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公開日:2025.11.25

全長5.3m超はホンダの乗用車で最大! 北米向けピックアップトラック「リッジライン」がたくましい!【日本未発売のクルマたち#️11】

ホンダ・リッジライン|Honda Ridgeline

日本ではほぼ見かけない(正規販売されていない)クルマを取り上げる連載企画「日本未発売のクルマたち」。今回はホンダのピックアップトラック「リッジライン」をご紹介。

ホンダ・リッジライン|Honda Ridgeline

文=細田 靖

写真=ホンダ

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ホンダの乗用車で最大サイズのリッジライン

日本でピックアップトラックといえば、現在、トヨタ「ハイラックス」と三菱「トライトン」、輸入車ではジープ「グラディエーター」が正規販売されている程度だ。トヨタ・ハイラックスは生産休止中だったが、11月10日に新型が披露された。日本では26年中頃に発売を予定している。

一方、北米での市場規模は大きい。アメリカブランドだけでも「フォード」をはじめ、GM(ゼネラルモーターズ)に属する「シボレー」や「GMC」、そして2010年にダッジ(ステランティス傘下)から独立して1ブランドとなった「ラム」からリリースされている。そんな北米でホンダが販売しているのが今回紹介する「リッジライン」。米国アラバマ州リンカーンにあるホンダ・マニュファクチュアリング・オブ・アラバマで生産されている。

リッジラインは、2004年1月に開催された北米国際オートショー(通称デトロイトショー)で、スポーツ・ユーティリティ・トラックを示す「SUTコンセプト」が発表。翌年の同ショーで「リッジライン」の名で市販型が披露され、2005年3月から販売が始まった。車名は英語で「尾根」や「稜線」を意味するRidgelineに由来しており、「タフさ」や「力強さ」が表現された。

リッジラインには、かつて日本で「ラグレイト」の名で販売された北米仕様のオデッセイと同じホンダのグローバル・ライトトラック・プラットフォームが用いられている。キャビンと荷台がシームレスにひとつの金属から削り出したような「ビレット・コンストラクション」コンセプトが特徴。つまり、トヨタ・ハイラックスや三菱トライトンなどが用いるラダーフレーム構造ではなく、モノコックボディを採用している。

初代リッジラインはデビュー当時、ホンダが製造する乗用車のなかで最大の全長(5232mm)とホイールベース(3098mm)を誇った。2016年1月に発表された2代目もその座は譲っておらず、ボディサイズは全長5339×全幅1996×全高1798mmで、ホイールベースは3180mm。この寸法は、全長5360×全幅1930×全高1815mm、ホイールベース3130mmの三菱トライトン最上級グレード「GSR」に近い。

室内と荷台の広さはクラストップレベル

ホンダ・リッジライン|Honda Ridgeline

ホンダ・リッジライン|Honda Ridgeline

現行型は初代同様に、中型ピックアップトラッククラスでトップレベルの室内と荷台の広さを実現。荷台の長さは1626mm(テールゲートオープン時は2108mm)で、幅は最大1524mmだ。

荷台には防水処理が施されており、施錠も可能な荷台の床下収納スペース「イン・ベッド・トランク」や、用途に応じて下にも横にも開閉可能な「ディアルアクションテールゲート」を、初代モデルの好評を受けて引き続き採用。また、荷台内側に計6つのエキサイター(振動スピーカー)を配置した本格音響システムをピックアップトラックとして初めて採用(ホンダ調べ)するなど、ホンダ独自の装備が一層充実している。

キャビンはクラストップ水準の広さに加えて、2列目シートは座った状態で座席下に荷物を収納することも、座面を跳ね上げてさらに大きな荷物を積むこともでき、用途に合わせた多彩な使い方が可能だ。

インパネには7インチのメーターディスプレイと、9インチのカラータッチスクリーンを配置。インフォテイメントシステムはBluetooth接続に対応したもので、Apple CarPlayやAndroid Autoとの互換性もある。ワイヤレススマートフォンチャージャーも標準装備だ。上級グレードには音声認識機能付きナビシステムも備わる。

