マツダ「RX-9」は本当に出る? ジャパンモビリティショー開幕直前! 国内広報のキーマン、辻本宏治さんが語る【クルマのことは、あのヒトに聞こう!】
噂のマツダ「RX-9」は本当に出るの?「ジャパンモビリティショー2025」開幕直前! 国内広報のキーマン、辻本宏治さんにモータージャーナリストの瀬イオナ、嶋田智之が、その真相についてざっくばらんに聞きました。
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マツダってどんな自動車メーカーなんですか?
瀬イオナ 「クルマのことはあのヒトに聞こう」の今回のゲストは、マツダ国内広報・辻本宏治さんです!
辻本宏治 マツダ国内広報の辻本宏治です。33年間マツダで働いている55歳で、子供が3人いるお父さんです。ゲストに選んでいただき本当にありがとうございます。広報の業務は6年ほど今勤めております。マツダの長い歴史の1/3をともに過ごすことができて、やっぱり一緒にいると愛着とかも湧いてくるなって、改めてこの歳になって思うようになりました。
嶋田智之 辻本さん、なんで僕を呼んだの? って聞いてきましたけど、理由を説明すると、「クルマに関連するプロフェッショナルな方に関連する仕事に関して、色々聞いていきたい!」がこのコーナーの基本コンセプトで、自動車メーカーあるいは自動車インポーターの広報さんは、どんなことしてんだろうというのをリスナーに伝えたら、自動車関係に就職したいとか考えてる人が出てくるんじゃないかなと。やっぱ広報って花形なんですよ。 憧れる方が多いので、まず「広報」ってどういう仕事してるのかなということを聞きたいなと思ったから、イオポンがおすすめしてくれたんだよね。
イオナ はい!そうなんです!
嶋田 マツダって自動車メーカーとしてすごい面白い立ち位置ですよね!
辻本 ご存知の方もいらっしゃると思うんですけど、広島にある、世界的にみたら大きな会社ではないんです。他メーカーさん方と同じことをしていては埋もれてしまう、という思いが昔から多分あって、小さい会社ながら挑戦していくことが、いろんな技術や商品を生み出してきた源泉なのかなと思います。
マツダと言えばやっぱりロードスター
1989年にデビューした初代ロードスター(NA)
嶋田 そうですね。ロータリーエンジン出したり、オープンスポーツカーが絶滅の危機に瀕していた時にロードスターを出したりとかね。
イオナ それはすごい!
嶋田 いや、もうマツダのロードスターがなかったら、世界のオープンスポーツカーは絶滅してたはず。そのくらい深刻な状況を、マツダが救ったんだよね。マツダって本当にそういうチャレンジいっぱいありますよね。
辻本 おそらくチャレンジは計画的にやっているわけではなくて(笑)歴史が当然あって、チャレンジのひとつとしてロードスターを出して、お客様に選んでいただいたのと同時に、育てていただいたところがあるんじゃないかなと思います。
嶋田 みんな待ってたんですよ!
2019年に開催されたロードスター20周年ミーティングでのパレード
辻本 メディアイベントの際にロードスターを(会場まで)持っていくために走らせていると、前から来るロードスターに手を振られるようなことがあるんです。 55歳になって街中で手を振るって結構恥ずかしいんですけど、これってロードスターじゃないとなかなかできない経験。
プライベートでも3回ロードスターに乗り継いでいたので、同じような体験は時々あったりしましたね。やっぱりロードスター乗っていると、ちょっとした生活の中で楽しいことや心が動くことが結構あって、 それは皆様のおかげだなと思います。
嶋田 そういや、僕の義理の弟がいきなりマニュアルのロードスターを買ったんだけどさ、毎日ニヤニヤしてますよ!
辻本 僕も入社2年目で(当時はディーラーに勤めていたんですけど)クルマ売ったときの相手が今のお嫁さんで、結んでくれたのがロードスターだったんですよ!
イオナ 縁なんですねー!
辻本 僕がロードスターを当時の奥さんに売って、お金を払ったのは僕っていう……。もうちょっと値引きすればよかったなって(笑)
嶋田 結果的にね(笑)
マツダ ロードスター(ND)|Mazda Roadster
辻本 昔の若い頃は、仕事が辛くて、帰りのクルマの中でよく叫ぶことがあったんですけど、NCのロードスター中で(笑)ロードスターって雨の日でもオープンにしても、ある程度の速度が出たらあんまり濡れないですよ。雨の中で叫んでる自分になんかこう……。
嶋田 ロックンロールな自分みたいな? 俺はいまブルース・スプリングスティーン(アメリカのロック歌手)だぜみたいな。
辻本 そうです!(笑)
イオナ かっこいいですね。五感で走るみたいな感じですか?
嶋田 ほんとその通り。匂いもそうだし、たまに雨がベチャベチャって降ってくると、雨水の味とかさ。
イオナ そ、そこ?
嶋田 五感っていうから(笑)地球とダイレクトに接してられるような、地球とか宇宙とか、ダイレクトに接していられるような感覚っていうのがオープンカーにはある。
辻本 そういう事が気軽に体験できるのを、世の中にご提供できたのは本当に良い事でした。
イオナ それも「人馬一体」みたいな事なんですか?
