クルマのある暮らしをもっと豊かに、もっと楽しく

ライフスタイル最終更新日:2023.07.06 公開日:2022.06.05

【車中泊あるあるトーク】トイレ・お風呂・停める場所…皆どうしてる? よくあるトラブル、達人たちがお答えします!

好きな場所とタイミングで休める車中泊は、自由を満喫できる新しいレジャーとしても注目されています。ドライブ中に見つけた気になるスポットを巡るといった、気軽に計画変更ができる自由度の高さも魅力のひとつです。
でも、暑さ寒さにはじまって、トイレやゴミの問題、プライバシー&防犯対策といった心配ごとも。フリークの皆さんはどう解決しているのでしょう?
そこで、車中泊がライフスタイルの一部になっている“車中泊の達人”3人が、ありがちな厄介ポイントをテーマにクロストーク。車中泊ビギナーの不安を吹き飛ばす解決方法やお役立ちギアにも迫ります。

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記事提供元/カエライフ

【車中泊あるあるトーク】トイレ・お風呂・停める場所...皆どうしてる? よくあるトラブル、達人たちがお答えします!_01|くるくら

まずは”車中泊の達人”3人の愛車をご紹介

今回お話をうかがう日常的にクルマを寝床にしている”達人”は、車中泊専門誌編集長の大橋さん、カエライフでの連載でもお馴染みの車中泊漫画家の井上さん、そしてアウトドア女子カルチャーを牽引する森さんのお三方。

大橋さんとその愛車紹介/ナッツ「キャネル」(日産「NV200バネット」がベース)

大橋 保之さん/カーネル編集長

車中泊を楽しむ雑誌『カーネル』の編集長にして、アウトドア情報メディアサイト「SOTOBIRA」も運営する。プライベートでは日産「ウイングロード」、会社用には日産「NV200バネット」がベースのライトキャンピングカーを駆って、公私問わず車中泊。

【車中泊あるあるトーク】トイレ・お風呂・停める場所...皆どうしてる? よくあるトラブル、達人たちがお答えします!_02|くるくら

福岡県を拠点にするキャンピングカーメーカー・ナッツが、日産「NV200バネット」をベースに製作したキャンピングカー「キャネル」。車内には水道や電源、ポップアップルーフなどを装備する本格派。ちなみにポップアップルーフの中について、詳しくは「SOTOBIRA」のこちらの記事にてご紹介。

井上さんとその愛車紹介/スズキ「エブリイワゴン」

井上 いちろうさん/車中泊漫画家

免許返納した父親から譲り受けたスズキ「エブリイワゴン」で、寝泊りはもちろん、仕事までこなす漫画家。日本全国を旅しながらギャンブル漫画を中心に執筆し、カエライフでも『高速道路SA・PAグルメ旅!車中泊漫画家・井上いちろうが喰らう』を連載しています!
Twitter @haibiitirou

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マイホームを捨てた約1年半前から、井上さんの家であり足となった。扇風機をはじめ、生活に必要なギアが満載の、まるで大人の秘密基地のようなレイアウトです。車内では運転席に設置したタブレット用アタッチメントを駆使して漫画執筆の仕事も精力的にこなしているそう。

森さんとその愛車紹介/Honda「バモス ホビオ」(愛称・なまけもの号)

森 風美さん/キャンプ女子

2019年に購入した人生初の愛車、ホンダ「バモス ホビオ」とともにアウトドア&車中泊を楽しむ。父親がキャンピングカーを所有していたため、クルマで寝ることに抵抗がなく、外遊びの延長線上に車中泊ライフがあるそうです。
Instagram @fu_u.m
twitter @fu_uyu

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カエライフ連載『森 風美のただいま軽バン改造中』の主人公。より気持ち良い空間になるよう現在進行中でDIYカスタム。後部座席に設置された自作のフルフラットスペースをはじめ、随所に女性らしい工夫が凝らされています。詳しくは連載記事にてご確認下さい!

