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最終更新日:2024.04.04 公開日:2024.03.29

若者とオッサンのハートを鷲掴み! “ネオクラ旋風”が 日本のバイクを盛り上げる! 【東京MCS2024】

毎年3月に開催される「東京モーターサイクルショー 」。今年も国内外メーカーが勢揃いし、新型モデルやコンセプトモデルなど多くの車両が発表・展示された。今回はイベントで注目を集めた車両から、2024年のトレンドや各メーカーのモデル展開の傾向を読んでいく。

文と写真=安室淳一

ホンダ GB350Cの存在感を示すタンク、フェンダー、フロントフォーク

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日本ではいま、ネオクラシックがムーブメント!

関東近圏を中心に多くのライダーたちが毎年楽しみにしているオートバイの一大イベントが「東京モーターサイクルショー 」。近年はコロナ禍での“密”を避けることができる有効な移動手段としてオートバイが再注目され、免許取得者やオートバイ所有者も増加。街中でも多くのライダーを見かけるようになった。

現在、その勢いは落ち着いたものの、今回のイベントには3日間で11万3905人もの人々が会場を訪れた。コロナ禍収束後、このイベントで少々様子が変わったと感じるのが会場を訪れる客層で、これまではオートバイ世代と呼ばれる中高年がほとんどだったが、ここ数年は会場内のあちこちで若者や女性の姿を多く見かけるようになった。

そんな新たなライダー層たちを魅了しているのが、「ネオクラシックモデル(ネオクラ)」と呼ばれるクラシカルな見た目に最新のパーツを使用した車両だ。スピード感溢れるカウルを纏ったボディに扱いやすくも力強い走りを発揮する先進エンジンを搭載したライトスポーツモデルは、多くのモデルが排気量250〜400ccで展開され、普通二輪免許で乗れることが人気となっている。

期間中の天候はイマイチも来場者数は3日間で11万3905人。ピークは土曜日の4万6200人。

ヘルメットメーカーSHOEIの目玉はバリバリ伝説とのコラボモデル

国産モデルはネオクラシカル&ライトスポーツが人気!

バイク業界でも久々の大ヒットとなったのがホンダの「レブル250」で、それに続けと登場させた「GB350」もまた大人気モデルとなった。今回、そんなホンダが今回のショーで新たに発表したのが「GB350C」。GB350をベースとして前後フェンダーやタンクやサイドカバーが変更され、さらにカバードフロントフォークや美しいロングマフラー、そしてセパレートタイプのシートなど、クラシカルな雰囲気たっぷりのレトロ好きにはたまらないモデルとなっている。

ホンダが今年期待しているGB350C

また、ライトスポーツモデルで高い人気を誇っているのがカワサキのニンジャ250&ZX–25Rといった車両で、特に若者たちからの支持が熱い。そのカワサキブースで一際注目されていたのが、こちらもGB350Cと同じく、クラシカルな佇まいが魅力の「メグロS1」と「W230」の兄弟車で、昭和に活躍した名車の名前だけでなく、美しさや雰囲気も継承したものとなっている。

カワサキのクラシカルな伝統を受け継ぐW230

その他にヤマハやスズキは上記と同じカテゴリー・排気量の新型モデルの登場はなかったが、ヤマハはネオレトロスタイル&存在感十分のボディが魅力の125ccモデル「XSR125ABS」、スズキは街中からサーキットまでフレキシブルな走りを楽しめる新時代のスポーツバイクモデル「GSX-8R」が各ブース内でも一際ライダーたちの熱い視線を浴びていた。

スズキの新たなスポーツバイクを担う存在となるGSX–8R

国産モデル人気を揺るがす、魅力的な軽二輪輸入モデルが続々と登場!

一方、輸入車では昨年から普通二輪免許で乗ることができる250〜400ccクラスのモデルが続々と登場している。各メーカーともに新たな層の獲得に乗り出し、扱いやすさと比較的手頃な価格帯、そして輸入車ならではのデザイン性や存在感を魅力として押し出している。

競争が激しくなってきているこのクラスで注目の存在となっているメーカーがロイヤルエンフィールドで、 「メテオ」、「ハンター」、「クラシック」といった350ccクラスの豊富なラインナップに、さらにこの3月にブースのステージにも飾られていた「ブリット350」が新たに加わった。この90年の伝統を継承したモデルは、ヘッドランプの上のパイロットランプ「タイガーアイ」や骨太なグラブバー、見た目だけでなく快適性にもこだわったシングルベンチシートを特徴とし、クラシカルかつ精悍な雰囲気が魅力となり、こちらも人気になりそうな予感。

ロイヤルエンフィールドのブリット350(サンゴーマル)

また、クラシカルなスタイルのバイクが人気のトライアンフブースの中央に展示してあったのは新型400シリーズの2台。無駄を削ぎ落としたモダンカスタムスタイルを表現したロードスターモデル「スピード400」とスクランブラーの伝統のスタイルを継承し、オンロードからオフロードまで幅広く楽しめるオールラウンダーモデル「スクランブラー400X」は、エントリーモデルながらも先進の装備が充実。どちらもバイクライフを満喫可能なモデルとなっている。

トライアンフの400ccロードスターモデル、スピード400

その他では、昨年秋に話題を呼んだハーレーダビッドソン初の軽二輪モデル「X350」をはじめ、アグレッシブな走りとスタイルが特徴の「390デューク」はKTMブランドの中でも高い人気を誇る。また、ミニマムでスタイリッシュなデザインが魅力のハスクバーナの「スヴァルトピレン 401」に、ファッション好きな若者ライダーたちから注目されているイギリスのマットモーターサイクルズの新型モデル「DRK-01」などのモデルも人気で、跨るライダーたちが後を絶たなかった。

モデルチェンジが行われたハスクバーナのヴィットピレン401

ステップアップの概念がない!? 新たなライダー層の特徴とは?

このように、新たなライダー層である若者や女性、そしてリターンライダーたちは、ネオクラシカルなモデルやフルカウルのスポーティなモデルに現在注目しているようだ。

ただし、若者や女性とリターンライダーたちではオートバイの選び方の基準は少々異なる。例えば若者や女性は見た目の好みや格好良さを重視しつつ、ツールとしての楽しさや繋がりも求めてオートバイ選びをしている。一方でリターンライダーはというと、もちろん自身の好みを求めつつも昔のような攻めた乗り方をすることはなく、気軽に気持ちよく乗れるオートバイを求めていることが多い。

両者に共通することは、昔のようなオートバイを徐々にステップアップさせていくという考えの人は少なく、今自分が乗りたい、欲しいというものを手に入れて、無理をすることなく、自身のペースで楽しみたいということ。令和時代の新たなライダー層はそんな風にオートバイを楽しむ傾向にあると感じた。

その選び方や楽しみ方に共感するオートバイに興味を持つ人は、今回紹介したようなモデルを愛車候補のひとつに入れてみてはいかがだろうか。

オートバイと共にブースに華を添えるキャンペーンガールたち

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