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クルマ最終更新日:2018.04.01 公開日:2018.04.01

世界最大規模クラシックカーの祭典「テクノ・クラシカ」って知ってる?

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高価なクラシックカーがひしめく会場の様子。テクノクラシカはエッセン市内の見本市会場で行われた。(c) Techno-Classica Essen 2018 / Fotograf: Rainer Schimm

 クラシックカーに特化したモーターショーとしては世界最大規模の「テクノ・クラシカ」が独エッセン市で、3月21日~25日まで開催された。約2700台の歴史的クラシックカーや関連商品が展示・取引され、18万人を超すファンが集った。

今年30周年を祝うクラシックカーの祭典

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エッセン市長も会場に駆けつけたオープニングの様子。(c) Techno-Classica Essen 2018 / Fotograf: Rainer Schimm

 今年は、最も新しい車種としてはVW(フォルクスワーゲン)Polo、貴重な現存品である1946年型アルファ・ロメオ6C 2500など、コレクターアイテムとして垂涎の高級車も含めて、世界30か国から1250の出展者により展示された。
 テクノ・クラシカにはクルマの展示だけでなく、車両の即売業者、スペア・パーツや復元の業者、モデルカーや書籍などのショップも数多く参加する。また約200のオーナーズクラブや自動車メーカーのクラシックカー部門が恒例のごとく集まる、クラシックカーやビンテージカー愛好家の交流の場。いわばクラシックカー・ファンの祭典といえよう。
 さっそく今年の出展車や会場の様子を紹介したい。

ロジャー・ムーアの愛車ボルボ1800 S

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(c) Techno-Classica Essen 2018 / Fotograf: Rainer Schimm

 この1967年製「ボルボ1800 S」は、007役で有名な俳優ロジャー・ムーアがかつて所有し、60年代にヒットした英国のテレビドラマ「The Saint(セイント 天国野郎)」にも登場した、クルマや映画ファンにとっての憧れの車である。
 ボルボ・カーズのプレスリリースによると、パールホワイトの1800 Sには、希少なオリジナル「トランケイテッド」スポーク・デザインのミニライト・ホイールHella製フォグランプ、ボルボ製ウッドステアリングを装備。車内は「The Saint」撮影時の状態のままでダッシュボードの温度計、スタジオ撮影の際に俳優に冷風を送るための独立したインテリアファンが取り付けられている。ロジャー・ムーアは、このクルマの最初の所有者で愛用していたそうだが、映画「007ゴールド・フィンガー」でミスター・ソロを演じた俳優マーティン・ベンソンに売却。その後も何人かの所有者の手を経て、2000年代初めにほぼオリジナルの状態にリストアされ、ボルボ・カーズの元に戻ってきたという経緯を持つ。

1989年の未来のクルマ IRVW Futura

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(c) Volkswagen AG

 「未来のクルマが、ここに」というキャッチコピーとともに開発されたVWの「IRVW Futura(フトゥーラ)」は、ハイテク搭載のプロトタイプとして1989年のフランクフルト・モーターショーで発表され話題になった。ウィングドアが印象的なフトゥーラでは、車間距離自動制御、自動ブレーキ、自動パーキング、ナビなど現在において実現されている自動運転技術が既に29年前に提案されていた。

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ドイツのコンパニオンは?

コンパニオンもお気に入り!世界で67台 ポルシェ365 B 2000 Carrera 2 カブリオレ

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(c) Techno-Classica Essen 2018 / Fotograf: Rainer Schimm

 リムガード付のフロントバンパーが特徴的な、「ポルシェ365 B 2000 Carrera 2 カブリオレ」の1962年モデルは、世界で67台だけ生産されたレアアイテムだ。
 テクノ・クラシカのコンパニオンは、肌の露出を押さえたエレガントな装いをしている。映画のシーンのようにドライブのシチュエーションを演出してポーズくれるのが面白い。

バブルカー好きのドイツ人に大人気 ピール・トライデント

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(c) Techno-Classica Essen 2018 / Fotograf: Rainer Schimm

 写真では売却済みの札が下がっている「ピール・トライデント」は、1965年~66年にかけて英国のピール・エンジニアリング・カンパニーによって製造されたバブルカー。全長約1.8mx幅約0.99mのコンパクトサイズ、UFOのようなカプセル状の跳ね上げ式ウインドウが特徴的だ。ピール・トライデントのほかに、メッサーシュミットやイセッタなど戦後のバブルカーは、ドイツでは常に人気のクラシックカーである。

独オーナーズクラブのブース

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(c) Techno-Classica Essen 2018 / Fotograf: Rainer Schimm

 「VWクラシックカークラブ・ヘッセン州オルデンドルフ」によるプレゼンテーション。昔の時代のガレージを再現したもので、拠点があるオルデンドルフ町の看板をつけるなどディテールにこだわりが現れている。ノスタルジックな雰囲気の再現にクラシックカーへの愛が感じられるブースである。

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コンテスト受賞作品も

エレガンス・コンテスト受賞作品

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(c) Techno-Classica Essen 2018 / Fotograf: Rainer Schimm

 テクノ・クラシカではコンテストも行われている。今年のエレガンス・コンテスト最優秀賞は、「マセラティ A6G 2000 Zagato」の1956年モデルが受賞。賞は修復を行った独チューニング・メーカー「アクセル・シュッテ」が受け取った。

1904年製モーターエンジン搭載自転車

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(c) Techno-Classica Essen 2018 / Fotograf: Rainer Schimm

 Laurin & Klement(ローリン&クレメント)社が1904年に製造した、自転車にモーターエンジン装備を搭載したバイクと自転車の中間たるモペットのような製品。エンジンをかけずに手動で動くペダルも付いている。この最新のエンジン付き2輪車に乗り、風光明媚な山岳地をサイクリングするのが当時の市民の憧れだったそうだ。

1961年のセレブカーVW 1500 (Typ 3) Cabriolet

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(c) Techno-Classica Essen 2018 / Fotograf: Rainer Schimm

 「VW 1500 Cabriolet」は量産されることなく、手作業により16台だけ製造された限定モデルだ。当時、初代ビートルの大量生産に沸いたVWにはこういった高級車の別注もあった。この車両は車体をデザイン・製造する独カロッツェリア「ヨハネス・ビースコウ」の公用車として使用されていたが、さまざまな経緯を経てほぼ新車どおりに修復され、今回テクノ・クラシカで初公開された。

来年はザザビーズも参加!

 今年度、大変な賑わいをみせたテクノ・クラシカであるが、来年はオークション会社「サザビーズ」が競売を行うことが予定されており今から話題になっている。サザビーズは「クラシックカーの市場としてドイツはヨーロッパで最も重要な場所であり、会場で約150のコレクターズアイテムや名車の競売を行う」と発表している。
 2019年度のテクノ・クラシカの会期は、4月10日~14日。さらに盛り上がりをみせるドイツの”クラシックカーの祭典”から目が離せない。

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ケーキ屋さんのスタッフもレトロな時代の制服を着て出展。(c) Techno-Classica Essen 2018 / Fotograf: Rainer Schimm

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(c) Techno-Classica Essen 2018 / Fotograf: Rainer Schimm

2018年4月1日(JAFメディアワークス IT Media部 荒井 剛)

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