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クルマ最終更新日:2017.06.02 公開日:2017.06.02

盗難時には捜索チームが出動! 自転車王国オランダからの電動自転車は、 東京の通勤を変える?

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東京という街をコンセプトに生み出されたバンムーフの新作Electrified X。©VanMoof

 ヨーロッパで、オランダが「自転車の国」だというのはよく知られている。通勤や通学などオランダ人にとって自転車は日常生活に不可欠な交通手段である。
 国土交通省の2015年のデータによると、日本の自転車の保有台数がひとり当たり0.67台(世界6位)であるのに対して、オランダは1.11台。2位のドイツ0.83台を大きく引き離し、世界1位となっている。

 そんなオランダの自転車メーカー「VanMoof(バンムーフ)」が、5月18日、日本市場向けに設計した新作、次世代スマートバイク「Electrified X」を発表した。オランダ王室が認める国民的自転車ブランドで、日本のオランダ大使館も公用自転車として使っているバンムーフが、東京にインスピレーションを受けて開発したというユニークなコンセプトの電動アシスト自転車を紹介したい。

 アムステルダムに拠点を置くバンムーフは、自転車をこよなく愛するタコ&ティーズ・カーリエ兄弟が2009年に創立した自転車製造会社。2人は自分たちの気に入る完全なシティバイクがないという理由で、8年の準備期間を経て、世界1のシティバイクを作ることを目標に自転車の生産に乗り出した。

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バンムーフの創立者タコ&ティーズ・カーリエの目標は、「自転車で世界を変えること」。A地点からB地点への移動が無理なくできるシティバイクの開発に人生をかけている。©VanMoof

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バンムーフ日本初上陸!

バンムーフの哲学

 バンムーフ社の特徴として、①自転車を日常の移動手段としてとらえるシティバイクに特化していること。②スマートテクノロジーを使って盗難防止などに取り組んでいること。③考案、デザイン、生産を自社で行うことで、独創的なアイデアを効率よく取り入れられること(独自開発のパーツも80%自社で作っている)。④商品は公式オンラインショップによって、最もリーズナブルな価格でユーザーの元に直接届けること、が上げられる。

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アムステルダム子の通勤の風景。©dpa

 彼らのフィロソフィーからは、アムステルダムの人々が日常使いしている自転車が浮かんでくる。長く使えるものには投資するが、実用性を重視するオランダ人の生き方がバンムーフのベースにあるように思える。

 これまで日本でバンムーフは、スタンダード自転車のみ輸入販売されており、一部の熱狂的ファンのハイエンドな自転車として知られていた。そのオランダのメーカーが、ついに日本初上陸!おまけに、東京にインスパイアされた最新プロダクトというニュースは、自転車好きならずとも興味をそそられるのではないだろうか。

東京の通勤風景がインスピレーションに

 「『通勤地獄』という言葉も存在する、巨大都市『東京』の通勤を楽にするための自転車を作るということ。具体的な解決策として、逆風、坂道、自転車盗難の問題に対処します。」

 オランダ人ティーズ・カーリエが、東京の通勤の様子からインスピレーションを得て、Electrified Xを製作するにいたったというのは興味深い。

 バンムーフ創立者のディーズ・カーリエはいう。
 「東京の自転車通勤者は、非常に短い距離の通勤に限られています。Electrified Xに搭載された、1回の充電で最大120kmを電動アシストできる自転車は、これを変えてくれると思います。坂道や逆風が強い時には、パワーブストボタンを長押しすればよりアシスト力を発揮します。またキーレスロックや盗難防止システムは、自転車の利用をスマートにするための機能です。この究極のシティバイクは通勤の新しい道となるでしょう。」

バイクハンターズが盗難にあったら出動!

