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最終更新日:2025.01.30 公開日:2025.01.30

ジムニー5ドアが日本にやって来るヤァ! ヤァ! ヤァ! スズキ新型「ジムニー ノマド」が発売決定。【新車ニュース】

スズキは1月30日、ジムニーシリーズの新型5ドアモデル「ジムニー ノマド」を2025年4月3日から販売開始することを発表した。日本導入のアナウンスを待ち望んでいた人も多い事だろう。現行の3ドア「ジムニー シエラ」と何が違うのか、じっくりと見てみよう。

文・写真=原アキラ

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インド製のジムニー 5ドア、その名はノマド

スズキ ジムニー ノマド|Suzuki Jimny Nomade

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今回の原稿のタイトルを、ちょっと古いファンならご存知のビートルズの大ヒット映画「〇〇がやって来るヤァ! ヤァ! ヤァ!」に引っ掛けたのは、そう、みんなが待ち望んでいたスズキ ジムニーの5ドアが日本にやって来ることが決まった嬉しさからだ。

5ドアの正式名称は「ジムニー ノマド」。やって来る、という言葉を使ったのは、ノマドがインドのグルガオン工場で生産する輸入車であるため。そして、初めてこのクルマを撮影できたのが日本の象徴である富士山の麓である。

半世紀前の1970年に初代が登場したジムニーは今や世界199の国と地域で活躍している、とか、累計生産台数がすでに349万台に達する、とか、なぜ5ドアの日本導入が遅くなったのか、とかいろいろ話はあるのだろうが、とにかく新しいジムニーの5ドア「ノマド」を見てみよう。

1970年にデビューした初代ジムニー

外観バランス良し、デザイナーは良い仕事!

5ドア化したボディは全長3890mmで、3ドアのシエラより340mm長く(400mm伸ばす計画もあったのだとか)、これはそのままホイールベースの延長分と一致する。

全幅と全高、最低地上高の210mm、オーバーハング部分の形状も変わらないので、36°のアプローチアングルと47°のデパーチャアングルはシエラと同じ。ランプブレークオーバーアングルだけが28°から25°へと減少している。じっくりと眺めてもボディの長さによる間伸び感は全くみられず、全体のまとまりは抜群。デザイナーさんは良い仕事をしている。

丸目2灯で四角い直線基調のSUVボディは、「ベビーGクラス(メルセデス・ベンツ Gクラス)」と呼ばれることもあるようだが、そもそもデビューはジムニーの方が先(オープントップは1970年でメタルトップは1972年、対するGクラスは1979年)だし、パーマネントな形状を求めるとこのスタイルに行き着くのだ。

ジムニー ノマドでボディカラー「シズリングレッドメタリック」が新設定された。こちらはルーフに別色「ブルーイッシュブラック」を使用したツートンタイプ。

メルセデス・ベンツ Gクラス

撮影のため4枚の前後ドアと横開きバックドアの計5枚を全部開けてみると、本当に使い勝手が良さそうで、ノマドの開発ターゲットがよくわかる。

すなわち、悪路走破性能を最大限活用するプロユーザーに絞り込んでいるシエラに対して、ジムニーの性能を日常生活でも必要としたりそれに憧れを持ったりしている、幅広いユーザーに選んでもらうのがノマドということだ。

5ドアをフルオープン! 人の乗り降りも荷物の出し入れもかなり便利になった印象だ。

新たに“赤”が仲間入り

ドア以外のエクステリアでは、フロントの5スロットグリルがガンメタ&クロームになったこと、タイヤがBSの「デューラーH/L」になったこと(静音化を徹底?)、バックドアの「NOMADE」のエンブレムが、好評だった初代エスクード5ドア「ノマド」のもの(こちらはデカールだった)を彷彿させるデザインを採用したこと、などが目立った変更点だ。

また、ボディカラーに機能を持たせるのがジムニーの特徴で、目立つ性能のハイビジリティカラーと、隠れる性能のロービジリティカラーがそれ。前者はシエラでは「キネティックイエロー」だったのに対して、ノマドは新しい赤色の「シズリングレッドメタリック」(撮影車のもの)を採用。ルーフをブラックの2トーンにすることで、より上級感が出ている。新色のセレスティアブルーパールメタリックも加わって、ノマドには全6色が用意される。

スズキ ジムニー ノマド|Suzuki Jimny Nomade

5ドア化による恩恵とは?

