日本で絶対ウケる! トヨタ「アイゴ クロス」はヤリスより小さい欧州向け都市型クロスオーバー【日本未発売のクルマたち#️09】
日本ではほぼ見かけない(正規販売されていない)クルマを取り上げる連載企画「日本未発売のクルマたち」。今回はトヨタの小型車「アイゴ クロス」をご紹介。
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3700mmの全長はヤリスより240mm短い
「Aygo X(アイゴ クロス)」は2022年に発売された欧州向けクロスオーバーモデル。ヤリスよりさらにコンパクトなAセグメントのモデルだ。
それ以前はオーソドックスなハッチバック車「アイゴ」として、2005年から2022年まで2世代にわたり販売されてきた。アイゴはPSAプジョーシトロエンとトヨタの合弁会社「TPCA(トヨタ・プジョー・シトロエン・オートモビル)」によって生み出されたモデル。姉妹車としてプジョーからは「107」、シトロエンからは「C1」が販売された。なお、この合弁企業は2021年に解消されている。
2代目アイゴが全面改良受けて、都市型コンパクトクロスオーバーに生まれ変わった現行型のアイゴ クロスは2021年に発表。実績のある「GA-Bプラットフォーム」を用いるボディのサイズは、全長3700×全幅1740×全高1525mmで、ホイールベースは2430mm。「ヤリス(欧州仕様)」より全長で240mm、全幅で50mm小さく、ホイールベースは130mm短い。クロスオーバーモデルゆえ、全高はヤリスより25mm高くなっている。
キャンバストップの「エア」もラインナップ

トヨタ・アイゴ クロス|Toyota Aygo X
フロントマスクはダブルトラぺゾイドシェイプによって、紛れもなくトヨタ車であることを主張。リヤビューでは、ガラスハッチとシグネチャーランプによって、遊び心溢れるアイゴのDNAが継承されている。
短いフロントオーバーハングや、少し傾斜させたテールゲートなどにより、コンパクトなボディには凝縮感をプラス。張り出したホイールアーチやモールディングは、17または18インチの大径タイヤを強調し、自信に満ちたスタンスが表現された。2トーンペイントも独特のルックスにひと役買っている。

トヨタ・アイゴ クロス|Toyota Aygo X
キャビンは遮音材の徹底採用により、高い静粛性を誇る。ネクテッド技術を採用した9インチのタッチスクリーンのほか、アンビエントライトやワイヤレスチャージング機能が採用され、快適性や機能性を追求。荷物容量は231Lで、後席シートバックを倒した最大時は829Lに拡がる。
オーディオメーカー「JBL」との協働により、プレミアムオーディオシステムを搭載するグレードも用意。300Wのアンプや、荷室に設置された200mmサブウーファーを組み合わせる4スピーカーシステムにより、クリアでパワフル、ダイナミックなサウンド体験を提供する。
オープントップのバリエーションとして設定されている「エア」は、ルーフに高水準の防水・防塵性能を与えたキャンバストップを採用。新しいウインドディフレクター構造により、高い耐久性と堅牢性を実現している。
72ps/93Nmの1.0L直3エンジンを搭載

トヨタ・アイゴ クロス|Toyota Aygo X
パワーユニットは最高出力53kW(72ps)、最大トルク93Nm(9.5kgf-m)を発する自然吸気式の1.0リッター直列3気筒ガソリンエンジン「1KR-FE」。この3気筒はトヨタとダイハツの小型車用エンジンとしてダイハツが開発を主導したユニットで、低速トルクを重視した特性や低燃費が追求されている。
アイゴ クロスでは5速MTまたはCVTを組み合わせ、前輪を駆動。0-100km/h加速タイムはMT車が14.9秒、CVT車が14.8秒で、最高速はそれぞれ158km/h、151km/h。WLTPモード燃費はMT車が最高21.3km/L、CVT車が最高20.4km/Lを実現する。
シートポジションをそれまでのアイゴから55mm高く設定したほか、Aピラーのスリム化などによって運転視界を向上させたことに加え、ロール剛性の向上やロール角の低減により、優れた乗り心地とコントロール性を実現。都市型クロスオーバーに相応しい仕立ても見どころだ。
このほか、Aセグメントモデルでは初となる先進安全運転支援システム「トヨタセーフティセンス」の標準装備も特色。アイゴ クロスでは、昼夜歩行者検知機能、昼間自転車検知機能、衝突被害軽減ブレーキ、インテリジェント・アダプティブクルーズコントロール、レーントレースアシスト、エマージェンシーステアリングアシストが搭載されている。
2025年末にはフルハイブリッド仕様が発売

トヨタ・アイゴ クロス ハイブリッドGRスポーツ|Toyota Aygo X Hybrid GR Sport
2025年6月には、セグメント初となるフルハイブリッド仕様が発表された。
詳細は今後の発表を待つことになるが、2025年末から欧州市場に導入されるフルハイブリッド仕様のシステム最高出力は、既存の1.0Lエンジン仕様を44ps上回る116psを発揮。0-100km/h加速を10秒未満でこなす一方、二酸化炭素排出量は非プラグイン車トップ水準となる86g/kmを実現している(既存の1.0L車は107〜117g/km)。
また、このフルハイブリッド仕様の登場を機に新グレード「GRスポーツ」も設定。ボンネットやルーフなどをブラックとした2トーンボディには、GRファミリーの特徴的な「Gパターン」メッシュを用いたフロントグリルや、専用デザインのアルミホイールを装着。インテリアではブラックを基調にグレーのアクセントをあしらい、GRロゴと合わせてスポーティな雰囲気を高めた。
フロントがマクファーソンストラット式、リヤがトーションビーム式のサスペンションは専用チューニングが施され、ハンドリング性能やロールの最適化を実現。電動パワーステアリングにも手が入り、レスポンス向上によってドライビングを一層楽しめる仕立て。街乗りでの乗り心地を損なわずに、よりエキサイティングな走りが堪能できるとアピールされている。
●トヨタ・アイゴ クロス(ドイツ仕様)モデルラインナップ
・プレイ(5速MT):1万8090ユーロ(約311万円)
・ビジネスエディション(5速MT):1万8230ユーロ(約314万円)
・チームプレーヤー(5速MT):1万9790ユーロ(約341万円)
・チームプレーヤー エア(5速MT):2万1170ユーロ(約364万円)
・エクスプローラー(CVT):2万3790ユーロ(約410万円)
・エクスプローラーエア(CVT):2万4790ユーロ(約427万円)
・JBLエディション(CVT):2万4790ユーロ(約427万円)
・JBLエディション エア(CVT):2万5790ユーロ(約444万円)
※2025年8月現在
SPECIFICATIONS
トヨタ・アイゴ クロス|Toyota Aygo X
グレード:エクスプローラー(ドイツ仕様)
ボディサイズ:全長3700×全幅1740×全高1525mm
ホイールベース:2430mm
最小回転半径:4.7m
乗車定員:4人
車両重量:975kg
エンジン:直列3気筒
総排気量:998cc
最高出力:53kW(72ps)/6000rpm
最大トルク:93Nm(9.5kgf-m)/4400rpm
トランスミッション:CVT
駆動方式:FF
0-100km/h加速:14.8秒
最高速度:151km/h
燃費:20.0km/L(WLTPモード)