新紙幣千円札の裏側に描かれた作品に迫る。特別展「北斎グレートウェーブ・インパクト ―神奈川沖浪裏の誕生と軌跡―」【新着ドライブスポット】
墨田区・すみだ北斎美術館で現在開催中の特別展が話題だ。理由は20年ぶりに発行される新紙幣の千円札裏面に葛飾北斎の「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」が採用されたから。新千円札を使用する前に、この作品を深掘りしてみてはどうだろう。
2024年7月3日(水)、私たちに身近なお札である一万円券、五千円券、千円券が2004年11月以来、20年ぶりに一新された。そのうち千円券の裏面には、葛飾北斎の「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」が採用されている。このことを記念して、「神奈川沖浪裏」がどのような背景で誕生したか、この図柄がさまざまに利用されてきた軌跡、海外で「グレートウェーブ」の通称で親しまれる影響、広がりなどを紹介する特別展「北斎グレートウェーブ・インパクト ―神奈川沖浪裏の誕生と軌跡―」が東京・墨田区のすみだ北斎美術館で開催中だ。
財務省によれば、日本を代表し日本人にも馴染みの深い富士山をモチーフとしていること、江⼾時代の浮世絵師・葛飾北斎の代表作として知名度も高く、世界の芸術家に影響を与えた作品であることが、採用の理由とされている。
本展の構成&見どころは?
本展の冒頭では、メインテーマである「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」と新千円券について紹介。その後、グレートウェーブ誕生の⼟壌となる⻄洋の影響を、北斎や門人らの作品を通して伝える「第1章:江⼾の⻄洋ブーム ―海外へのあこがれ」。北斎が影響を受けたと考えられる作品や画派を紹介するとともに、どのように北斎の描く波が変化したのかを⾒る「第2章:グレートウェーブ誕生 ―その波は、どこから来たのか」。グレートウェーブが北斎以後の絵師やアーティストたちに与えた影響、またプロダクトデザインに利用されてきた軌跡をたどる「第3章:グレートウェーブインフルエンス ―その波は、どこへ行くのか?」の3章で構成される。
また、「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」に影響を受けた浮世絵師、現代アーティスト、工芸作家らの作品を展示し、グレートウェーブの波及力もたどっていくのも見逃せない。北斎の門人である葛飾北為、幕末の浮世絵師を代表する歌川国芳、その国芳の門人で浮世絵の衰退期に人気を誇った月岡芳年の作品、多方面で活躍している漫画家のしりあがり寿氏など、「神奈川沖浪裏」の影響を受けている作品は見ものだ。
INFORMATION
特別展「北斎 グレートウェーブ・インパクト ―神奈川沖浪裏の誕生と軌跡―」
開催日時:2024 年6月18 日(⽕)〜8月25 日(日)※前後期で一部展示替えを実施
前期:6月18 日(⽕)〜7月21 日(日)、後期:7月23 日(⽕)〜8月25 日(日)
[※休館日 毎週月曜日 開館:7月15 日(月・祝)、8月12 日(月・振休) 休館:7月16 日(⽕)、8月13 日(⽕)]
会場:すみだ北斎美術館 3 階・4 階展示室
開館時間:9:30〜17:30 (入館は17:00 まで)
観覧料:一般 ¥1,500、高校生・大学生 ¥1,000、65 歳以上 ¥1,000、中学生 ¥500、 障がい者 ¥500、小学生以下は無料
ホームページ https://hokusai-museum.jp/GreatWaveImpact/