ドア幅が100mm短くなったフロントドアを開けて見えるブラック基調のインテリアは、基本的にはシエラと変わらない。撥水ファブリックのシートをはじめ、独特のシボ感がある樹脂を使用したインパネ周りは高級とか低級とかいう物差しとは異なる、しっかりとした仕事場感に溢れていて素晴らしい。Bピラーが前方に出たことに伴ってシートベルトの取り付け位置がドライバーに近くなり、あまり体を捻らなくても手が届くようになったのは5ドア化による恩恵だ。

スズキ ジムニー ノマド|Suzuki Jimny Nomade

1段のリクライニング機構がつき、クッションの厚みを増したリアシートはさすがにかけ心地が良くなった。とはいえヒザ周りは50mm伸びただけなので広々という訳ではない。さらにリアのドア幅はミニマムに抑えられているので、乗降性はギリギリOK。

足抜き性を良くするため、Bピラーやリアドアのトリムを丸く面取りし、リアシートやその下部の角を大きくカットしている。当初はドアを開けるとステップ部分に平らな面が残っていてそこについ足をかけてしまうテスターがいて危険だったので(強度がないため)、完成間際になって三角形の造形部を後付けして、足乗せ禁止のマークまで取り付けた。

スズキ ジムニー ノマド|Suzuki Jimny Nomade

また、ドアハンドルの位置がシエラと同じ高さだとリアホイールアーチに干渉してしまうため、前後ともに5mm高くし、さらに外側にでっぱらせることでそれを解決。リアウインドウガラスも下端まできっちり下げられる。

ラゲッジルームの奥行きは590mmを確保。樹脂がむき出しだったシエラより350mmも長く、トリムやカーペットを敷くことで広さと上質感がアップしている。

スズキ ジムニー ノマド|Suzuki Jimny Nomade

パワートレインは変更なし

1.5リッター直列4気筒エンジンと4ATまたは5MTのパワートレインには変更なし。全長拡大と重量増への対応としては、ラダーフレームのセンターを伸ばしてクロスメンバーを追加、AT構成要素の高強度化、フロントブレーキを放熱性の高いベンチレーテッドディスク化、後部プロペラシャフトの長さと直径の拡大、フロントサスペンションのバネやショックの最適化とスタビライザー径の拡大などで対応している。

当日は、駐車場から撮影ポイントまでという短い距離ながら運転する機会があって、凹凸部分を通過する際にはラダーフレーム&リジッドアクスルのクルマにありがちな乗り味のネガなところは全く顔を出さず、さらに室内の静粛性が高いのにも驚かされた。

5ドア化の企画は歴代ジムニーの中でも毎回出続けながら、全て頓挫してきたという。3ドア以外はジムニーにあらず、というピュア派の社内の声もあったと聞くが、やっぱり海外でも日本国内でも待ち望んでいる人多数の5ドアバージョン。

ジムニー ノマドの価格はMTが265万1000円で、ATが275万円、発売は4月3日を予定している。とにかく欲しい人は絶対に買うはず(誰もが思っていることだけれども)。間違いなく売れます!

ジムニー ノマドには1.5リッター直列4気筒エンジンを搭載。

SPECIFICATIONS
スズキ ジムニー ノマド|Suzuki Jimny Nomade
ボディサイズ:全長3890×全幅1645×全高1725mm
ホイールベース:2590mm
車両重量:1180kg(※1190kg)
駆動方式:4WD
エンジン:1.5リッター水冷4サイクル直列4気筒
最高出力:75kW(102PS)/6000rpm
最大トルク:130Nm(13.3kgf-m)/4000rpm
燃料消費率(WLTCモード):14.9km/L(※13.6km/L)
トランスミッション:5段MTまたは4段AT
価格(税込):265万1000円(※275万円)
※はAT車

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