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最終更新日:2025.08.01 公開日:2025.08.01

炎天下の車内が危ない! なぜペットボトルの置き忘れはNG? “国沢流”暑さ対策を紹介【国沢光宏が暑すぎる日本の夏にモノ申す!】

国沢氏がマイカーの車内温度を測定している様子。

夏の車内は、信じられないぐらいに温度が上がっている。このような状況でどんな危険が潜み、どこに気を付けるべきなのか? 自動車評論家の国沢光宏氏が暑さ対策を紹介!

国沢氏がマイカーの車内温度を測定している様子。

文と写真=国沢光宏

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2025年も酷暑つづき。炎天下の駐車で注意すべきこととは?

10月までの気温概況が発表された。どうやらしばらく酷暑のようだ。高温続きだとクルマも様々なトラブルを考えなくてはならない。車内にペットボトルを放置すれば、レンズ効果により火災の原因となるし、リチウムイオン電池も70度を超えると自然発火する可能性が出てくる。パンクトラブルやバッテリー上がりも夏場に多い。

以下、夏のチェックリストを。

【その1】
炎天下の駐車で最も注意すべきなのは前述のペットボトルだ。水が入った状態のペットボトルを寝かした状態で転がしておくと、もはや凸レンズを車内に置くようなもの。上手に焦点を使うと火まで起こせるほどの温度になってしまう。最悪、火事になります。クルマを離れるときは自分のクルマをチェックし、ペットボトルが転がっていないか確認して欲しい。

水が入ったペットボトルを車内に放置しておくのは危険。

水が入ったペットボトルを車内に放置しておくのは危険。

【その2】
東京の練馬で37度を記録した日、自分のクルマ(トヨタノア)の車内で一番熱かったのはシート表皮。71.8度もあった! 目玉焼きが出来る温度だ。そんな状況で濃色の携帯電話や携帯電話の予備電源を置いておくと、リチウムイオン電池の安全とされる温度を超えてしまう。携帯電話はクルマを降りる際、持って行くだろうけれど、予備電源も置き忘れないようにしたい。

車内のダッシュボード上で卵を放置すると、目玉焼きができた。ボンネット上はもちろん、日差しが当たる車内だってこんなにも危険だ。

車内のダッシュボード上で卵を放置すると、目玉焼きができた。ボンネット上はもちろん、日差しが当たる車内だってこんなにも危険だ。

【その3】
渋滞路で心配なのがエアコンによるバッテリー上がり。バッテリートラブルは冬に出るモノだと思われているけれど、酷暑も同じくらい厳しい。渋滞時は回転数低いので発電能力少なく、さらにエアコンをフル稼働させる。それでも新型車なら問題無いが、15年以上経過している古いクルマだとバッテリーだけでなく充電系統も少しばかり心配。非常用の携帯電源など用意しておきたい。

携帯用のジャンプスターターは5000円くらいで買えるのでおすすめです。

携帯用のジャンプスターターは5000円くらいで買えるのでおすすめです。

【その4】
高速道路で心配なのはタイヤ。空気圧が高いなら大きな問題は無いけれど、低いとタイヤのサイドウォールやトレッド面が変形発熱し、ヒートチャンクというトレッド面の剥がれ等に起因するバーストを起こす。新興国製の低コストタイヤや、経年劣化でヒビが入り始めたタイヤは一段とリスク大。高速道路でタイヤバーストすると大きな事故になるので細心の注意を! 交換も視野に入れよう。

【その5】
車内に子供が閉じ込められている場面に遭遇し、エンジン止まっていたら緊急事態である。すぐ119番し、指示を仰ぐこと。その後に110番通報を。現場到着まで時間が掛かるというのなら許可して貰った上、窓ガラスを割ることを強く推奨しておく。子供から一番離れた場所のサイドガラスを、出来ればビニールテープなど張った上から先が尖ったもので叩けば割れます。

【その6】
エアコンを入れているのに冷えにくい、という場合、エアコンガスのチェックをしてみたらいかがか。ディーラーでも整備工場でも、大きなサービスステーションのあるガソリンスタンドでもOK。本来の性能があれば、外気温40度でも室内は最適の温度になる。10年くらいノーメンテナンスだと相当の確率でエアコンガス不足の可能性大。1万2000円から2万5000円程度だ。

マニホールドゲージを使ってエアコンの適正なガス圧をチェック。(c)buritora - stock.adobe.com

マニホールドゲージを使ってエアコンの適正なガス圧をチェック。(c)buritora - stock.adobe.com

【その7】
ここからは快適に過ごす方法。炎天下で駐車した車両では、車内温度が60度、内装材の温度は70度を超える。炎天下に駐めておいたクルマに乗った直後は、シートで「あっつ!」。ハンドル握って「あっつ!」になる。日が当たる場所に30分以上駐車するならサンシェードを使うことを強く強く推奨しておく。サンシェードを使えば車内の温度は50度台くらいまでしか上がらない。

【その8】
最近は装着率が減ってきたが、おすすめしたいのが窓ガラスの上部を覆うドアバイザー。本来は雨天時に窓を開けて走るためながら、スモークタイプのドアバイザーを付けておけば、駐車中に窓ガラスを2cmくらい開けておける(雨も吹き込まない)。これだけで車内温度を大きく下げられるから嬉しい。ネットで探せば1万円くらいで買えるので、ぜひ使ってみることをすすめておく。

サイドウインドウの上部を覆う樹脂製のカバーがドアバイザー。装着するメリットは結構ある。(c)kyrychukvitaliy - stock.adobe.com

サイドウインドウの上部を覆う樹脂製のカバーがドアバイザー。装着するメリットは結構ある。(c)kyrychukvitaliy - stock.adobe.com

【その9】
お盆休みのドライブで遠出するような時に持って行くと助かるアイテムがある。例えば現金。1万円くらい車検証と一緒に入れておくとイザという時に役立つ。目の悪い人は、予備のコンタクトやメガネを用意したい。家族旅行であればスペアキーを持って行くと役に立つかも知れない。その他、自分で必要と思われるアイテムなど考えると、案外ワクワクするから不思議です(笑)。

外気温40℃にもなろうものなら、今回紹介した対策の多くを実践して損はないかと。

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次回は8月5日からスタートです!
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