25歳のフィアット・マニア現る! 「600」と「ムルティプラ」イタリア車2台持ちのカーライフ━━ハッサンの<ワカモノ旧車オーナー探訪記>Vol.04
全国のカーマニアを訪ね西へ東へ。カメライター、ハッサン(高桑秀典)の連載第4回目は、趣味系クルマ販売店のスタッフとして活躍しながら自身も個性的なイタリア車に乗っている日比豊人さん(25歳)をご紹介。
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イタ車は噂ほど壊れない!
26年前に買ったアルファロメオGT1600ジュニア(通称:水色号)で息子・娘世代の旧車オーナーを訪ね、自身(現在53歳)が27歳だったときの気持ちを思い出しながら、彼ら・彼女らのリアルな声をお伝えする当連載。
第4回目に登場してもらうのは、1958年式のフィアット600と2003年式のフィアット ムルティプラを愛用している25歳の日比豊人さんだ。
「いまでこそ2台のフィアットを所有していますが、免許取りたての18歳のときに買ったのはアルファロメオでした。自身初のマイカーとなったのは6MT仕様のミトで、グレードは1.4ターボスポーツです。その後、20歳のときに初代パンダの並行モノである2002年式の141型1100カレッジを購入し、スピードライン製ホイールを履いたりして楽しんでいました」
無理することなく買えそうな価格帯の趣味車で、なおかつ安心して乗れそうなクルマを探し、その答えとして以前から乗りたかったMT仕様のアルファロメオをチョイス! これが結果的に大正解で、神奈川県の内陸にある自宅と大学の校舎がある湘南の間をミトで往復していたそうだ。
「ミトを買い、通学に使ったことで、イタ車は大丈夫だということが分かりました。ということで、初代パンダも買ったわけです。141型の1100カレッジを買ったのは、2019年の11月か12月だったと思います」
現在の年齢が25歳なので十分ヤングだが、日比さん、実は“さらに”若い頃から趣味系クルマ販売店のスタッフ(大学生時代はアルバイト)として経験を積んでおり、勤務した全3社のうちの2番目のスペシャルショップにてムルティプラを購入した。
「ずっと好きだったムルティプラを買ったのは2020年2月のことで、それ以来、初代パンダとの2台持ちになりました。大小のフィアットが揃ったことになります。141型の1100カレッジは足をガチガチにし、走りを楽しむ用として乗っていたので遠出するのがキツかったのですね。でも旅行も好きで、普通に乗れるクルマも欲しかったこともあり、快適にロングドライブを堪能できるムルティプラを導入しました」
スペシャルショップの端っこで放置状態だったというムルティプラは、外装こそカサカサだったが、クルマそのものは生きていたらしく、内装とエンジンの調子はヨカッタそうだ。
初代パンダではパンダリーノという名のフィアット・パンダ・オーナーズ・ミーティングのみならずモータースポーツに参戦することも楽しんでいたそうで、ナリタモーターランド、フィアットフェスタ、御岳サリータ(ヒルクライムイベント)などで勇姿を披露していたらしい。
フィアット・マニアの夢
「141型の1100カレッジとムルティプラの2台体制を3年間ぐらい楽しみ、初代パンダを売って、1~2カ月後ぐらいにフィアット600を購入しました。クラシックモデルに乗り換えたことで、いまとなっては完全にフィアット・マニアということになりますね(笑)。この600は2023年12月にイタリアから日本に来て、2024年の2月ぐらいから日本の道を走っています。カタチだけでなく、ツートンカラーと後ろヒンジのドアも好きで、さまざまな個人的希望条件とピッタリ合致したので輸入することにしたんです」
3社の趣味系クルマ販売店で経験を積んだ日比さんは、結婚し、熊本市内に引っ越すことになっている。2025年の年始にスペシャルショップを開業するのだという。
「もともとお店をやりたいと思っていて、3軒で修業させていただきました。熊本市内で開業するので、検索してみてください。600もムルティプラもショップのイメージカーとして使えますね。九州は信号が少ない道があるので、ワインディングロードを走るのも楽しみです。フィアットは、これからもずっと乗っていたいクルマですね。600は、いま60%ぐらいの状態なので、それを70とか80%にしたいです。ムルティプラもリフレッシュしたいですね」
いつかはオープンカーにも乗りたいと話してくれた日比さん。フィアット850スパイダーと過ごすカーライフにも憧れているのだとか。いまは、45のパンダやウーノも気になるし、黒いシトロエン・ディアーヌにも乗りたいという。イタフラ全般を扱うショップが熊本市内で誕生するのかもしれない。
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