第2回 〈課題曲〉 『いとしのエリー』
「もっとカラオケをうまく歌いたい」という方にさまざまなテクニックやヒントをお伝えするミュージックメイト。前回から、課題曲を選んで、その曲をよりうまく歌うためのコツをナビゲートする「実践編」に入りましたが、今回はその第2弾です。
課題曲は2015年にJAFとTOKYO FMが行なった『思い出すDrive あのキョク!! アンケート』の第3位に輝いたサザンオールスターズの『いとしのエリー』。ソウルミュージックの大御所、レイ・チャールズもカバーした名曲です。
マネより大事なものがある
『いとしのエリー』はサザンオールスターズのボーカル、桑田佳祐さんの独特の声と節回しがとても印象的な歌です。そのため、その強力な個性に引っ張られて、ついついマネをして歌ってしまいがちです。パーティーの席などではマネをしても場が盛り上がるかもしれませんが、そっくりであればまだしも、中途半端なマネではかえって場の雰囲気が微妙なものになってしまったりもします。
こうしたオリジナルバージョンがクセの強い曲の場合こそ、曲の個性に引っ張られるのではなく、そうした個性を無視して、自分らしく歌ってみることを意識してください。カラオケでは「その曲らしさ」よりも「あなたらしさ」のほうが輝くべきものであるはずです。
自分らしく歌うためには
自分らしく歌うには、まず、自分のキャラクターや声の質を意識してみましょう。
たとえば、『いとしのエリー』の場合、優しく爽やかな印象の人が無理して桑田佳祐さんのソウルフルな個性に寄せて歌っても、歌っている人のキャラクターは伝わりません。また、きれいで伸びやかな声の人が、桑田佳祐さんのダイナミックな歌い方に寄せても、やはり歌っている人の歌の魅力は伝わりません。
最近はプロの世界でも、他の人の曲を歌うカバーが流行しています。それは、曲そのものだけではなく、カバーしている歌手の新しい魅力を発見することができるからです。そのためには、プロであっても「自分らしく」歌うことが大切になってくるのです。
自分のキャラクターや声の質に合った曲を歌うだけでなく、あえて自分のキャラクターや声の質から離れている歌を選んで自分らしく歌う。そうしたワンランク上の楽しみも、皆様のカラオケライフを輝かせるヒントになるはずです。
【ワンポイント】
良い歌ほど、自分らしく気持ちを込めて歌ったほうが、聞いている人の心に響くものです。自分に合った歌い方で練習しましょう。
マネて歌うのは、パーティーなどで場を盛り上げるときと心がけましょう。
次回の課題曲は、山本コウタローの『岬めぐり』を「歌は語る」と題してお送りします。お楽しみに!