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クルマ最終更新日:2018.05.12 公開日:2018.05.12

大空のモータースポーツへようこそ! 今年もエアレースが日本にやってくる。

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空のモータースポーツ「エアレース」。小型プロペラ機でレースが行われる。(C) Red Bull Content Pool

 「エアレース」をご存知だろうか? 高性能の小型プロペラ機を操縦して、あらかじめ決められた飛行コースを一番速く飛んだものが勝者という極めてシンプルな空のレースだ。

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レースは千葉県・海浜幕張で開催される。(C) Red Bull Content Pool

 今回、5月26・27日に千葉県・海浜幕張の洋上で開催される「Red Bull Air Race World Championship」は、FAI(国際航空連盟)が公認する国際レースシリーズだ。世界で全8戦(千葉は3戦目)が行われ、各大会で獲得したポイントの合計によって年間チャンピオンが決まる。

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飛行機を巧みに操り、エアパイロンの間を縫うように飛ぶ。(C) Red Bull Content Pool

 全長約6kmの飛行コースは、「エアパイロン」という空気圧で膨らませた高さ25メートルの巨大なパイロンによって決められている。このコースを、パイロンに触れることなく、かつ決められた高度や角度を飛行して最速タイムを目指す。

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エアパイロンの意味とレースペナルティ

コースを決めるエアパイロンには意味がある

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エアゲートの間は機体を水平にして通過しなければならないルール。(C) Red Bull Content Pool

 エアパイロンは3種類ある。スタート地点とゴール地点を示す、チェッカーフラッグ柄の「スタート・フィニッシュゲート」。スラロームして飛行しなければならない「シングルパイロン」。機体を水平にして通過しなければならない2本1組の「エアゲート」がある。パイロンの上(高さ15~25メートル)が赤くなっている場合はその高さで通過しなければいけない規則になっている。

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エアパイロンに当たるとペナルティが課される。(C) Red Bull Content Pool

 もし、これらパイロンに当たったり(写真上:パイロンは、飛行に支障がないように即座に破れるようになっている)、決められた高度を維持できなかった場合はペナルティを課される。

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急上昇をするにしても、Gを考えた飛行をしなければならない。(C) Red Bull Content Pool

 他にもペナルティになるルール違反がある。このレースでは、最大重力加速度を10G(追記:今期から12Gに引き上げられた)までに制限している。タイム短縮を狙うあまり、ターンの際、急激に進路を変えた場合に超過しやすい。

 さらに、最高速度も時速200ノット(約時速370km)に決められている。最高速度で入るスタートゲートで速度違反をしやすい。コースのレイアウトは非常に厳しく設定されていて、ペナルティなしで飛ばすのはベテランのレースパイロットでも至難の業だ。

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注目の選手は?

注目の選手は誰?

006.jpg写真が逆なのではありません。飛行機が逆さなんです。(C) Red Bull Content Pool

 凄腕パイロットばかりが参戦するこのレースだが、その経歴はさまざま。航空ショーのパフォーマンスパイロットやエアロバティックス(曲技飛行)選手権パイロット、旅客機パイロット、空軍の戦闘機パイロット、トップガン(空・海軍内の戦闘機エースパイロット養成機関)の指導教官など、各国の飛行機操縦のスペシャリスト達ばかりだ。

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注目の室屋義秀選手。(C) Red Bull Content Pool

 そんななか注目の選手は、やはり大会唯一の日本人パイロットでアジア人初のワールドチャンピオンである室屋義秀選手だ。室谷選手は大学生時代にグライダーの練習を始めた。20歳で単身渡米し飛行機のライセンスを取得。その後、国内外の航空ショーにパイロットとして参加するとともに、エアレースに参戦してきた。2016年のレッドブル・エアレース千葉大会で初優勝。そして昨年、千葉大会で2連覇を果たすとともに第7戦、8戦でも連続優勝し悲願のワールドチャンピオンになった。福島県在住の45歳だ。

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レースの見どころは?

どんな飛行機で飛ぶの?

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レースで使用される機体は、小型でも高性能。(C) Red Bull Content Pool

 レースで使用される機体は、全長6.5メートル程度の小型プロペラ機だ。空中での敏捷性を高めるため、極限まで軽量化しつつ、10Gに耐えられる頑丈さを備えている。近年まで自由に改造できたが、14年以降全チーム共通のエンジンとプロペラの使用が義務付けられた。また、飛行した軌跡を分かりやすくするために、レース中は常に飛行機雲のような「スモーク」を出して飛行しなければいけないが、このスモークを作るための装置も付けられている。

レース初心者はどこを見ればいい?

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スタート地点も見どころのひとつ。(C) Red Bull Content Pool

 さて、レースの見どころだが、まずはスタート(写真上)でいきなり訪れる。スタート・フィニッシュゲートにスモークを出して猛スピードで飛び込んでくるレース機に、観客は「スモーク・オン!」と掛け声を合わせるのがお約束になっている。

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バーチカルターンはレースを知らない人が見ても大迫力だ。(C) Red Bull Content Pool

 レース中盤の折り返し地点では、大きく空に弧を描くバーチカルターン(写真上)を、そしてゴールしたあともパイロットによっては機体をくるくる回したりといったアクロバティックな飛行を披露してくれることもある。

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大会はいつどこでやる?

大会開催概要について

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(C) Red Bull Content Pool

 レースは予選と決勝の2日間で行われる。5月26日(土)に行われる予選では、1チーム2回のタイムアタックを行い、速い方のタイムで決勝日の対戦相手を決定する。翌日の決勝日では、1対1で勝敗を決める。同時にスタートするわけではなく、先攻後攻のタイムアタックで勝負。これに勝ち残ったパイロット7人と、負けたなかでもっとも速かった1人を加え、さらに1対1で勝負する。これにも勝つと、残った4人で争うファイナルに進めるという具合だ。

 百聞は一見に如かず。ぜひ会場で迫力と興奮を味わって欲しい。

開催概要

大会名:Red Bull Air Race Chiba 2018
   (レッドブル・エアレース千葉2018)

日程: 5月26日(土)予選、5月27日(日)決勝 
   開場 10:00、競技開始 13:00、競技終了 16:00(予定)
   ※コースコンディションにより実施を決定

会場:千葉県立幕張海浜公園(千葉市美浜区)

観戦チケット:チケットぴあインフォメーション TEL: 0570-02-9111 
       価格や他のチケット売り場については
       レッドブル・エアレース千葉2018 特設サイト内に詳しい
       http://rbar.jp/ticket

2018年5月12日(JAFメディアワークス IT Media部 伊東 真一)

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