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最終更新日:2025.04.28 公開日:2025.04.28

ルノーの3列シートSUV「エスパス」は最新フルハイブリッド搭載の魅力的な1台!【日本未発売のクルマたち♯05】

ルノー・エスパス|Renault Espace

日本ではほぼ見かけない(正規販売されていない)クルマを取り上げる連載企画「日本未発売のクルマたち」。今回はルノーのミッドサイズSUV「エスパス」をご紹介。

ルノー・エスパス|Renault Espace

文=細田 靖

写真=ルノー

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ボディサイズは三菱アウトランダーPHEVに近い

エスパス(仏語でスペースの意)は1983年に初代が発表。以来、ルノーのモデルラインナップに名を連ねているロングセラーだ。日本ではルーテシアの名ですっかりお馴染みのコンパクトハッチバックモデル「クリオ」の初代誕生が1990年だから、かなりの古株である。

そんなエスパス、2003年に発表された4代目までは前後ヒンジ式ドアを備えた3列シートのMPV(マルチパーパスビークル)だった。

ところが、2014年に発表された5代目からクロスオーバーSUVに生まれ変わった。かつて日本でも正規販売された5人乗りSUV「コレオス」と統合され、キャビンは3列7人乗りに加えて2列5人乗りも設定されている。

ルノー・エスパス|Renault Espace

ルノー・エスパス|Renault Espace

現行型は2023年3月に発表された6代目で、プラットフォームはルノーと日産のアライアンスによって共同開発された「CMF-CD」がベース。2025年3月にはフェイスリフトを受けた。

ボディサイズは全長4746×全幅1830×全高1645mmで、ホイールベースは2738mm。この寸法は現行の三菱アウトランダーPHEVに近い。欧州仕様で比べるとエスパスの方が全長で27mm長い一方、全幅で32mm、全高で105mm、ホイールベースで23mmコンパクトだ。

200psを発する1.3Lターボのフルハイブリッドを搭載

ルノー・エスパス|Renault Espace

ルノー・エスパス|Renault Espace

搭載されるパワートレインは新しいハイブリッドシステム「E-TECHフルハイブリッド200」。最高出力96kW(130ps)、最大トルク205Nm(20.9kgf-m)を発する1.2リッター直列3気筒ターボエンジンに、50kW(68ps)/205Nm(20.9kgf-m)の駆動用「Eモーター」と、25kW(34ps)/50Nmの「HSG(ハイボルテージ・スターター・ジェネレーター)」、そしてエンジンに4速、モーターに2速で計15通りのギヤの組み合わせを実現する「マルチモードAT」、容量2kWhの400Vリチウムイオンバッテリーを組み合わせる。

前輪を駆動するそのパフォーマンスは、0-100km/h加速8.8秒、最高速180km/hを実現しつつ、WLTPモード燃費20.8km/Lをマーク。最大航続距離は1100kmにおよぶという。

参考までに、日本で正規販売されているルノーのクーペSUV「アルカナ」に搭載されているフルハイブリッドシステムは、欧州では「E-TECHフルハイブリッド145」と呼ばれている。自然吸気式の1.6リッター直列4気筒エンジンに組み合わせるモーターやHSGの出力値はエスパス用より若干控えめ。ご存知のとおり、システム総合の最高出力は105kW(143ps)だ。ちなみに、欧州仕様の0-100km/h加速タイムは10.8秒、最高速は172km/h。

走行モードは5つ。モーターのみで駆動する「フルエレクトリック」、エンジンとモーターを組み合わせて駆動する「ダイナミックハイブリッド」、モーターで駆動しエンジンがバッテリーを充電する「eドライブ」、エンジンのみが作動して駆動したりバッテリーを充電する「ICE」、そして車輪の回転によってモーターを作動させてバッテリーを充電する「リジェネレーション(回生)」だ。

四輪操舵システム「4コントロール・アドバンスド」の採用も見逃せない。車速50km/h以上では前輪と同位相に最大1度、低速時は前輪と逆位相に最大5度、後輪が向きを変える。これにより高速時は走行安定性を高め、駐車時などの低速時は取り回し性が向上する。最小回転半径は、全長が約670mmも短いルーテシアと同じ5.2mだ(非装備車は5.8m)。

今年3月のフェイスリフトでさらにスタイリッシュに

ルノー・エスパス|Renault Espace

ルノー・エスパス|Renault Espace

エクステリアはSUVとしての逞しさや力強さにエレガントさをプラスし、スタイリッシュにまとめられている。ボディサイドのキャラクターラインも特徴的で、ダイナミックな走りをイメージさせる。

今年3月に発表された改良版は一部デザインを刷新。前後のLEDライトのほか、現行アルカナと同様の菱形パターンとなったフロントグリルや、ハーフダイヤモンド型のデイタイムランニングライトを採用するなど、さらにスポーティで洗練されたルックスとなった。

インパネには、Googleと50を超えるアプリを統合した音声制御対応の「OpenRリンク」マルチメディアシステムを内蔵した、12.3インチドライバーディスプレイと12インチ縦型タッチスクリーンを一体化して配置。視認性や操作性が追求された。

ルノー・エスパス|Renault Espace

ルノー・エスパス|Renault Espace

4代目までMPVだったエスパスのDNAは、キャビンの使い勝手の良さに受け継がれている。2列目シートは40:20:40の分割可倒機構が備わるほか、220mmの前後スライドが60:40の分割で可能。7人乗りの3列目シートは50:50の分割可倒機能が備わる。荷室容量は7人乗りが212L〜2054Lで、5人乗りが692L〜2224L。

オプション設定されている大型ガラスルーフ「ソーラーベイパノラマルーフ」は、室内の開放感を飛躍的に高めてくれる。ガラス部分の面積は約1㎡を誇り、ガラスの透明度などを4モードから選べる。

トリムはスタンダード仕様の「テクノ」、スポーティな「エスプリ アルピーヌ」、そして最上級の「アイコニック」の3タイプ。アダプティブビジョンLEDヘッドライトやACC(アダプティブクルーズコントロール)などは全車に標準装備。

「エスプリ アルピーヌ」と「アイコニック」にはさらに「4コントロール・アドバンスド」などを標準装備。そしてさらに「アイコニック」では、インテリジェントACCやレーンセンタリングシステムで構成する高度運転支援機能「アクティブドライバーアシスト」などがプラスされている。

SPECIFICATIONS
ルノー・エスパス|Renault Espace
グレード:Full Hybrid E-Tech 200ch techno(フランス仕様)
ボディサイズ:全長4746×全幅1830×全高1645mm
ホイールベース:2738mm
最低地上高:180mm
乗車定員:5または7人
車両重量:1598kg(5人乗り)/1632kg(7人乗り)
エンジン:直列3気筒ガソリンターボ
総排気量:1199cc
最高出力:96kW(130ps)/4500rpm
最大トルク:205Nm(20.9kgf-m)/1750rpm
駆動用モーター最高出力:50kW(68ps)
駆動用モーター最大トルク:205Nm(20.9kgf-m)
システム最高出力:147kW(200ps)
トランスミッション:マルチモードAT
駆動方式:FF
0-100km/h加速:8.8秒
最高速度:180km/h
価格:4万5000ユーロ(邦貨換算約720万円)〜

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