「トイレ・お風呂・食事」にまつわる車中泊トラブル・あるあるトーク

【車中泊あるあるトーク】トイレ・お風呂・停める場所...皆どうしてる? よくあるトラブル、達人たちがお答えします!_05|くるくら

まずはトイレやお風呂、食事といった、生きるうえで欠かせない行為を達人たちはどう工夫しているのでしょう? ビギナーが真っ先に警戒するポイントですが、実はあまり心配する必要はないようで…。

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大橋さん:かつての車中泊はサーフィンや釣り、スキーといったアクティビティを楽しむための一手段でした。例えば夜に移動して、深夜に現地到着、そのまま宿ではなくクルマで仮眠するスタイルですね。
一方で、最近ブームになっている車中泊は、その行為自体を目的としている人も増えていて、レジャーの一種としても確立しつつありますよね。

森さん:私も釣りやキャンプの前泊としてよく車中泊をしますが、レジャーとして車中泊をするのも楽しいですよね! 女性でも一人で気軽にできますし。
ペット可のホテルを探さなくても、愛犬と一緒に気軽に旅行ができるのもうれしいポイントです。

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井上さんにとってクルマは寝食から仕事までこなすマイホーム

井上さん:そうなんですね。僕にとっての車中泊は生活の一部なので、少し趣が違いますね。クルマがマイホームっていう特殊な状況(笑)。

自炊はせずに地元のグルメを楽しむのが正解!

大橋さん:井上さんは確かにレアなケースですが、森さんのようなタイプが、今の車中泊のトレンドを引っ張っているんでしょうね。アウトドアブームの流れを受けて注目されている側面もあるんだと思います。
ただし、車中泊はテント泊や野営とは、過ごし方が少し違うんですよね。特に食事の楽しみ方。

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森さん:車内で料理するのって狭くて意外と面倒なので、車中泊をするときには訪れた土地の名物を食べに行きたくなっちゃいます! クルマなので移動も楽ですし。
とはいえ、車中泊をする場所がキャンプ場のときは、野外に調理キットを持ち出して自炊しちゃいます!

井上さん:森さんは元々キャンプ好きですもんね。ちなみに、高速道路を利用するなら各地のサービスエリアで食べると良いですよ。大体、その土地の名物料理は揃っています。
僕の食事はほとんどSA&PAかコンビニ。中央自動車道にある東京・八王子の石川PA(上り)なんか、第二の家といえるくらい常連です。八王子ラーメンがおいしくてね(笑)。

大橋さん:やはり井上さんは自炊されていないんですね。僕も車中泊のときは外食ばかり。地元の面白げなスポットで、普段食べられない逸品をみつけるのは車中泊の楽しみの一つですよね。

ゴミはなるべく出さないで持って帰るのがセオリー

大橋さん:いざ車中泊のときに自炊をするぞってなると、場所選びが大変です。それこそキャンプ場なら良いですが、高速道路のSA・PAや、一般道の道の駅の多くは炊事禁止。火気や発電機の使用もNGなんです。初心者のみなさんはご注意くださいね!

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井上さん:SA・PAや道の駅で余計なゴミを捨てるのもダメですよね。そこで買ったもの以外に、持ち込んだゴミは捨てないのが原則。コンビニも同じ。
僕はなるべくゴミを出さないよう、汁物はテイクアウトしません。みなさん、ゴミはどう処理してます?

森さん:私も基本的には持ち帰りますが、1週間とかゴミが溜まっちゃうような長期旅行をするときには、ルートにRVパークを組み込みます。有料でゴミの引き取りをしてもらえて、洗濯もできるし!

RVパークとは…より安心で快適に車中泊が楽しめる場所として、日本RV協会が認定している駐車場です。詳しくはこちら。

大橋さん:RVパークは便利ですよね。最近増えてきましたし、安心して車中泊できるのがポイントです。ゴミも引き取ってもらえます。また、洗濯機があるオートキャンプ場もあるので、長期の場合はそういった場所をルートに組み込んでもいいかもしれません。
とはいえ、ゴミに関していえば、家まで持って帰るのが一番シンプルかもしれません。2泊程度ならさほどの量は出ませんし。

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キャンピングカー仕様である大橋さんの愛車は居住性が高く、テレビや電源システムなども備えている

トイレとお風呂はなんとかなる!?

大橋さん:むしろ、女性だとトイレやお風呂が悩みなのでは?

森さん:トイレは食事をした場所やSA・PAでお借りしています。どうしてもというときはコンビニもあるし、困ったことはあまりないですね。
お風呂は1泊2日程度なら入らなくても大丈夫です。朝起きたタイミングで、水で髪を洗い流さなくてもいいスプレータイプのシャンプーをふりかけて、スッキリしてから観光に出かけています!