284ps/355Nmの3.5L V型6気筒エンジン+6速ATを搭載

ホンダ・リッジライン|Honda Ridgeline

ホンダ・リッジライン|Honda Ridgeline

パワーユニットは最高出力209kW(284ps)、最大トルク355Nm(36.2kgf-m)を発する3.5リッターV型6気筒のi-VTECエンジンで、パドルシフトを備えた6速ATを介して四輪を駆動する。サスペンションは四輪独立懸架で、フロントがマクファーソンストラット式、リヤがマルチリンク式を採用。オンロードにおける妥協のない乗り心地とハンドリング性能を実現する。これらにより、4WDクラス最高水準の約720kgの積載容量と、5000ポンド(約2268 kg)の牽引能力を誇る。

4WDシステムは天候の変化や路面状況に合わせて、電子制御により前後輪の駆動力を制御する「i-VTM4」を採用。砂地、泥、雪など路面に応じた4つの走行モードから選択できる「インテリジェント・トラクション・マネージメント」により、優れた悪路走破性を発揮する。

安全性も抜かりない。自己保護性能と相手車両への攻撃性低減を両立した次世代ACEボディのほか、先進安全運転支援システム「ホンダセンシング」が採用されている。

 

2024年モデルからはオフロード性能をさらに追求した「トレイルスポーツ」が登場

ホンダ・リッジライン|Honda Ridgeline

ホンダ・リッジライン|Honda Ridgeline

デザインは2021年モデル時に改良を受け、パワーバルジを備えたボンネット、角張ったノーズと直立したグリル、そして新しいフロントフェンダーが採用された。グリルの両側にはグリル上部のクロスバーで二分された高輝度LEDヘッドライトを配置する。

フロントバンパー下部にはスキッドプレートと幅広いサイドベントが備わる。これはエアカーテンを作り出してバンパー内やフロントタイヤとホイールの周囲に空気を送り、空力性能を向上させるとともに、リッジラインのタフな新しい外観をさらに強調している。再形成されたリヤバンパーには、アグレッシブな新しいツインエキゾーストフィニッシャーが組み合わされ、逞しい走りを予感させるルックスを完成させている。

2024年モデルからは、オフロード性能をさらに向上させるべく、専用にチューニングされたサスペンションや、スチール製アンダーボディプロテクションなどを備えた新グレード「トレイルスポーツ」が追加された。

そして2025年9月には現行の2026年モデルが発表。米国仕様は「スポーツ」「RTL」「トレイルスポーツ」「ブラックエディション」の4グレードが基本で、「トレイルスポーツ」にはホンダのパフォーマンス部門であるHPD(ホンダ・パフォーマンス・ディベロップメント)が提供するブラックの専用デザイン18インチホイールとオールテレインタイヤ装着車を、そして最上級に位置付けられる「ブラックエディション」にはルーフがブラックとなる2トーンを設定。計6モデルがラインナップされている。

ホンダ・リッジライン米国仕様モデルラインナップ
・スポーツ:4万595ドル(約620万円)
・RTL:4万3395ドル(約663万円)
・トレイルスポーツ:4万5795ドル(約700万円)
・トレイルスポーツHPDホイール:4万6995ドル(約718万円)
・ブラックエディション:4万7195ドル(約721万円)
・ブラックエディション2トーン:4万8150ドル(約736万円)

SPECIFICATIONS
ホンダ・リッジライン トレイルスポーツ(米国仕様)|Honda Ridgeline TrailSport (US spec)
ボディサイズ:全長5339×全幅1996×全高1798mm
ホイールベース:3180mm
最低地上高:194mm
乗車定員:5人
荷台容量:960L+アンダートレイ206L
車両重量:2039kg
エンジン:V型6気筒SOHC24バルブ
総排気量:3471 cc
最高出力:209kW(284ps)/6000rpm
最大トルク:355Nm(36.2kgf-m)/4700rpm
トランスミッション:9速AT
駆動方式:4WD
米国EPA(環境保護庁)複合モード燃費:7.1km/L

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