2022年01月13日 11:50 掲載

クルマ 苦しみ抜いて成長した一年。
21歳のF1ドライバー「角田裕毅」かく戦えり

7年ぶりの日本人F1ドライバーとなった角田裕毅が、2022年1月7日にオンライン会見でデビューシーズンを振り返った。開幕戦は華々しい結果で始まったが、シーズン中盤は不調に陥る。終盤で不調から脱して最高の結果を残したが、その間に角田自身にどのような変化があったのだろうか。その会見をモータースポーツライターの大串信が解説。

文・大串信(モータースポーツライター)

"学び"のデビューシーズン

最終戦アブダビGPでの角田裕毅

最終戦アブダビGPでの角田裕毅 ⓒGetty Images / Red Bull Content Pool

 7年ぶりの日本人選手としてF1グランプリにデビューし、2021年シーズンを闘い終えた角田裕毅が、2022年の新年早々にオンラインで凱旋記者会見を開いた。角田はまず「2021年は自分にとって"学び"のシーズンでした」と口を開いた。

「4歳からレースを始めましたが、これまでで1番苦しい1年でした。(デビュー戦の)バーレーンでは良い感触でポイントも獲れたので、自分の中で自信を持ちすぎF1を甘く見てしまったんです。その後はミスが続き調子を崩してしまい、自信もどんどん失われ、負のスパイラルに入ってしまいました」

 レーシングカートでの活動を経て4輪レースに進出し、わずか5年、弱冠20歳(20215月に21歳)でF1にたどりついた角田は、デビュー戦のバーレーンGPで、ルーキーらしからぬ積極的な走りを見せてオーバーテイクを重ね、選手権ポイント圏内の9位でフィニッシュした。この走りは日本のファンのみならず世界のF1ファンから賞賛を集め、角田は一気に時の人となった。だがあまりにも鮮烈なデビューゆえに自信を持ちすぎてしまったと言うのだ。

 実際、開幕戦を終えた角田はその後、軽率なミスを重ねるようになり、時にはクラッシュしてマシンを壊すこともあり成績は低迷した。

「(チームから)クラッシュしないように言われたこともあり、(成績よりも)クラッシュしないことを第一目標に、少しペースを抑制して走るようにしたため結果が出なくなってしまいました」と角田は振り返る。

 また角田はミスをする過程で、走行中に無線を通して決して褒められないスラング、いわゆる"Fワード"を連発し、周囲から眉をひそめられることにもなった。それにより開幕時には期待の新人と持ち上げられた角田は一転、「感情のコントロールができない選手」と批判されるようになったのである。

 こうして"負のスパイラル"に陥った角田は苦しみながらなんとか流れを取り戻そうと苦闘を始める。

第3戦ポルトガルGPでの角田裕毅

3戦ポルトガルGPでの角田裕毅 写真=ホンダ

角田裕毅に関する記事