2021年06月10日 11:50 掲載

ライフスタイル 電動キックボードのシェアリング実験が、新たなルールでスタート。ヘルメットは任意に

新しい一人乗りモビリティ、電動キックボードのシェアリングサービスが、新たな実証実験としてスタートした。政府の特例措置を受けて、新たなルールで公道走行が可能となった新サービスについて詳しく紹介しよう。

くるくら編集部 会田 香菜子

渋谷、新宿などで電動キックボードのシェアリングがスタート

シェアアプリ「LUUP」の電動キックボードシェアリングサービス利用イメージ

出典:株式会社LuuP

 バスや電車などの公共交通機関は大切な移動手段だが、クルマと比べて不便な点の一つは、最終目的地まで移動できないことだろう。最近では、この最後の移動部分をラストマイルと呼び、ラストマイルを便利に移動する手段として、さまざまな小型モビリティが注目されている。

 その一つが、電動キックボード。2017年に米国でシェアリングサービスが開始されてからというもの、自転車よりも手軽に利用できる乗り物として注目されてきた。シェアリングサービスとは、短時間でも簡単に借りられるレンタルサービスのことだ。最近は日本でも、カーシェアリングや自転車のシェアリングが普及してきているので、利用したことがある人も多いと思う。

LUUPのポートマップ

LUUPのポートマップ 出典:株式会社Luup

 そんな中、株式会社Luup(以下、ループ)など4社が、「新事業特例制度」(※)を用いた電動キックボードの実証実験を開始した。ループは、2021年に国内初の電動キックボードの実証実験を行うなど、同サービスに先行的に挑戦してきた会社である。今回の実証実験では、渋谷区、新宿区、品川区、世田谷区、港区、目黒区に約200か所のポートを設置し、電動キックボード約100台を準備したという。

※経済産業省が、企業単位で新事業の内容に則した規制改革を進めていくことを狙いとして創設した制度のひとつ。

 今回の実証実験が以前と異なるのは、実証実験で利用される電動キックボードが、「特例電動キックボード」と呼ばれる、道路交通法上の特例措置が適用されるものになったこと。これにより、原付ではなく特殊小型自動車として位置づけられ、ヘルメットの着用義務がなく任意となった。一方、制限速度は、原付扱いの場合が時速30キロであるのに対し、今回の特例電動キックボードは時速15キロとなる。

  特例措置下の今回の実証実験では、走行区分も変更になり、車道の他、普通自転車専用通行帯(自転車レーン)や自転車道が通行できる。自転車を除く一方通行の標識がある一方通行路では、自転車同様に逆走も可能。歩道走行は禁止だが、今回の実証実験では、押し歩きすれば歩行者とみなされる。また、車両の走行が著しく多い道路は走行禁止道路に指定される。ループでは、交通量の多い道路などを右折する場合には、交差点で一度降りて横断歩道を押し歩いて渡ることを推奨している。

 注意が必要なのは、ここまで説明した特例措置は、今回の実証実験で利用される特例電動キックボードに限られること。つまり、個人で購入した電動キックボードなどには特例措置はないため、従来通り原付扱いとなり、走行区分なども従来どおり。もちろん、ヘルメットの着用義務もある。実証実験のためとはいえ、同じ乗り物に2種類のルールという複雑な状況が発生することになった。

 

電動キックボードの機体説明

出典:株式会社Luup

 ループで提供される電動キックボードは、時速15キロ以上では走れないよう制限されており、車体には後方にナンバープレート、ハンドル右側にサイドミラーを搭載している。もちろん、運転免許証も必要だ。始めて使用するときは、スマホアプリから運転免許証を登録し、走行ルール確認テストを満点で合格することが条件になる。

シェアアプリ「LUUP」のライド開始方法

シェアアプリ「LUUP」のライド開始方法 出典:株式会社Luup

 利用方法は、スマホアプリのマップで街中にあるポートを探し、乗りたい電動キックボードを選ぶ。カメラでキックボード本体のQRコードを読み取ると、ロックが解除される仕組みだ。確実に返却できるように、乗車前に目的地のポートを選択することが可能。選択したポートは、利用中に変更が可能なので目的地変更にも対応できる。返却時は、ポート内に駐輪した電動キックボード本体の写真を撮影してアプリ内決済をしたら終了だ。初乗り100円/10分で、以降16.5円/1分(いずれも税込)。自動で付加される保険は、対物賠償、対人賠償だけでなく、自身のケガも対象だという。

スカートやスーツ姿でもらくらく乗れる

電動キックボードの乗り方

電動キックボードの乗り方 出典:株式会社Luup

電動キックボードの機体説明(ハンドル周り)

出典:株式会社Luup

 電動キックボードのメリットのひとつには、服装を選ばない乗りやすさが挙げられる。例えば自転車の場合は、ペダルを漕いだ時にスカートを巻き込んでしまうことがある。伸縮性の無い服装の場合も、ペダルを漕ぎづらいことがあるだろう。その点、電動キックボードなら、「またぐ」「こぐ」必要がない。電動キックボードは、地面を蹴って初速をつけてから両足を置き、アクセルボタンを押すと加速する仕組みになっている。

 今回の実証実験で使われる特例電動キックボードは、ヘルメット無しでの走行が可能だが、万が一の事故はもちろん、転倒時にも危険がともなう。着用が任意とはいえ、安全のためにはできるだけヘルメットを着用した上での乗車をおすすめしたい。

 今回のシェアリングサービスの実証実験では、安全性を担保しながら、電動キックボードが多様な移動手段の一つとして日本社会に受け入れられるか注目される。

【ループの電動キックボードサービス概要】

利用可能エリア:東京都渋谷区、新宿区、品川区、世田谷区、港区、目黒区
利用料金:110円/初乗り10分、16.5円/分(税込) ※実証実験特別価格
ポート数:約200か所
電動キックボード台数:100台
利用条件:アプリへの運転免許証登録と走行ルールの確認テストの満点合格
保険対象:対物賠償、対人賠償、自身の怪我

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