ヴォルテッラを囲む丘陵地。鉱物資源に恵まれていたことから、いにしえから人々が住み始めた。雄大な風景に「天地が創られたときは、こういった感じに違いない」と考えるのは筆者だけではあるまい。
国道SS68は、内陸であるシエナ県のポッジボンシからティレニア海に面したチェチナまで、71.5キロメートルにわたるルート。対面通行の道がえんえんと続く。地元ライダーにも人気のコースだ。
ヴォルテッラに至る途中、ポッジョ・ディ・サンマルティーノ地区で。マウロ・スタッチョリ作《指環 1997-2005》は、直径6メートル。“映え”という言葉が生まれる前から人気の撮影ポイントである。
ヴォルテッラは標高531メートルの丘の上。これは、ティレニア海のチェチナ側から向かっていたときの風景。エトルリア時代にVelathriと呼ばれていたものがVolterraとなった。
旧市街の入口から丘に突き出していることから、ラ・スパレッタ(la spalletta 欄干)と地元の人が呼ぶ広場。最も町中に徒歩アクセス容易な地下駐車場もここにある。
市役所前の広場で。石畳の中に貝の化石が無数にあるのは、周辺が海だった証である。
ヴォルテッラ-ヴァル・ディ・チェチナ-ヴァルデラ観光協会のクラウディア・ボロニェーゼさん(左)と、ロベルタ・ヴィーキさん(右)。
旧市街の眼下にあるローマ劇場と浴場跡。古代ヴォルテッラ人の優雅な暮らしがうかがえる。
アラバスター石は、長年ヴォルテッラの繁栄を支えた。今も近郊の1カ所で採掘が行われている。
旧市街で。中世ルネサンス時代そのままの街並みが続く。
ヴォルテッラ名物のひとつ、カタツムリ料理。濃厚なソースは、トスカーナの塩なしパンとの相性が良い。
カタツムリを殻から掘り出すことに集中する筆者。手はベトべトになり、ソースは服まで飛び散るので、初めてのデートには不向きだろう。だが、そうやって豪快に食べるのも楽しみのうちだ。
ヴォルテッラ「トラットリア・ダ・バド」は、第二次大戦後間もなくから続く老舗。厨房に立つルチアさんは、現オーナーのお母さんである。
フレグランス店のウインドウを飾るのも、アラバスター石の中に電球を入れた照明である。
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