2021年10月14日 11:40 掲載
ライフスタイル
懐かしのレーシングカーが疾走する
昭和の日本のレース映画
石原裕次郎、高倉健の大スターが主演
石原裕次郎が主演の『栄光への5000キロ』 写真=石原プロモーション
レースを題材にした日本の映画は1960年代後半になると話題作と呼べるものが公開され始める。それは1963年に鈴鹿サーキットが営業を開始したことが要因の1つでもある。日本初の本格的なサーキットであり、そこで開催されるレースに参戦するため、多くの自動車メーカーがモータースポーツ活動に本腰を入れ始めた。同時に日本車は世界進出のため、その性能をアピールする場所として世界選手権を冠するレースへの挑戦を始める。そんな時代を反映して撮影されたのが、石原裕次郎が主演する『栄光への5000キロ』(1969年公開)だ。
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『栄光への5000キロ』は、1966年の東アフリカ・サファリ・ラリーで日産が優勝したときのチーム監督である笠原剛三の著書が原作。映画は石原裕次郎が扮するレーサーが、日本グランプリやモンテカルロラリー、サファリラリーといった国内外のレースで活躍する姿を映し出している。それらのレースシーンでは、雪に覆われたアルプス山脈や赤土のホコリが舞うサファリ、富士スピードウェイの30度バンクなどがロケ地となっている。また本作は公開時に上映時間が3時間近くあったため、地上波のテレビ放送でノーカット版が放送されることがなく、さらに2013年に発売された完全版Blu-ray、DVD版までソフト化もされていなかった作品である。
モータースポーツ界の発展期に撮影
『栄光への5000キロ』が、日本のモータースポーツ界の創世記に制作されたのに対して、高倉健が主演した『海へ -See You-』(1988年公開)は、モータースポーツ界の発展期だったバブル景気の真っ只中に制作された作品だ。
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題材としたレースはパリ・ダカール・ラリーで、高倉健は抜群の技量を持つメカニックを演じている。当時のパリ・ダカール・ラリーは、フランスのパリをスタートして、地中海を船で渡り、アフリカ大陸のサハラ砂漠を縦断し、セネガルのダカールでゴールするという1万3000kmにも及ぶルートを約20日間で走破するものだった。
映画のロケ地もパリダカと同じ場所で行われ、その過酷さが伝わる映像となっている。ストーリーは、その中でチーム内に起こるさまざまな人間模様を描いている。ちなみに脚本は倉本聰。監督は、高倉健が主演し110億円という当時の興行収入の記録を塗り替えた『南極物語』(1983年公開)の蔵原惟繕がメガホンをとった。上映時間は174分と3時間弱もあるため、ビデオ化されたときには上下巻に分けられていた。
映画に登場する車の写真は
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