 Electrified X の標準価格は37万円。公式オンライン予約の先着500台のみ、10万円引き27万円の割引がある。こうした高価なバイクを買うのに躊躇することのひとつに盗難の問題が上げられる。
 警察庁の報告では、一昨年の自転車の盗難は約26万件。日本で最も多い犯罪といわれている。

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無駄をそぎ落とした機能美

 カーリエのいうキーレスと盗難防止機能とは、iOSとAndroid用のモバイルアプリと、フレーム上にある操作パネルのセンサーを組み合わせたもので、アプリの操作で解錠でき、スマホが近距離にある場合、フレームをタッチすることで解錠するよう設定が可能なシステムだ。

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フレームに手をかざすと、アプリを通して自動的に人物を認識し解錠する。©VanMoof

 今までにない盗難防止対策として、盗難にあった場合アプリを通してバンムーフに通報すれば「バイクハンターズ」というチームが出動して、自転車を探してくれる。そして2週間以内に見つからなければ、同商品が無償で提供されるそうだ。この「ピース・オブ・マインド」というサービスは名前のとおり、高価なバイクを買う時の保険の役割を果たす。

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驚くほどシンプル

 レッド・ドットデザイン賞やFast Campanyからベストプロダクションデザイン賞を授与され、デザイン面でも評価の高いバンムーフ。
 Electrifiedシリーズのデザインの特徴は、究極のシンプリシティーにある。キーレスロック、盗難防止機能のスマートテクノロジーは太いアルミフレーム内に収納し、トップチューブの前後にLEDライトが内蔵されている。

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内蔵LEDライトは、オランダのフィリップスとの共同開発品。ハブダイナモ発電で駆動し、半永久的に使用できるという優れもの。©VanMoof

 チェーン、ブレーキケーブル、変速ギアといったパーツの全てもフレームで覆われるように内装されている。一般的にはむき出しになっているこれらのパーツをフレームに納めることで、日頃のメンテナンスにかかる手間を軽減すると共に、そぎ落とされたシンプルなデザインの美しさを際立たせている。まさに街乗りに最適な乗り物として設計された機能美である。

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ダッチバイクが原型?

 太いフレームが特徴のElectrifiedは、オランダで一般的に乗られている重くてペダルブレーキがついた「ダッチバイク」を連想させないだろうか。

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典型的ダッチバイクといえばこのタイプ。©picture alliance / Axiom Photographic

 Electrified Xの重量はバッテリーを含め18.4kg。電動アシスト自転車としては軽い部類に入るそうで、階段での持ち運びの負担を少なくしてある。

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©VanMoof

機能紹介

高性能モーター:出力250Wで最大24km/hまで電動アシスト。
パワーブースター:ブーストボタンでアシスト力をコントロール。
バッテリー:1回の充電で約50~120kmの電動アシスト走行可能
スマート:専用アプリで、自分の自転車がどこに置いてあるかトラッキング可能。新機能が定期的にアップデートされるので、使い続けるほどよりスマートに進化。
キーレス:バイクのダッシュボードに手をかざすと、アプリを通して自動的に人物を認識し、スムーズに解錠。すぐに乗りだすことが可能。
カスタマイズ:カラーバリエーションは4色から選べて、フロントキャリアの選択も可能。

長持ち設計:ライト、施錠、スマートテクノロジー、そしてバッテリーのすべてをひとつのフレームに詰め込むことで、ダメージを防ぐ。
ピース・オブ・マインド:盗難にあったらVanMoofのバイクハンターが探し出す。万が一、見つからなかった場合は同商品を提供。
保証:2年間 

製品概要

標準価格:37万円(税込)
特別価格:27万円(税込)※プレオーダー購入者限定

 プレオーダーは、5月23日から下記オフィシャルサイトにて開始。2018年の世界販売に先行して、日本では今年下旬の発売が予定されている。

 欲しいけど迷う!という人は、渋谷のVanMoofブランドストアで試乗も可能なので、試してみてはどうだろう?

2017年6月2日(JAFメディアワークス IT Media部 荒井 剛)

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