「F40」をオマージュ! フェラーリが新しいワンオフモデル「SC40」を発表【新車ニュース】
フェラーリは10月17日、伝説的スーパーカー「F40」をオマージュした新しいワンオフモデル「SC40」を発表した。
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フェラーリ F40をオマージュ! ベースモデルは「296GTB」
フェラーリは、最もエクスクルーシブな領域である唯一無二の存在として、同ブランドのパーソナライゼーション哲学を体現するべく、ただひとりの顧客のためにワンオフモデルをデザイン・製造している。このたび発表された「SC40」はその新たな1台だ。
フラヴィオ・マンゾーニ氏率いるフェラーリ・スタイリング・センターがデザインを手がけたSC40のベースモデルは「296GTB」。システム総合で830ps/740Nmを引き出す3.0Lプラグインハイブリッドシステムをはじめとするメカニカルコンポーネントが、このSC40には用いられている。
モデル名は1987年7月に発表された伝説的スーパーカー「F40」へのオマージュを表す。F40はフェラーリ創業40周年を記念して造られたスペチアーレ(スペシャルモデル)。創業者エンツォ・フェラーリが生前最後に情熱を注いだ作だ。最高出力471ps/7000rpm、最大トルク577Nm/4000rpmを発揮する3.0リッターV型8気筒ツインターボエンジンに5速MTを組み合わせ、0-100km/h加速を4.1秒でこなす性能が与えられた。最高速は324km/hに届く。ちなみに、発表当時の販売価格は4650万円だった。
フェラーリSC40|Ferrari SC40
SC40はF40を想起させるシャープで角張ったラインを持ちながらも、柔らかな面のつながりを巧みに融合し、現代的でありながら独自性の強いスタイリングを実現。リヤウイングの側面に刻まれた車名ロゴは往年の名車への敬意を示すものだが、単なる再解釈ではなく、独自の個性をモデルとして仕上げられている。
デザインテーマは工業デザインから着想を得ており、精密なジオメトリーと力強いスクエアなボリュームが特徴。ロングノーズとショートオーバーハングのプロボーションに加え、ボディ側面から自然に流れる固定式リヤウイングを備えている。このウイングはエンジンカバーから垂直に立ち上がり、一体化した造形を黒のセパレーションラインで際立たせ、ブラック仕上げのリヤフェイシアを強調。メッシュ状の開口部からはSC40の心臓部を目にすることができる。
V6ツインターボエンジンは、スモーク仕上げのLexanルーバーを通して視覚的に強調され、下部のエアインテークと連続性を持たせている。また、リヤフェンダーのホイールアーチ付近にも小型ルーバーが配置され、造形上の一貫性を保っている。中央に配置されたアデイティブ・マニュファクチャリング製のエキゾーストには、チタンおよびカーボンファイバー製のテールエンドを採用。ベースとなった296GTB を想起させるテールランプが彫刻的なリヤセクションを完成させている。
フェラーリSC40|Ferrari SC40
サイドビューではインタークーラー用エアインテークが印象的。これはクラシックなNACAダクトを再解釈したもので、大きな三角形のカーボンプレートによって強調されている。デザイン全体のリズムは、フロントフェンダー、ドアカット、エンジンカバーのシャープなエッジを明確に描く垂直線で構成され、視覚的な緊張感をまるで音楽の譜面のように構築している。
フロントは外側に配置されたヘッドライトが印象的で、下方まで伸びるブラックハウジングに収められている。このハウジングはロワーエアインテークと一体化し、フロント全体に力強く精犀な印象を与える。ブレーキエアインテークを縁取る長方形のフレーム、そしてその上に配置されたデイタイムランニングライトが、この印象をさらに際立たせた。
SC40ロゴは車体右側のみに配置。燃料および充電キャップはブラッシュ仕上げのアルミ製で、リヤエンジンカバーには逆彫りでFerraiロゴが配され、カーボン地が透けるデザインとなっている。専用デザインのホイールは、ダイヤモンドカットのブラッシュメタルとブラックスポークを組み合わせ、幾何学的な造形が強調されている。
ボディカラーの「SC40ホワイト」はこのモデルのために専用開発されたもの。陽光の下でボディの曲線美を際立たせ、インテリアのカーボンケブラー素材を想起させるクールな色調を持っているのが特徴だ。
フェラーリSC40|Ferrari SC40
インテリアでは、F40を想起させるケブラー素材の使用に特別なこだわりを見せる。カーボン・ケブラーはSC40製造プロジェクトのために再開発され、足元やシート背面、フロアマットの一部に採用されている。さらに、ステアリングホイールやダッシュボードの一部、エンジンベイ、ラゲッジコンパートメントにも同素材を使用。シートはチャコール・アルカンターラと赤のジャカードテクニカルファブリックのコンビネーションで仕上げられ、ヘッドレストの跳ね馬ロゴと織り込まれたSC40ロゴは、現代的でエクスクルーシブな印象だ。
SC40のスタイリング・バック(実寸デザインモデル)は、10 月18 日(土)からイタリア・マラネッロのフェラーリ・ミュージアムで展示されている。
世界にたった1台だけのフェラーリを創る「スペシャル・プロジェクト・プログラム」
フェラーリSC40デザインスケッチ|Ferrari SC40 design sketch
スペシャル・プロジェクト・プログラムは、顧客の要望に応じた独自のデザインを特徴とする、唯一無二のワンオフ・フェラーリを創造することを目的としている。顧客はこのプロジェクトを通じて、世界に1台だけのモデルのオーナーとなる。
各プロジェクトは、顧客からのアイデアに端を発し、フェラーリ・スタイリング・センターのデザインチームと密接に連携しながら開発。車両のプロボーションやフォルムが決定されると、詳細なデザイン設計図やスタイリング・バック(実寸デザインモデル)が作成され、その後にワンオフモデルの製造工程が始まる。全プロセスは平均で約2年を要し、その間、顧客はテザインや検証段階に密接に関わることになる。
こうして完成するのは、跳ね馬のロゴを冠し、マラネッロのすべての車が持つ卓越した品質基準に則って設計された世界にたった1台だけのフェラーリだ。
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