辻本 マツダは、自分の手足のようにクルマを動かせると運転が楽しいんじゃないか、という思いから、走りの領域では人馬一体の考え方を大事にして、これまでロードスターをずっと作り上げてきました。皆さん「運転がしやすい」とよく言ってくださっています。
嶋田 運転しやすいのと、思った通りにこうなってほしいと願った通りにクルマが動いてくれる気持ちよさ。 こう曲がってほしいと自分が操作をすると、本当にその通り曲がってくれる。
イオナ 私も、昨年のメディア対抗ロードスター4時間耐久レース出させてもらった時に感じました。レースやりたての私がベテランジャーナリストの方と一緒に戦える。トラックモードにも助けられました(笑)それって作りが良くないとできないことだと思うんです。
嶋田 そうだね。運転しづらいクルマだとサーキット走るのって怖い。でもロードスターは言うこと聞いてくれるんだよね。
メディア対抗ロードスター4時間耐久レース。今年は会場を筑波サーキットから富士スピードウェイに変更し開催された
2024年9月には「メディア対抗ロードスター4時間耐久レース」が「最も長く続いている自動車のワンメイクレースシリーズ」としてギネス世界記録に認定された
なぜマツダのデザインは魅力的なのか
マツダが2010年から展開しているデザインテーマ「魂動(こどう)」
嶋田 マツダのクルマづくりの核になってる部分のもうひとつは、デザインですよね。
辻本 マツダが誇れるものの中に、やはりデザインとか、モノづくりを大切にするようなクラフトマンシップみたいなものがあります。 時代の移ろいとともに、いろいろなデザインが生まれてくる中で、弊社の前田育男が生み出した「魂動デザイン」というのは、多くのお客様に選んでいただけたところがあったかなと思います。
マツダは“ヒト中心のモノづくり”をすごく大事にしていて、もっとクルマがある生活を楽しめるようにしようとか、もっと楽しくクルマを操ることができるようにしようとか、人の気持ちに寄り添うものづくりを大事にしています。
ロードスターのように、自分で操って楽しいとポジティブな感情を生み出すことはとても大事ですし、そうするためには安全は絶対欠かせません。不安な中で運転していては当然楽しむことはできないので、ドライビングポジションは特に大事。一丁目一番地として正しい位置に座れるよう考えられています。
嶋田 シートの作り方に対するこだわりを聞くと本当に驚くよ。
イオナ 車体の開発より先に、まず座る位置決めをやっていますよね。
辻本 おっしゃるとおりです!
「RX-9」はモビリティショーで出るんですか?
1967年に世界で初めて量産ロータリーエンジンを搭載したマツダ「コスモスポーツ」
「MX-30」に採用されたe-SKYACTIV R-EVのローター
マツダは電動化時代そしてカーボンニュートラル社会に適合した、次世代ロータリーエンジンの研究開発を進めている
嶋田 いやでもね、ロータリーエンジンを市販車に載せて、ちゃんと実用化したのって、マツダが初めてなんですよ。そこに至るまで、本当に大変だったと思います。だって、ドイツのエンジニアたちがあれだけ苦労したんだから。日本のエンジニアだって、楽なわけがないですよね。
でも、それをちゃんと形にして、市販車として世に出した。ドイツの「NSU ヴァンケルスパイダー」なんかは途中で撤退してしまいましたけど、マツダはずっとロータリーに取り組み続けてきた。
今でも、たとえ往年のロータリーファンが望む“純粋な形”とは少し違っても、ロータリーエンジンがきちんとクルマに搭載されている。これって、本当にすごいことだと思うんです。
辻本 私たちって、やっぱりロータリーが好きな人が多いんですよね。
嶋田 マツダに入るってことはロータリー好きですよね!
辻本 社員も本当に夢を持っていて、「いつかまたロータリーエンジンを積んだクルマを」という思いがある。もちろん、これからの時代は電動化を避けては通れませんが、それでも夢を実現したいという気持ちは社員も役員も共有しています。そうやって、いつも夢を語ってくれる会社であることが、個人的にもすごく嬉しいんです。
マツダ アイコニック SP|MAZDA ICONIC SP
マツダ アイコニック SP|MAZDA ICONIC SP
嶋田 前回のジャパンモビリティショーでは「アイコニックSP」という次世代スポーツカーが発表されて、「これがRX-9になるんじゃないか?」なんて、みんな想像して楽しんでいましたよね。
辻本 そうですね。私たち社員の中にも、そういった夢を持って挑戦していこうという精神が根付いています。それはマツダのDNAとして、これからも大事にしていきたいと思っています。
そして今年もジャパンモビリティショーがあります。まだ詳しいことはお話しできないのですが、きっと皆さんが「また夢を見られる場所だ」と感じていただけると思います。
ぜひ、マツダのブースにお立ち寄りください。
各社もいろいろなクルマを出展されると思いますが、若い方を含め、多くの方に来ていただきたいと心から思っています。
嶋田 RX-9、ちょっと期待してます!
辻本 そうですよね(笑)
嶋田 スポーツカー好きとしては、たとえRX-9でなくても、そういう夢を見せてくれること自体が嬉しいですよね。僕にはまるで「期待していいよ」って言ってくれてるような気がする。もしかしたら、この記事が公開される頃には、もうニュースになっているかもしれませんけど(笑)とにかく、僕らは“期待していい”という言葉を信じて、楽しみにしていましょう。
イオナ お話の続きは、後編で!
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