(TIMS)の共通化
・車両システムに会社間切り替え機能等を本格搭載

この記事をシェア

  

Campaign

応募はこちら!(12月1日まで)
応募はこちら!(12月1日まで)