2022年04月29日 06:00 掲載
ライフスタイル 車中泊避難とは? 災害時に役立つその基本をプロが指南!
そこで今回は、日本で唯一の車中泊専門誌『カーネル』の編集長である大橋保之さんに車中泊避難の基本について教えていただきました。
車中泊避難をする理由や、ふだんの生活で準備しておけること、車中泊に慣れていない人が注意するべきことなどを解説。いざというときのために、自家用車をお持ちの方はぜひ参考にしてみてください。
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カエライフ記事提供元/カエライフ
大橋 保之さん/カーネル編集長
車中泊を楽しむ雑誌『カーネル』の編集長にして、アウトドア情報メディアサイト「SOTOBIRA 」も運営する。プライベートでは日産「ウイングロード」、会社用には日産「NV200バネット」がベースのライトキャンピングカーを駆って、公私問わず車中泊。 著書に『やってみよう! 車中泊』(中公新書ラクレ)
車中泊避難、注目の背景は? 避難先としてのクルマ
― 最初に、車中泊避難が注目されるようになった背景について教えてください。
大橋:新潟県中越地震や東日本大震災のときからすでに車中泊避難というものは話題になっていましたが、より注目されるようになったのは2016年の熊本地震からかと認識しています。熊本地震のときには、主に大きな余震が続いていたことから、自宅で就寝するのが怖いと感じてクルマでの避難生活をされた方が多かったようです。
また、最近ではコロナ禍での避難生活の一手段として注目されているといったこともあります。
ここで注意したいのは、「クルマで避難行動を行うこと」と、「避難生活でクルマを活用すること」の違いです。「クルマで避難行動を行うこと」に関しては、行政からガイドラインが出されていいます。まずはそれらを参考にしてもらいつつ、自分が住んでいる(働いている)地域に、照らし合わせてみてください。
しかし、今回ここで紹介したいのは、この「クルマで避難行動を行うこと」ではなく、「避難生活でクルマを活用すること」についてです。避難生活で車中泊をしなくてはいけない状況とは、どんな時か? 心身ともに、少しでもストレスの少ない車中泊避難を行うにはどうすればいいのか? 「ただ横になれればいい」というわけではないのが、車中泊避難の難しさです。
― どういった理由で車中泊避難をするのでしょうか?
本震後の余震による自宅や避難所の倒壊の恐れ、プライバシー面の懸念、ペットがいる、家族の事情などさまざまな理由があって、車中泊避難を選んでいる人がいました。避難生活のひとつの選択肢として車中泊のことを知り、事前に準備しておくことは、さまざまな災害が多発している昨今、重要な防災対策だと思います。
車中泊避難をする理由
- 余震があり自宅での就寝に不安
- 避難所が倒壊の恐れがある
- プライベート空間の確保
- ペットが一緒
― 緊急時に避難の一手段としておこなう車中泊と、レジャーでする車中泊には違いはありますか?
体や心にかかる負担が大きく違います。レジャーでは、事前準備ができて自分が選んだ場所で楽しく車中泊ができます。スケジュールを自分で決められるため、心には余裕があります。
一方で、緊急時の車中泊では先の見通しがつかず大きな不安がともないます。準備も万全ではなく環境も選べないことが多いため、ストレスも多くなるのがレジャーでの車中泊との大きな違いです。
レジャーでの車中泊
- 楽しい
- 事前準備ができる
- 計画的に車中泊できる
- 基本好きな場所で寝られる
- 自分の判断でやめられる
緊急時の車中泊
- 大きな不安
- ストレスが多い
- 準備が万全ではない
- 寝やすい場所とは限らない
- やめたくてもやめられないことも
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