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水が不要で髪や頭皮のベタつきが抑えられる、リックスの「ドライシャンプー」を使って、シャワー無しの車中泊ライフを満喫する森さん

井上さん:僕の場合、保険としてポータブルトイレをクルマに積んではいますが、使ったことはないですね。いろんなところに清潔なトイレが設置されていますから、普段困らないんですよね。お風呂だけは健康ランドに寄って解決してます。

大橋さん:銭湯の方がリーズナブルで気楽じゃないですか?

井上さん:もちろん、銭湯も利用します。ただ、多くが地元密着型で近隣住民の憩いの場になっていて、僕みたいな”よそ者”は居心地が悪い場合も。
特にステイホーム期間中は厳しかったですよ。やっぱり車中泊をする場所を探して常に移動しているので、風当たりがちょっと強かったかな。”他県ナンバー狩り”なんて物騒な動きもありましたし…。やむなく一時期はホテル暮らしをしたほどです。

寒さより暑さが大変! 厳しい暑さには耐える覚悟が必要

大橋さん:カーネルでも無理をして車中泊にこだわらず、例えば2泊の旅なら、1泊は車中泊、1泊はホテル利用というように、ホテルや旅館も併用することを推奨しています。そのほうが旅のアレンジもしやすく、暑さや寒さで悩まされることが少なくて済みますからね。

井上さん:そうそう、車中泊にとって気温問題は永遠のテーマ。基本、寝るときはエンジンを切りますんで。寒さは寝袋やマットで暖を取って対応できますが、暑さの難敵ぶりはすごい。車内に扇風機を3台設置してますが、間に合わないこともありますね。

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井上さんの「エブリイワゴン」には小型の扇風機が3台も。それでも真夏の暑さには無力

※イラストは井上さんの連載記事より

森さん:私の場合、テントを持っているので、キャンプか車中泊かの選択ができるのですが、真夏はテントの方が涼しいので、あんまり車中泊はしないですね。
今年、空調服を手に入れたのですが、使ってみたらとっても涼しいので、クルマでも使えるか試してみたいなと思っています。

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背面の腰部分についている2つのファンで、服の中に外気を取り入れて涼しく快適に過ごすことができるそうです(撮影/森 風美)

大橋さん:空調服! 僕も試してみたいです。個人的にはポータブルクーラーに期待をしています。現在、いろいろな種類が出ていますが、この夏に話題になったのがアイリスオーヤマの小型の室外機一体型エアコンです。
ただし、現行の商品だと”ワンボックス”以外の一般車にはまだまだ大きめなサイズ。よりコンパクトになれば、エンジンを切った車内でも使いやすいので、車中泊の世界が一変すると思います。

井上さん:ちなみに窓を空けて風通しを良くするために、網戸を設置するのも暑さ対策としてアリなんですが、騒音と隣り合わせになっちゃうんですよね…。
あと、山間部や北に移動すると朝晩の暑さが多少はラクになりますよ。でも、僕みたいにクルマで暮らしている人は少ないから参考になりませんね(笑)。

「シチュエーション」にまつわる車中泊トラブル・あるあるトーク

車中泊における日常的な行動は意外と問題にならないと判明しました。しかし、停める場所やクルマの状態によっては大変な思いをすることが…。

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ポップアップルーフを展開すると、その中にもう一部屋スペースが増えるキャンピングカー「キャネル」。天井上の部屋部分には窓が備えられているので、風通しが良くなる

大橋さん:暑さ寒さ問題は、停車中にエンジンをかけっ放しにできないことから生まれます。実際、多くの場所でエンジン停止、アイドリング禁止が明文化されていなくとも、マナーとして根付いています。SA・PAや道の駅でも同様ですね。
ただし、真夏の炎天下や真冬の極寒のときには、自分の体調を最優先してエアコンを使用するかどうか判断することも大事です。そもそも、そういった悪天候になりそうな場合は、無理をして車中泊せずに、ホテルや旅館に切り替える、という選択肢も頭に入れておいてもらえると良いかと思います。

SA・PAは騒音に悩む可能性あり!?

