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ライフスタイル最終更新日:2018.04.10 公開日:2018.04.10

レシピ11: 「家族の夢入りダンボール」の作り方

「家族の夢入りダンボール」の作り方

春といえば新生活の季節でもあります。読者の皆さんの中にも転勤で新天地に向かった人もいらっしゃるのではないでしょうか。実は、私もその一人。とはいっても、これまで暮らしていた事務所兼自宅の近くに、移り住んだだけなんですけど……。だから今回は、自分のそんな境遇もあって、引越しをテーマに作品を作ってみました。

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引越しの主役といえばダンボール。
大きいサイズを土台にし、その蓋部分にグレーのガムテープを一直線に貼り付けることで道路の舗装が完了。
道路の両脇には、情景模型の並木も植樹。
さらに建物に見立てた大小のダンボール箱を積み上げれば、閑静な住宅街に。
そこに訪れたのは緑色の幌で荷台を覆った軽トラックのミニカーだ。
力持ちのおじさんたちが、荷台から次々に家具やダンボールを運び出す。
その様子を新居の前で見守る、ある家族。

今回、「引越し」をイメージできるものはなんだろうと考え、ダンボールをメインの素材としてセレクトしました。本当は、私が引っ越す際に依頼した引越し業者さんのダンボールとミニカーを使いたかったのですが、「大人の事情」により今回は断念。でも、シンプルなダンボールとトラックだけでも、十分、引越しのイメージを表現できました。今回は、これまで紹介してきた作品の中でも難易度は低い方なので、ぜひチャレンジしてほしいですね。

→次ページ:「家族の夢入りダンボール」を表現した材料

「家族の夢入りダンボール」を表現した材料

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ダイヤペット「DK-5115 1_36スケール サンバー軽トラック 幌付き」(1,728円)

ミニカーの種類は本当に多く、中には特定の引越し業者のロゴやキャラクターがプリントされたモデルもあります。が、今回は懐かしさも感じさせてくれる緑色の幌付きの軽トラックをセレクト。このモデルは、1/36スケールと少しサイズが大きいのですが、その分、幌が取り外し可能だったり、荷物のミニチュアが付属していたりして、今回のテーマにぴったりでした。

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作業員と男女、4人家族のフィギュア

どれもドイツのプライザー社製。作業員は数ある中から、トラックの荷台から荷物を運び出しているように見えるものをセレクト。ちなみに、4人家族という構成は、我が家と同じだったりします(笑)。ダイニングテーブルとチェアのミニチュアも用意。これが外にあるだけで、引越しっぽく見えますよね。

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大小のダンボールと文房具など

サイズが大きいダンボールは大地に、小さいものは建物に見立て、ジオラマなどで使われる樹木の模型で並木を表現しました。それ以外の空間を埋めるのにガムテープやカッター、油性ペンなどを使ったのは、これらによって作品を見る人が引越しを想起しやすくなると思ったからです。

→次ページ:「いよいよ制作!」

いよいよ制作!

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(1)ガムテープで道路を表現

大振りのダンボールの蓋を閉じつつ、道路に見立てたのがグレーの布テープ。コンビニや文具店ではあまり見かけない色ですが、某大手通販などですぐに見つかりますよ。これを真っ直ぐ、かつシワが寄らないように注意して貼り付けました。もちろんテープを切る際も、糸のほつれなどが出ないように丁寧に。

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(2)1/36スケールのミニカーを使う利点

道路に見立てた布テープの上にミニカーを置き、幌の内と外に、作業員を1体ずつ配置し、荷物を運び出しているように見せました。今回、ミニカーが1/36スケールと若干大振りなので、男の子のフィギュアの表情も見て取れます。これまでダイヤペットのミニカーをあまり使わなかったのですが、これは新たな発見でした。

(3)「取扱注意」のシールに注目

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ミニカー、人形の配置が済んだら、その周囲に建物に見立てた小さいサイズのダンボールを配置。ダンボールと同じ素材で作られた筒も用意。こうしたものも使うと、街並みに変化が生まれますよ。そして注目して欲しいのが、左下の「取扱注意」のシール。これを土台に貼ることで、引越し感がさらにアップしてませんか? 実際、撮影が終わるまで、このダンボールは、本当に「取扱注意」だったんですけどね(笑)

(4)新しいアトリエだからできたこと

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今回もライブビュー機能を駆使して、構図を決め込みました。が、いつもと違うのは、カメラを引いて撮影していること。これまで撮影していたアトリエでは、撮影台からこんなに離れて撮れなかったのですが、新居だとできるようになりました。などと言いつつ、ちょっとだけ新居自慢をしたかっただけなんですけどね(笑)

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ミニチュア写真家:田中達也(たなか たつや)

1981年、熊本県生まれ。広告関連のアートディレクションに携わりながらInstagramにアップしていたミニチュア作品が大人気に! 「ミニチュア写真家」へと転身する。2017年に年話題を呼んだNHK連続テレビ小説『ひよっこ』のタイトルバックのミニチュアも手がけた。2018年「MINIATURE LIFE展 田中達也 見立ての世界」が国内外各地で開催中。

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写真集『MINIATURE LIFE』『MINIATURE LIFE2』(水曜社)を上梓。
彼の作品は、http://miniature-calendar.comをチェック!

企画構成・文/寺田剛治

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