はじめよう、クルマのある暮らし。

Cars

公開日:2025.12.15

ポルシェの新型BEV「カイエン・エレクトリック」が上陸! ターボは0-100km/h加速2.5秒!【新車ニュース】

ポルシェ・カイエン・ターボ・エレクトリック|Porsche Cayenne Turbo Electric

ポルシェジャパンはこのほど、新型BEV「カイエン・エレクトリック」および「カイエン・ターボ・エレクトリック」の日本導入を発表し、11月20日より予約受注を開始した。税込車両価格は「カイエン・エレクトリック」が1335万円、「カイエン・ターボ・エレクトリック」が2101万円。

ポルシェ・カイエン・ターボ・エレクトリック|Porsche Cayenne Turbo Electric

文=細田 靖

写真=ポルシェ

この記事をシェア

新型カイエン、内燃エンジン&ハイブリッド仕様の開発は継続

カイエンはポルシェがスポーツカーブランドの伝統をまったく新しい市場セグメントに移した最初のモデル。2002年9月のワールドプレミア以降、このスポーツオールラウンダーは世界的な成功を収めた。そして今、フル電動モデルのカイエンによって新たな時代が幕を開けようとしている。

ポルシェAGのオリバー・ブルーメ取締役会会長はこのように述べている。

「新しいカイエンは、モータースポーツで培った革新的な技術によって、まったく新しい次元のパフォーマンスを発揮します。走行特性だけでなく充電の面でも、SUVセグメントに新たな基準を打ち立てます。卓越した電気性能と現実的な日常の使い勝手の良さ、優れた長距離快適性と妥協のないオフロード性能を兼ね備えています」

ポルシェは世界で販売するスポーツカーの約36%を電動化し、2025年に最も急速に変貌を遂げた自動車メーカーのひとつ。フル電動化されたカイエンは、このサクセスストーリーの次のマイルストーンであり、パワートレインを完全にフレキシブルに選択できるというポルシェの精神に基づき、既存の内燃エンジンモデルとプラグインハイブリッドモデルのカイエンを補完する。

セールス/マーケティング担当取締役のマティアス・ベッカー氏はこのように説明。

「お客様に感動を与えることはポルシェにとって最優先事項です。カイエンの電動化によって、ポルシェは将来の基準となる新たなレベルの性能に到達します。同時に、効率的な内燃エンジンとハイブリッドドライブを搭載したカイエンの開発を、次の10年に向けても続けていきます。この戦略は、ポルシェのすべてのモデルポートフォリオに適用されます。将来的には我々が展開するすべてのセグメントにおいて、お客様はフル電動や内燃エンジンのパワートレインから選択できるようになります」

ターボはローンチコントロール作動で1156ps/1500Nmを発揮!

ポルシェ・カイエン・ターボ・エレクトリック|Porsche Cayenne Turbo Electric

ポルシェ・カイエン・ターボ・エレクトリック|Porsche Cayenne Turbo Electric

新しいカイエンファミリーとしてこのたびデビューした「カイエン・エレクトリック」および「カイエン・ターボ・エレクトリック」はどちらも4WDで、電子制御ポルシェトラクションマネジメント(ePTM)が装備されている。

カイエン・ターボ・エレクトリックの0-100km/h加速タイムは2.5秒、0-200km/h加速タイムは7.4秒、最高速度は260km/hに達する。このパワフルなeパフォーマンスは、ローンチコントロールを作動させると最高出力850kW(1156ps)、最大トルク1500Nm(153kgf-m)を発生する新開発のドライブシステムによって実現。ターボモデルはリアアクスルの電気モーターを直接オイル冷却することで、高い連続出力と効率を確保する。これはモータースポーツに由来する革新だ。

通常走行モードでは最高出力630kW(857ps)を発生し、プッシュ・トゥ・パス機能により、ボタンを押すだけで130kW(176ps)を10秒間追加で作動させることができる。

エントリーモデルのカイエン・エレクトリックは、通常作動時に最高出力300kW(408ps)、ローンチコントロールを使用すると最高出力325kW(442ps)、最大トルク835Nm(85.1kgf-m)を発生し、4.8秒の0-100km/h加速、230km/hの最高速をマークする。

新しいカイエンのエネルギー回生は、フォーミュラEと同レベルの最大600kWの回生出力を達成。日常生活ではすべてのブレーキ操作の約97%を電気モーターだけで処理できるので、機械式摩擦ブレーキが介入する必要はほとんどない。カイエン・ターボ・エレクトリックには、ポルシェセラミックコンポジットブレーキ(PCCB)もオプションで用意されている。

新型カイエンの多用途性の多くはシャシーによるものだ。ポルシェアクティブサスペンションマネジメント(PASM)を備えたアダプティブエアサスペンションを両モデルに標準装備。ターボモデルにはポルシェトルクベクトリングプラス(PTVプラス)リミテッドスリップリアディファレンシャルも装備される。両モデルとも、後輪を最大5度操舵するリアアクスルステアリングの装備が可能だ。

