2021年07月13日 10:40 掲載

クルマ 暑い、くさいは嫌だ!
車のエアコンを点検してみよう

夏になり車のエアコンをフル稼働にしたら、においはくさいし、涼しくならない。こんな時の応急処置や、日ごろから注意すべき点を紹介する。

くるくら編集部 小林 祐史

まずはエアコンフィルターを点検

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エアコンを入れるとくさい、涼しくならない。その原因は? © structuresxx - stock.adobe.com

 車のエアコンをオンにして、くさい、涼しくならないと感じたときは、まずエアコンのフィルターを点検しよう。車のエアコンにも家庭用のように空気を清浄するためのフィルターが装備されている。その交換は11回が目安となっている。これが汚れていると、清浄能力が低下する。低下すると、エアコン内部にホコリが増えて、結露による水分によってカビが発生し、においの元となる。またフィルターが汚れて目詰まりすると、エアコンへの空気取り込み量が減少して涼しくならないというケースがある。そのため、まずはエアコンフィルターの点検から始めよう。

 エアコンフィルターは、助手席のグローブボックスを外すと点検できるようになっている車種が多い。取り出すには、まずグローブボックスを外す。するとエアコンユニットの一部分が見えるようになる。次に収納している部分のカバーを外し、エアコンフィルターを取り出せるようになる。その際に必要な工具もドライバー1本程度で、大掛かりなものを必要とするケースは少ない。

 ただし一部のミニバンなどはインパネの中央部などの奥まったところにエアコンフィルターが収納されていることがある。奥まっているので、助手席のドアを全開にしてフロアに寝っ転がる姿勢で作業をすることになるが、それでも15分前後で取り外せるので挑戦してみてほしい。

車はグローブボックスの奥にエアコンフィルターが収納されている

2019年型、日産セレナのグローブボックス(助手席側にある車検証などを入れる収納箱)。工具などがなくても取り外せる構造になっている車種が多い 写真=小林祐史

 ちなみに今回の撮影対象となった2019年型の日産セレナも奥まったところにエアコンフィルターが収納されていた。その取り外し作業の写真は、このページの下にあるこの記事の写真を見るに掲載しているのでクリックし、参照してほしい。

車のエアコンフィルターは掃除機NG

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車から外したエアコンフィルター。それなりに汚れている状態だった 写真=小林祐史

 エアコンフィルターを取り出したら、まずは汚れ具合を確認。異物が挟まっているなどで汚れがひどい場合は交換となる。また使用期間が1年以上の場合も交換したほうがベターだ。

 あまり汚れていない、もしくは使用期間が1年未満の場合は何もせずに再装着する。決して家庭用エアコンのように掃除機をかけるや水洗いなどはしないように! 車のエアコンフィルターはそのようなことを前提とした設計でないため、浄化性能の低下を招く恐れがある。また除菌や消臭機能を備えたものなどは掃除機や水洗いをすると、その機能が失われる可能性もある。

 エアコンフィルターは掃除機で吸わない、水洗いをしないというルールを覚えておこう。なお缶スプレーやコンプレッサーなどのエアブロワーで汚れを吹き飛ばすこともNGだ。

 点検後に再装着・交換する際に注意したいのが、取り付ける向き。上下を示す「UP」や、空気の流れを示した矢印などのマークがあるので、それを参照に正しい向きで装着しよう。正しい向きで取り付けないと清浄能力も低下してしまうからだ。

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エアコンフィルター取り付け向きを示す「UP」マーク 写真=小林祐史

注※2000年以前の発売された車にはエアコンフィルターが装備されていないものがある。

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