井上さん:SA・PA愛好者としては車中泊をするとき、エンジン停止はもちろん、駐車場所にも気をつけた方が良いと思います。
僕は慣れましたが、夜の高速道路はトラックの騒音が凄いんです。各SA・PAではトラックから離れた場所にクルマを停めるようにしてますね。一般車両となんとなく棲み分けはされているようなので、一度観察してみてください。

森さん:私もSA・PAではトラックから離れたところに停めるようにしています。騒音が気になる方はRVパークやキャンプ場を探すようにした方がいいかもしれないですね。川や木々の音が聞こえて落ち着きます。

井上さん:僕は自然の中だと、カエルの鳴き声が気になって仕方ないかも(笑)。

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大橋さん:一方で、我々自身が騒音の原因になりかねないこともあります。車中泊人口が増えるということは、残念ながらマナーがルーズになりやすいというマイナス面もあります。
人の声が一晩中聞こえているというのは、実はクルマから出るエンジン音以上に厄介ですよね。

井上さん:確かに、ギャーギャーと騒ぐ集団は困ります。

森さん:それから、車中泊するときには眩しいのも気になるので、街灯や照明の近くも避けてます!
以前、大きなライトの近くに停めてしまい、起きたらクルマのクリーム色のボディに虫がいっぱい…なんてこともありました。夏場は車内の虫対策も欠かせないですよね。私はモスキートランタンやフマキラーの「おすだけベープ」を愛用してます。

井上さん:僕もワンプッシュ系の防虫剤を使ってますね。夏は雨がうれしくなりますよ、涼しくなって虫も減るんで!

プライバシーや防犯は? 窓をブラインドしてプライベート空間を確保

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カーテンレールを装備する森さんのバモス ホビオは遮光性も◎

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カーテン代わりにペンドルトンのジャガードバスタオルを使用した森さんのバモス ホビオ。かわいさもバッチリ!(撮影/森 風美)

大橋さん:あと、虫だけでなく、人対策は皆さんどうしてますか? 特に就寝時、プライバシーが気になりませんか?
僕の車はキャンピングカー仕様なので窓にカーテンを装備していて、閉めれば外からは中が見えないようになっています。

井上さん:僕もカーテンはカスタムしていますが、開けっ放しでももはや気にしていない状態です(笑)。
クルマを停めっ放しにしていると、ほとんどの人が車内に誰もいないと思うらしく、高い頻度でウインドウを鏡代わりにされますね。知らないおっさんが僕の目の前で髪の毛を整えて去っていく…(笑)。

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「女の子の部屋に入る感覚でドキドキします(笑)」と森さんの愛車の車内をのぞく男性陣

森さん:車内に居る時はしっかりカーテンをしているので、あまり心配していません。でも、現地の方や自分と同じ車中泊の人と仲良くなって、「クルマの中、見せて見せて!」って言われると、プライベートスペースに入って来られる感じがしてちょっぴり嫌です。今日は綺麗に片付けているけれど、散らかっていることも多いので…。

大橋さん:女性だと防犯対策みたいな点は気になりますか?

森さん:以前カエライフの記事でも書きましたが、私は元々キャンプをしていたので、テントと違って施錠もでき、いざとなれば運転して逃げることもできる車中泊は、割と安全に感じています。
とはいえ、特に女性1人の場合、いざというときのために外から室内が見えないようにしたり、しっかり施錠したりといった注意は必要ですね。

ガソリンはまめな給油を心がけると吉!

大橋さん:あとは、ガス欠とバッテリー上がりもありがちですよね。特に東京に住んでいる人は遠出したら早めの給油を心がけるべきだと思います。
地方だとガソリンスタンドが想像以上に少ないうえ、営業時間も短め。次のGSで入れれば良いや〜、なんて甘く考えていると泣きを見ます。実際に僕はJAFを呼んで、お財布と時間に結構なダメージ受けた経験があります(笑)。
いずれにせよ、保険やJAFの連絡先はもしものときにすぐ車内で確認できるようにしておいたほうがベターですね。

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井上さん:僕も山の中をガス欠寸前で進んだ経験はありますが、JAFを呼ばないといけないレベルのトラブルは面倒ですよね。ちなみにJAFを呼ぶまでのトラブルではないですけど、職務質問される率の高さは僕、すごいですよ(笑)。

大橋さん:それは災難(笑)。

井上さん:ホント日常茶飯事ですよ。走行中でも警察に停められるくらい(笑)。

達人たちが出くわしたトラブルってどんなこと?

日常的に車中泊をする達人たちでも避けられないトラブルがあります。もっとも気をつけたいのが事故。長時間の運転をしていると、意外なシーンに遭遇することも !?

