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クルマ最終更新日:2018.09.25 公開日:2018.09.25

日産のフォーミュラEの2018-19シーズンのドライバーはブエミとアルボン

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日産のワークスカラーをまとった第2世代の「Gen2フォーミュラEカー」。年々各チームが自由にできる部分が増えているが、フォーミュラEは基本的にワンメイクのマシン。4年目まではバッテリーの容量の性能的な問題から、決勝ではひとりのドライバーに2台のマシンを乗り換えてゴールを目指したが、12月に始まる5年目の2018-19シーズンからは第2世代のマシンとなり、1台で最後まで走ることになる。

 12月15日にサウジアラビア・リヤドで開幕するフォーミュラEの2018-19シーズンに参戦する日産。そのドライバーラインナップが遂に発表された。スイス出身のセバスチャン・ブエミ選手(29)と、英国育ちのアレックス・アルボン選手(22)となる。

 5年目となる18-19シーズンに初めて投入される第2世代マシン「Gen2フォーミュラEカー」の、日産のワークスカラーが施されたマシンのコンセプトモデル「フォーミュラE カラーリングコンセプト」に関する記事はこちら

セバスチャン・ブエミはフォーミュラEの最速ドライバー!

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F1、WEC、そしてフォーミュラEとトップカテゴリーで活躍してきた選手、セバスチャン・ブエミ。

 ブエミは、F1参戦経験があるほか、WEC世界耐久選手権ではトヨタ陣営の主力として長らく活躍し、2018年には念願のル・マン24時間レース初制覇の立役者のひとりとなった。そしてフォーミュラEでは初年度2014-15シーズンから参戦し、その年は年間2位。2年目の2015-16シーズンには年間王者に輝いた(3年目は2位、4年目は4位)。

 さらに、フォーミュラEにおいては、歴代最多勝、最多ポールポジション、最多ファステストラップ、最多連勝、シーズン最多勝、最多連続ポイント獲得など、ほぼすべてのレコードホルダーとなっている。フォーミュラEの最速ドライバーといっても過言ではないだろう。

 ちなみにブエミは初年度から「ルノー E.DAMS」チームに所属。17-18シーズンでルノーが撤退し、代わりにアライアンスを組む日産が引き継ぐ形で「日産 E.DAMS」となるので、実質同一チームで5年目を迎えるに等しい。

 ブエミは、10月にスペイン・バレンシアで予定されている合同テストで、日産のワークスカラーをまとった「Gen2フォーミュラEカー」で初走行するスケジュールだ。

 ブエミは今回の日産 E.DAMSのドライバー決定に対し、「これから始まるシーズン5は、私にとって新たなスタートになることでしょう。刷新されたマシンやレースフォーマット、そしてレース会場となる都市やレーストラックも新しくなります。私はこれからもE.DAMSとともに仕事に取り組み、EV技術で世界をリードする日産がもたらす興奮を、世界中のモータースポーツファンに届けられることを楽しみにしています」というコメントを出している。

フォーミュラの下位カテゴリーで活躍して抜擢されたアルボン!

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わずか22歳ながら、フォーミュラEに抜擢されたアレックス・アルボン。

 そしてもうひとりのアルボンは、フォーミュラEへの参戦は今回が初となる22歳の新鋭。これまで国際的なフォーミュラレースの下位カテゴリーで頭角を現してきてきた。2016年のGP3シリーズでランキング2位、2017年のF1直下のフォーミュラ2選手権で「DAMS」チームに所属し、3勝を挙げて現在176点で3位に着けており、年間王者も狙える状況だ。

 アルボンは今回の抜擢に対し、「競争が激化しているフォーミュラEにおいて、世界を代表するドライバーたちに対して自分がどこまで戦うことができるのか。今からとても楽しみにしています。電動フォーミュラによる市街地レースは、私にとって新たな挑戦です。しかし、チームメイトであるブエミのパフォーマンスはフォーミュラEにおける明確なベンチマークとなっており、私にとって大いに役立つものとなることでしょう」とコメントしている。

日産がパートナーを組む「E.DAMS」チームとは?

 ルノーとパートナーシップを組んでフォーミュラEに初年度から参戦している「E.DAMS」。ベースとなっているのは「DAMS」の名で知られた名門チームだ。「DAMS」はフランスのル・マンを拠点とし、欧州において30年におよぶ各種フォーミュラレース活動を続けてきた。監督は、チームの共同創設者であるジャンポール・ドリオ氏が務める。

 フォーミュラEでは、17-18シーズンこそ5位に終わったが、初年度から3年目まで連続でチームタイトルを獲得しており、18-19シーズンもナンバー1チーム最右翼といっていいだろう。このほか、同チームは、最多勝利と最多ポールポジションという記録も持つ。

日産「Ge2フォーミュラEカー」のデモ映像「日産フォーミュラE “The Next Generation of Excitement”」。

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日本人ドライバーや横浜での開催の可能性は?

日本人ドライバーは? 横浜での開催は?

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2018年1月にモロッコ・マラケシュで行われた、フォーミュラEのルーキーテストにルノー・E.DAMSから参加した高星明誠選手。テスト中の様子。

 気になるのは、日産のマシンに日本人ドライバーが抜擢される可能性があるのかどうかという点だろう。日本でフォーミュラEを盛り上げるためにも、ぜひ日本人ドライバーには乗ってもらいたいところだ。

 可能性があるのは、2018年1月にモロッコ・マラケシュで行われたフォーミュラEのルーキーテストに参加した、日産のドライバーである高星明誠(たかぼし・みつのり)選手だ。現時点では発表はなく、日産広報に問い合わせたところ、「残念ながら、現時点で公表できる情報はございません」とのことだった。今後、高星選手にはもっと活躍してもらい、フォーミュラEにもぜひとも乗ってもらいたいところだ。

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高星明誠選手。国内のスーパーGTなどで活躍中。「彼ならフォーミュラEで活躍できる!」という周囲の声が多くなれば、「日産 E.DAMS」に2019-20シーズン以降に乗れるかも知れない。さらなる活躍を期待しよう。

 また、かねてからウワサされているのが、日産のグローバル本社がある横浜でのフォーミュラEの開催。フォーミュラEはエンジンの爆音がなく静かなことから(タイヤ音などはする)、サーキットではなく、世界中の大都市に設営された市街地コースで開催されている。9月25日現在、2019年1月26日開催の第3ラウンドが未決定。これが横浜での開催の可能性があるのか同様に尋ねてみたが、上と同様に明確な回答を得ることはできなかった。第3ラウンドがどこになるのか、フォーミュラEからの公式発表を期待して待ちたい。

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