さらに、現行パナメーラで採用されたポルシェアクティブライドも採用。カイエンに新たに採用されたアクティブサスペンションシステムは、ボディの動きをほぼ完全に補正し、卓越した安定性、ダイナミクス、快適性を保証する。

心臓部には、両面冷却による最適な熱管理が行われる新開発の113kWh高電圧バッテリーを搭載。航続距離(複合WLTPモード)はカイエン・エレクトリックで最大642km(※)、カイエン・ターボ・エレクトリックで最大623km(※)を実現する。800V技術により390kWの直流充電が可能で、特定の条件下では最大400kWで充電することができる。SoC(充電状態)は16分以内に10%から80%まで増加させることが可能で、10分以内に325km(カイエン・エレクトリック)/315km(カイエン・ターボ・エレクトリック)の航続距離のエネルギーを追加できる。新型カイエンの開発で最も重視されたのは、この強力な充電性能だ。
※航続距離は欧州仕様値

新しいカイエンはまた、最大11kWで充電するインダクティブ充電をオプションでサポートする最初のポルシェでもある。ワイヤレス充電に必要なのは、ユーザーがフロアプレートの上に駐車するだけ。その後、自動的に充電が開始される(欧州仕様)。

13cm近く拡大したホイールベースにより後席の居住性が向上

ポルシェ・カイエン・ターボ・エレクトリック|Porsche Cayenne Turbo Electric

ポルシェ・カイエン・ターボ・エレクトリック|Porsche Cayenne Turbo Electric

エクステリアデザインは、ポルシェ車の特徴的なプロポーションと、明確に開発されたデザイン言語を兼ね備えている。スタイル・ポルシェの責任者であるミヒャエル・マウアー氏はこのように述べている。

「新しいカイエンは紛れもなくポルシェであり、紛れもなくカイエンです。ポルシェは実績のあるデザインの特徴をベースに、このSUVの独自性を維持しました。その結果、カイエンを未来へと導くモダンなデザインコンセプトが生まれました」

ハイライトとしては、スリムなマトリックスLEDヘッドライトを備えた低いボンネットが挙げられる。これは車両の幅を強調し、すべての照明機能をひとつのモジュールに統合。力強い輪郭を描くフェンダーは、象徴的ななだらかな傾斜のルーフラインを表すフライラインと同様に、他のポルシェでもお馴染みのデザインだ。

サイドビューの特徴は、フレームレスドアとドア表面の印象的な凹み。立体的なデザインのサイドスカートはボルカニックグレーメタリックで塗装され、カイエン・ターボ・エレクトリックではハイグロスブラックとなる。2トーンカラーのコンセプトはスポーティなプロポーションを強調し、モデル専用のホイールアーチトリムはオフロード特性を強調。特徴的な3Dルックとアニメーショングラフィックが施されたライトストリップやイルミネーテッド“Porsche”ロゴなど、リアの印象的なディテールがモダンなデザイン言語を引き立てている。

カイエン・ターボ・エレクトリックは、専用カラーであるターボナイトの数多くのコントラストエレメントが特徴。これには、ポルシェクレスト、軽合金製ホイールの表面、サイドウインドウトリムなどが含まれる。ターボナイトの繊細なアクセントがライトストリップと“Porsche”ロゴを際立たせる。

アプローチアングルと堅牢性に関する特別なリクエストには、オフロードパッケージが応える。ジオメトリーを変更したフロントセクションは、荒れた未舗装路、特に急な上り坂や下り坂、難しい地形でも安全に走行できるようサポートする。

空気抵抗係数(Cd値)は0.25を誇り、このクラスではトップクラスの空力性能により、航続距離とエネルギー消費の面でメリットをもたらす。ポルシェアクティブエアロダイナミクス(PAA)システムは、走行状況や速度に応じて車両の空力特性を正確に調整し、効率的な制御戦略とともに、ダウンフォースを増加させることでポルシェブランドに期待されるドライビングダイナミクスに貢献する。

アクティブエアロダイナミクスエレメントには、ノーズの可動式冷却エアフラップ、アダプティブルーフスポイラー、ターボ後部の革新的なアクティブエアロブレードなどがある。横方向のティアオフエッジを延長して流動特性を改善し、特に高速走行時の航続距離の向上を実現する。その他の空力対策としては、フロントボディのエアカーテン、ほぼ完全に密閉されたアンダーボディ、専用エアロホイール、リアのディフューザーなどが挙げられる。

ボディサイズは内燃エンジンモデルより55mm長い全長4985mm、全幅1980mm、全高1674mm。その差はホイールベース(3023mm)で最も大きく、13cm近く伸びたことで後席の足元スペースがこれまで以上に広くなり、後席の乗員も快適に過ごせる。

