第3回『岬めぐり』 山本コウタローとウィークエンド
2015年にJAFとTOKYO FMが行なった『思い出すDrive あのキョク!! アンケート』の上位にランクインした曲の中から課題曲を選び、その曲をよりうまく歌うためのコツをナビゲートするミュージックメイト実践編。
今月は、アンケート第9位のフォークソングの名曲、山本コウタローとウィークエンドの『岬めぐり』です。
歌は語る
フォークソングは迫力や豪華さよりも、素朴さやピュアな感情表現が魅力です。そうした魅力を歌で表現するには力を入れすぎないこと、上手に歌い上げようとしないことがポイントとなります。
『岬めぐり』もそうですが、それ以外の多くの曲でも、サビに行くまでのパートは情景描写や登場人物の内面が歌詞になっている場合が多く、むしろ、抑揚をつけないで淡々と歌うくらいの意識で歌ったほうが聴いている人に歌の心情が伝わります。歌詞がスムーズに伝わり、聴く人に想像させる部分が多くなるからです。ムダな抑揚やクセなどをつけずに、歌うというよりは語りかけるように歌うことを心がけてください。
サビは小細工をせずに地声で
『岬めぐり』はサビの中盤で音域が高くなります。こうした場合、ファルセット(裏声)を使ったりしがちですが、頑張って地声で歌いきってみましょう。
フォークソングの場合、歌のテクニックよりも、歌に寄せる思いの強さが伝わったほうが曲の魅力とマッチします。たとえ、音が外れても一生懸命さが伝わるほうが、小細工をして上手にまとめるよりも、曲自体が持っている素朴な魅力を伝えることができるのです。
『岬めぐり』の場合、サビの最後の部分では、もう一度、サビに行くまでのパートのように語りかけるように淡々と歌うことに戻ると、より情感が増します。そうすることで、歌い終わりに余韻を残すことができ、曲全体の淡々とした感じがより際立ちます。
今回の『岬めぐり』に限らず、やみくもに情感を込めるのではなく、淡々と歌ったほうが魅力が伝わる歌があるということは、皆様がワンランク上のカラオケライフを楽しむためのヒントになるはずです。
次回は米米クラブの『浪漫飛行』を課題曲に、「リズムをタテたらヨコに流そう」と題して、「ノリ」の話をお届けします。お楽しみに!