ヤマハが電動バイクで世界選手権に参戦!
ヤマハは3月23日~25日に開催された東京モーターサイクルショーに出展した電動トライアル車「TY-E」で、7月に欧州で行われる2018FIMトライアル世界選手権に初参戦する。
そもそもトライアルとは何か。川や岩場、森など自然の地形を利用して作られた競技エリア内を一人ずつ走る。スタート後、足を着いたり決められたコースから出てしまうと減点になる。そして時間内に最も減点が少なくゴールしたライダーの勝利となる。
非常に高度なマシンコントロール技術が求められる競技だが、加えて車両には、ライダーの意のままに動かせる性能が求められる。
ヤマハでは、この「TY-E」が従来のエンジンモデルに引けを取らない性能を有しているとしている。長距離を走るロードレースや耐久レースとは異なり、トライアル競技に必要なのは瞬発力や極低回転域から発生する強力なトルクと、その力を制御するシステムだ。これら必要要件は、EV全般の特性に非常にマッチしているのだ。
この車両、実はヤマハ社内の独自の活動から生まれた。同社研究開発統括部には、業務時間の5%を個人の裁量で自発的な活動に充ててよいという取り組みがある。この取り組みの中で、EV開発の課題を克服すべく、競技用トライアル車に着目し開発をスタートさせたという。そんな社内の環境から小型高出力なモーターやそれを制御する技術、電池格納スペースを確保しながらも軽量化を突き詰めたCFRPモノコックフレームなどが生まれた。2018FIMトライアル世界選手権にこの「TY-E」を駆りYAMAHA FACTORY RACING TEAMの黒山健一選手が参戦する予定だ。
2018年4月7日(JAFメディアワークス IT Media部 伊東 真一)