リアシートは電動調整式が標準装備され、コンフォートポジションからカーゴポジションまでフレキシブルに調整可能だ。荷室容量は781~1588Lで、さらにフロントに90Lのラゲッジコンパートメントを備えている。利便性は装備に応じて最大3.5トンの牽引性能によっても強調されている。

有機ELパネルによるフローディスプレイが新たなデジタル体験を提供

ポルシェ・カイエン・ターボ・エレクトリック|Porsche Cayenne Turbo Electric

ポルシェ・カイエン・ターボ・エレクトリック|Porsche Cayenne Turbo Electric

インテリアは新たに導入されたムードモードによって、気分や状況に合わせた体験空間を楽しめる。選択したプログラムに応じて、シートポジション、ライティングムード、エアコン、サウンドプロファイル、ディスプレイの外観が変化するのだ。電動で切り替え可能な液晶フォイルによる可変ライトコントロールを備えたスライディングパノラミックルーフは、開放感のある空間を提供する。

もうひとつ注目なのが新しいパネルヒーターで、シートだけでなく、アームレストやドアパネルなど広い面積の接触面も暖める。また、コミュニケーションライト(車両に乗り込む乗客を歓迎し、充電プロセスなどのさまざまな車両状態を視覚化するアニメーテッドライトストリップ)などの拡張アンビエントライティングも充実している。

カスタムの多彩さはこれまでにないほど用意された。13色の標準カラー、20~22インチの9種類のホイールデザイン、12種類のインテリアの組み合わせ、最大5種類のインテリアパッケージ、最大5種類のアクセントパッケージから選べる。ポルシェエクスクルーシブマニュファクチャー、ペイントトゥサンプルによるエクステリアカラーレンジの拡大や、Sonderwunsch(ゾンダーヴンシュ=スペシャルリクエスト)プログラムにより、多数のオプションから完全なワンオフモデルまで、個人的な希望に応じてカイエンをカスタマイズできる。

デジタル化の分野では、新しいカイエンがドライビング体験を新たなレベルに引き上げる。新しく開発されたポルシェドライバーエクスペリエンスの中心となるのがフローディスプレイ。これはセンターコンソールにシームレスに溶け込み、ディスプレイとコントロールエリアを明確に分離してエレガントなカーブを描く有機ELパネルだ。さらに、OLEDテクノロジーを採用した14.25インチのフルデジタルメーターパネルと、14.9インチの助手席側ディスプレイ(オプション)が加わる。その結果、ポルシェ史上最大のディスプレイエリアが実現した。

カイエンでは初めて、車両の10m前方に87インチのディスプレイエリアを視覚的に表示する、AR技術搭載ヘッドアップディスプレイも用意された。すべてのディスプレイはインテリアアーキテクチャーにシームレスに組み込まれている。一方、エアコンやオーディオの音量など、特に使用頻度の高い機能のボタンやコントロールはアナログ式。さらに新開発のハンドレストにより、ドライバーは特にダイナミックな運転状況でもデジタルとアナログのエレメントを人間工学的に操作可能だ。

新しいポルシェデジタルインタラクションは、ポルシェドライバーエクスペリエンスを拡張するデジタル操作哲学とデザイン言語で、個性化と機能への迅速なアクセスを目的としている。ウィジェットを使用して好みの機能にアクセスし、テーマアプリを使用してすべてのディスプレイの配色をカスタマイズ可能。数多くのサードパーティ製アプリは、ポルシェアプリセンターを介して車両に直接統合でき、多様なストリーミングとゲーム機能がデジタル体験を新たなレベルに引き上げる。ポルシェデジタルキーを使用すると、スマートフォンとスマートウォッチが車両のキーとなり、最大7人のユーザーとデジタルで共有できる。

SPECIFICATIONS
ポルシェ・カイエン・エレクトリック|Porsche Cayenne Electric
ボディサイズ:全長4985×全幅1980×全高1674mm
ホイールベース:3023mm
最低地上高:190mm
最小回転半径:5.9(リアアクスルステリング装備車は5.4)m
乗車定員:5人
荷室容量:前90L/後781〜1588L
モーター最高出力:325kW(442ps)[850kW(1156ps)]
モーター最大トルク:835Nm(85.1kgf-m)[1500Nm(153kgf-m)]
駆動方式:4WD
バッテリー総容量:113kWh
一充電航続距離:642[623]km(欧州仕様値)
0-100km/h加速:4.8[2.5]秒
最高速度:230[260]km/h
税込車両価格:1335[2101]万円
※[ ]内はカイエン・ターボ・エレクトリック

記事の画像ギャラリーを見る

この記事をシェア

  

Campaign

応募はこちら!(2026年1月4日まで)
応募はこちら!(2026年1月4日まで)