道路に描かれた「謎のひし形」ってどんな意味? うっかり見逃すと「違反」になる可能性も! ダイヤマークについて解説。
道路を走行していると、車道に白い「ひし形」のマークが描かれていることがあります。このマークには、実は大切な意味があって、知らないとうっかり交通違反になってしまうかもしれません。さてどのような意味があるのでしょうか? ダイヤマークの意味と安全運転のポイントを解説します。
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「ひし形マーク」or「ダイヤマーク」は横断歩道の予告サイン
道路を走行していると、車道に白い「ひし形」のマークが描かれていることがあります。
このマークは「ひし形マーク」「ダイヤマーク」などと呼ばれますが、正式名称は「予告標示(菱形)」です。信号のない横断歩道や自転車横断帯が近くにあることをドライバーに知らせるもので、見通しの悪い場所や住宅街などに多く設置されています。
ダイヤマークは2つ連続で表示されることがあり、1つ目が横断歩道の約50m手前、2つ目が約30m手前を目安に設置されています。これは、夜間や雨天時でも早めに横断歩道の存在に気づき、速度を落として安全確認できるように配慮されたものです。
警視庁のWebサイトにも「菱形の路面標示は、横断歩道などが近くにあることを知らせるためのもの」と明記されています。速度制限が変わる合図や停止を促すサインではなく、あくまで「ダイヤの先には横断歩道がある」という“予告”として設けられたものです。
ダイヤマークを見かけたら、ドライバーは「減速」「左右確認」「ブレーキ準備」の3点をセットで行うことが基本です。横断歩道手前での歩行者優先は法律上の義務であり、歩行者が横断しようとしている意思を示した段階で一時停止が必要とされています。
この「横断しようとしている」には、歩行者が歩道上で信号のない横断歩道の前に立ち、横断の意思を示している場合も含まれます。ドライバーはダイヤマークを見たら、「この先に横断者がいるかもしれない」と意識し、早めに減速・確認することが重要です。
もし、横断歩行者がいる場合に、一時停止をしないと「横断歩行者等妨害等違反」となり、違反点数2点、普通車で9,000円の反則金が科せられます。
信号機のない横断歩道での停止率は依然6割未満!
ダイヤマークの意味を知らせるJAFのパンフレット。
しかし、このダイヤマークの意味が十分に理解されていないためか、横断歩道での一時停止率は依然として高いとは言えません。
JAFが2025年に実施した全国調査によると、信号機のない横断歩道で歩行者が横断しようとしている場面で、一時停止した車両は56.7%でした。過去最高を更新したものの、依然として約4割の車両が止まっていないという実態が明らかになっています。
多くの地域で停止率のばらつきはあるものの、共通して指摘されているのは「横断歩道があることに気づくのが遅い」という点です。つまり、ダイヤマークを見落としてしまい、手前で十分に減速できていないケースが少なくないということです。
さらに、信号のない横断歩道では、前方の車両が停止している場面での追い越し・追い抜きが禁じられていることも見落とされがちです。横断者の安全確保のためにも、予告標示を見た段階から周囲に注意するようにしましょう。
ダイヤマークは“歩行者優先”を促す重要なサイン
ダイヤマークの先には横断歩道が設置されている。
白いひし形の「ダイヤマーク」は、横断歩道や自転車横断帯が近いことを知らせる重要な予告標示です。
特に信号機のない横断歩道では、歩行者が道路を横断しようとする意思を見せた時点で一時停止義務が生じます。運転中にダイヤマークを見かけたら、まずはアクセルを戻して減速し、歩行者や自転車の動きをしっかり確認するように心がけましょう。交通事故を防ぐためにはドライバー1人ひとりの意識向上が求められています。
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