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幸運にも大きなトラブルに遭ったことのない3人だが、それはしっかりと注意しているから

井上さん:でも、職務質問されるよりもっと嫌なのが動物の死骸。朝早くから高速を走っていると、轢かれたばかりのかわいそうな姿の動物と出くわすんです。
避けられるタイミングなら避けますが、急だと変に反応しちゃうとこちらの運転が危なくなっちゃう。ゴツい鹿に飛び出されたときも驚いたなぁ。

大橋さん:クルマを使う以上、事故への注意は欠かせませんよね。あとは、車中泊がOKな場所とNGな場所の見極めが難しい。特に道の駅。
今は車中泊カルチャーが過渡期なのでしょうね、さまざまな問題が露見しているタイミングということで、ウェルカムじゃない場所が増えています。もう少し成熟すれば明確なルールが設けられるとは思うのですが。

森さん:日本ではまだまだ一般的ではない車中泊だけど、アメリカだとRVパークが発達していて、車中泊がもっと身近なんです。
一度、アメリカのRVパークに泊まったことがあるのですが、ずっとそこに住んでいる家族もいらっしゃって、ひとつのコミュニティができているのも印象的でしたね。

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特別な装備がなくても自然の中でくつろげるのが車中泊の魅力。とはいえ、日本ではまだ一般的とはいえない

車中泊の楽しみ方を達人たちがアドバイス!

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3人とも所有しているポータブル電源。ここ数年、各メーカーからバリエーション豊富に展開されているが、極端にロープライスなモデルは信頼性にかけるとか。左からTacklifeの「P 16」(井上さん所有)、LACITAの「ENERBOX」(大橋さん所有)、Hondaの「LiB-AID E500」(森さん所有)

井上さん:僕はアドバイスを言えるような立場じゃないですが、家がなくても苦労しませんよと…。ローンを払うために働くのが嫌になったら、クルマを生活の拠点にすると良いかもしれません。
もちろん、週末車中泊もあり。家に居てはわかりにくい、不自由さのありがたさが理解でき、視野も広がると思います。ポータブル電源やソーラーパネルさえあれば、大抵のことは乗り切れると思いますよ。

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井上さんは、車内でDVDを鑑賞するためにポータブルプレーヤーを持っている。そのリモコンの裏面には、磁石を付けて車体に貼り付けることで紛失防止対策に

森さん:WEBの検索能力をあげるとスムーズに車中泊にチャレンジできると思います。例えば「車中泊 神奈川」と調べるだけでなく「車中泊 神奈川 おすすめ」「車中泊 神奈川 泊まってみた」など知りたいワードを追加して、しっかり調べればトラブルに合う危険性も下がります。
車中泊スポットを取り巻く環境は日々変化するので、記事の更新日時など、情報の鮮度も意識するといいと思います。車中泊できると思って行ってみたら泊まれなかった! ということもあり得るので…。
それから、車中泊旅だからと言って、無理してクルマに泊まる必要もないので、ゆっくり寝たいと思ったらホテルをとってください。楽しむための車中泊が辛くなっちゃったら本末転倒ですもんね!

大橋さん:この1〜2年で車中泊は相当浸透しました。これからRVパークのような車中泊に便利なインフラも充実すると予想されます。
車中泊は決して特別な趣味ではありませんから、気負わずにドライブやアクティビティの延長として楽しんでください!

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テレビや水道など、充実した大橋さんの車内設備に興味津々な森さん。このレベルの装備をDIYするのはかなりの上級者だが、まずはプロのショップに頼むか、簡単なDIYから楽しんでみることからはじめてほしい、という大橋さん

クロストークを終えて…

ビギナーから見れば少々難易度が高く感じる側面もある車中泊ですが、達人たちにとってはとても楽しいレジャーの一環といった様子。特にトイレやゴミ、お風呂などの生活面は不安を感じる必要がなさそうです。

ただし、ちょっと意識すべきは駐車ポイント。「とりあえず、ブラックマークと呼ばれるタイヤのスリップ痕がある駐車場は避けてください。マナーの悪いドライバーの遊び場になっている可能性大です」という大橋さんのアドバイスを参考に、今度の週末あたり、ぜひチャレンジしてみては?

取材・文/金井 幸男
写真/長野 竜成

※この記事は、カエライフに2020年10月5日に掲載されたものです。

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