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クルマ最終更新日:2018.09.05 公開日:2018.09.05

【子育て】子どもの自己肯定感がグングン上がる「ほめ写」とは?

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写真を撮って、貼り、ほめるという簡単な方法で自己肯定感が向上する「ほめ写」。

 教育評論家の親野智可等氏、脳科学者の篠原菊紀氏、発達心理学者の岩立京子氏は、写真を貼ってほめることで、子どもの自己肯定感を向上させる新たな子育て習慣「ほめ写プロジェクト」を8月29日(水)にスタートさせた。

 子どもを持つ親にとって、子どもが自らの価値を認識し、自分自身に自信を持つことができる自己肯定感とそれを育む方法論は、関心の高いテーマとなっている。「ほめ写プロジェクト」では、親野氏が小学校の教師として多くの子どもたちと接してきた中で感じた「自己肯定感の高い子どもの家庭には、写真プリントが貼られていることが多い」ことに着目。子どもと親の自己肯定感に関する意識調査や「ほめ写」の実証実験と脳測定を実施した。

 その結果から、写真を貼ってほめることで、子どもの自己肯定感が向上することが明らかになっている。

【意識調査】95%の親が「子どもの自己肯定感は重要」と回答

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自己肯定感に関する意識調査。約6割の親が意識して行っていることはないと答えた。

 自己肯定感に関する意識調査によると、「子どもの自己肯定感は重要」 と95%の親が考える一方で、約6割の親は意識して自己肯定感を向上させる取り組みを行っていることはないことがとわかった。

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写真掲出の有無と自己肯定感の関係性について。どの設問でも約10ポイントほどの差がついている。

 写真掲出の有無と自己肯定感の関係性についての調査では、写真を飾っている家庭の子どもは、写真を飾っていない家庭の子どもよりも自己肯定感が高い結果となった。

【実験】「ほめ写」体験後、自分への満足度が大幅アップ!

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「ほめ写」体験者の事前事後アンケート結果。自分自身に満足していると答えた子供が大幅に増えた。

 写真プリントを家に貼ってほめる「ほめ写」が、子どもの自己肯定感を高めることに有効かどうかを実証するため、幼稚園児から小学生とその親に「ほめ写」ワークを実施した。「ほめ写」ワークは、普段写真を飾っていない32組の親子を調査対象として、2018年1月29日から約3週間にわたり実施。家庭で子どもの写真や家族と一緒に写っている写真を飾り、ほめる言葉をかけてもらった。

 その結果、子どもの自己肯定感に関する意識が全般的に向上。特に「自分自身への満足」に大きな変化が見られた。

【脳活動測定】体験後、自分の写真を見た時に「心地よい」と感じる

 「ほめ写」を3週間体験した子どもと、「ほめ写」を実施していない子どもに、自分の写真、家族との写真、関連性のない写真を見せた時に、脳活動にどのような違いが見られるか測定した。

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脳活動測定方法。※測定にはNIRS(ニルス)という脳計測装置を使って脳に近赤外光を当て、酸素化ヘモグロビンの濃度変化(*1)を見ることで、脳のどの部位が活性化するかを測定した。

 脳活動測定を通して、下記の1~3が明らかになっている。

 1.自分の写真を見た時の腹内側前頭前野の活性度が自己肯定感に関連する。
  「ほめ写」体験後の自己肯定感アンケート(*2)で自己肯定感に関する評
  価が高い子どもは、写真を見た時に「心地良い」と感じる脳の部位であ
  る腹内側前頭前野に活性化が確認できた。自分の写真を見ることで、自
  分自身をイメージして心地良くなり、自己肯定感が高い状態になると考
  えられる。

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腹内側前頭前野の活性度と自己肯定感アンケートの相関。
ch44の活性度(t値)は、ch44の酸素化ヘモグロビンの濃度変化の平均値(t値)

 2.「ほめ写」体験者は、非体験者より、自分の写真を見た時の腹内側前頭
  前野が活性化した。

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写真を見た時の脳活動の例。

 3.「ほめ写」体験者は、非体験者より、興味をもって自分の写真をしっか
  り見ている。
  「ほめ写」体験者は、非体験者より、自分の写真を見ている時に、前頭
  葉の右側付近の働きが活性化していることが分かった。ほめ写を体験し
  た子どもは、自分の写真という映像情報をインプットし、自分の持って
  いる記憶や情報と統合・整理することで、過去の記憶をイメージしなが
  ら写真を見ている可能性があるといえる。

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空間認知敵ワーキングメモリーの活性度とほめ写体験群と非体験群の比較。
※前頭葉の右側付近は画像情報を一時的に記憶し、操作する「空間認知的ワーキングメモリ(*3)」に関連している。

*1 活性度は酸素化ヘモグロビンの濃度変化の平均値(=t値)で示す。数値が0より大きい場合は活性化の傾向を示し、
  小さい場合は沈静化の傾向を示す。
*2 自己肯定感アンケート:4つの選択肢から選ぶ意識調査アンケート(全14問 計56点満点)
*3 空間認知的ワーキングメモリは、脳のメモ帳と言われており、入ってきた情報を脳内にメモ書きし
、自分の持って
 いる記憶・情報と統合・整理する役割を持っている。

簡単!3ステップ「ほめ写」のやり方!

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日常の一コマを撮影し、生活上の導線に写真を飾り、ほめるというカンタン3ステップ。

 子どもの自己肯定感をグングン向上させる「ほめ写」。その簡単な方法を3ステップで紹介しよう。

 1.撮る
  子どもが何かに頑張っている姿や何かを達成した等の特別なシーンだけ
  ではなく、何気ない日常の一コマや家族と一緒に写っている姿を写真に
  おさめる。

 2.飾る
  子どもの目線の高さで生活の導線となるところに写真を飾る。「こ
  れは!」と思う写真はA4程度の大きめのプリントが効果的。

 3.ほめる
  飾った写真を見ながら、「この時は頑張ったね」「よくできたね」と努
  力や成果をほめるだけでなく、「生まれてきてくれてありがとう」「見
  ているだけで幸せな気持ちだよ」と子どもの存在そのものを肯定する。

 自分の写真が家の中で飾られ、親にほめてもらうことで、その写真に対して肯定的な感情を持つようになり、ほめられている時以外でも日常生活の中で繰り返しその写真を見ることで「自分は愛されている」、「存在価値を認められている」という肯定的な感情が反芻される。

 「ほめ写プロジェクト」では、今後も特設ホームページに調査結果を公開、セミナーやイベントなどを通じて効果的な「ほめ写」のやり方や、子どもの自己肯定感を向上させるコツなどの情報を発信していくそうだ。

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