メルセデスベンツEQシリーズ初となる市販EVのSUV発表
独ダイムラーは9月4日、EVの「EQC」を発表した。メルセデスベンツとしては、テスラのシステムを流用した「B250E」や、傘下のコンパクトカー「スマートED」といったピュアEVがあったが、同社が本格的に取り組む新世代のEQシリーズとしては初のモデル。名前に付くEQは、メルセデスベンツのサブブランド名で、今回発表されたEQCはそのブランド第1弾の車となる。
EQCはいわゆる100%EVで、内燃機関を持たない。ボディ形状はSUVで、サイズは全長4761mm、全幅1884mm、全高1624mm、ホイールベース2873mmだ。メルセデスベンツで現在売れ筋のSUV「GLC」を一回り大きくしたサイズ感となる。EVを意識した新奇性よりも、これまでのベンツユーザーにも違和感なく受け入れられることを優先したデザインになっている。
80%までなら40分で充電が完了する走行用のリチウムイオンバッテリー(バッテリー重量650kg)を搭載し、航続距離は欧州の計測方法で450kmを超えるとしている。充電は欧米のコンボ式と、日本や中国などのチャデモ式の両方に対応。モーターは車軸間に1つずつの計2つを搭載し4輪を駆動する。最高出力は300kWで、最大トルクは765Nm。0-100km/h加速が5.1秒と俊足だが、最高速度はリミッター作動で時速180kmとなる。
インテリアはタッチパネルを配し、直感的に操作できるようになっているという。インテリジェント音声認識を搭載し、自然な話し言葉で指示が出せるといった最新のギミックも満載だ。なお、国内での発売日や価格は未定。
EVメーカーの米「テスラ」はいうに及ばず、BMWはすでにEVを販売しているし、アウディは「e-tron」の発表を控えていると見られる。EVの攻勢はアメリカ、ドイツ勢だけではなく、日産「リーフ」はすでに世界販売台数ナンバーワンを確たるものにしているし、ジャガーからも「I-PACE」が発表されている。PSAやボルボなどもEV開発に取り組んでいて、さながら”EV戦国時代”幕開けの様相を呈してきたなか、メルセデスベンツが現在の地位を確保していけるのか。それはこれまでのような真摯な車作りを継続していけるかにかかっている。