ジウジアーロ・デザインに魅せられて「いすゞ117クーペ」を即決!━━ハッサンの<ワカモノ旧車オーナー探訪記>Vol.03
全国のカーマニアを訪ね西へ東へ。カメライター、ハッサン(高桑秀典)の連載第3回目は、ホンダNSX(NA2型)に乗っていた父親の影響でクルマ好きになってしまったryoさん(29歳)をご紹介。
ポロGTIからエアコンレスの117クーペにチェンジ!
26年前に買ったアルファロメオGT1600ジュニア(通称:水色号)で息子・娘世代の旧車オーナーを訪ね、自身(現在53歳)が20代だったと頃の気持ちを思い出しながら彼ら・彼女らのリアルな声をお伝えする当連載。
第3回目に登場していただいたのは、2年前の春に「いすゞ117クーペ」(1978年式/自身初の旧車)を購入したryoさんだ。
「父親がホンダNSXやCB750に乗るような根っからの趣味人で、サーキットにも連れて行ってもらったりと、子どもの頃からよくレースを観ていました。その影響もあって私もクルマ好きになり、大人になって117クーペを購入するに至った、ということですね。そういえば、まだ父親に117クーペを見せていません。実家まで乗っていくか、父親がこっちまで見に来るか、どちらが先になりますかね(笑)」
そのように話してくれたryoさんによると、父親とレースを観戦していたことが少なからず関係しているのだと思うが、自身もサーキットを走りたくなり、若い頃にHA23S型のスズキ・アルトを購入。足まわりにレース用のパーツが組んであるものの、トランスミッションが壊れていて3万5000円だったというアルトで軽自動車のレースに参戦していたのだという。
「最初に買ったアルトはレース中に横転させてしまい、先輩から同じHA23S型を譲ってもらいました。同時期に軽自動車の耐久レースにも出たくなって、HA23V型のアルトまで買ってしまいました……」
その後、2009年式のフォルクスワーゲン・ポロGTI(4代目の9N型)とトヨタ・アルテッツァを増車し、HA23V型アルトとの3台体制となったが、仕事の都合で東京に来ることになり、愛車をポロGTIだけに集約。彼女がryoさんの影響で2014年式のフォルクスワーゲン・ザ・ビートルを買ったこともあり、思い切ってポロGTIをエアコンの無い117クーペにチェンジしてしまったそうだ。
117クーペの魅力はジウジアーロの美しいデザイン
「117クーペは、ジョルジェット・ジウジアーロがデザインした美しいプロポーションが好きで購入しました。いつかは旧車に乗ろう! と昔から考えてましたが、スタイルがいいのにも関わらず117クーペはやけに安く、いまなら買えるかもしれないと思ったわけです。クルマ好きの芸能人の方々が旧車に乗り始めたこともあり、値段が上がってしまう前に買うべきだな! とも考えたので、一念発起して購入しました」
もちろん旧車を買うことについては、事前に彼女に相談していたそうだが、いすゞ専門店にひとりで見に行ったときに「その場で買ってしまった」らしく、ryoさん曰く、このボディカラーでこのプライスの117クーペはもう出てこないだろうと思い、即決したのだそう。
「私が買った安価な117クーペは、グレードが廉価版のXTなので、パワステなし、エアコンなしで、エンジンがシングルキャブの1.8リッターSOHCなのですね。やはり、エアコンがないのが一番困る点で、電動エアコンか軽自動車のコンプレッサーを使ったエアコンの装着を考えています。この夏は猛暑で昼間に乗ることがツラかったので、夜に気晴らしのドライブを楽しんでいました」
取材の最後に、いつか乗ってみたいクルマは? と尋ねたところ、メルセデス・ベンツの「W124型Eクラス」(ワゴンでもセダンでもOK)と「W126型Sクラス」という、117クーペとはキャラクターがまったく異なる2台の車名を挙げてくれた。
ryoさんの好みが今後どちらの方向に進むのか、ジウジアーロ仲間として見守ることにしよう。
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