世界初公開モデルが13種!? スズキがモビリティショーに出展する次世代モビリティをまとめて紹介!
スズキは10月26日から11月5日にかけて、東京ビッグサイトで開催されるJAPAN MOBILITY SHOW 2023に、四輪車、二輪車のコンセプトモデルや次世代モビリティなどを出展する。どれも目を惹くモデルばかりだが、今回は日本、または世界初公開となる13モデルを紹介する。
これが総合モビリティメーカーの本気か!
スズキが10月26日~11月5日に東京ビッグサイトで開催される、ジャパンモビリティショー2023(以下、JMS2023)に出展するモビリティやサービスを発表した。スズキの出展ブーステーマは「世界中に、ワクワクの、アンサーを。」で、これは「将来のカーボンニュートラルにむけたスズキの多様な取組みを、スズキらしいモビリティやサービスでお客様にお届けする。」というメッセージと、ワクワク感の演出を目的としたものだ。
スズキからは21項目におよぶモビリティやサービス・アプリの出展が発表されたが、その中でも特に異彩を放っている、日本や世界で初公開となる13種のモビリティを紹介しよう。
四輪部門(クルマ)からは、スズキのEV世界戦略車第一弾となるSUV「eVX」、未来感が溢れる軽ワゴンEV「eWX」、既存モデルの「スペーシア」、「スイフト」のコンセプトモデルが参考出品。
二輪部門(バイク・自転車)からは、50ccスクーターのチョイノリに電動ユニットを搭載した「e-choinori」が参考出品、水素エンジンをビッグスクーターのバーグマン400 ABSに搭載させた「水素エンジンバーグマン」が試験車両として技術展示される。
そして、特に注目したいのが、スズキの総合モビリティメーカーとしての技術を結集して提案したという“次世代四脚モビリティ”と、“電動パーソナル/マルチユースモビリティ”などの存在だ。まずはこのクルマでもバイクでもない、不思議なモビリティ5種から紹介していこう。
クルマとバイクを合体させたモビリティ?
■次世代四脚モビリティ「MOQBA(モクバ)」
移動の際に段差などが移動の障壁となる人たちに向けた、4つの脚に車輪を付けた次世代モビリティは、バイクのようにシートに跨り、平地は車輪でスムーズに、段差は脚でシームレスに移動できる。段差や斜面に対してどのようにバランスを保つのか、非常に興味深いモデルだ。
MOQBAは他にもベースとなるシャシーとアタッチメントを組合わせて「椅子モード」、「立ち乗りモード」、「担架モード」などへのモード変更が可能。さらに、乗車部を別ユニットに交換することで、物を集めたり、運ぶのに便利な仕様にもなる。
獣型の4足歩行ロボットを連想させ、どこか愛嬌があるこの「MOQBA」という名称には、Modular、Quad、Based、Architectureの頭文字が使われ、“四脚をベースとしたモジュラー構造”という意味があるそうだ。参考値として、サイズは全長1315mm×全幅915mm×全高1545mmとなる。
■電動パーソナル/マルチユースモビリティ「SUZU-RIDE/SUZU-CARGO」
電動キックボードなどの新しい車両区分(特定小型原動機付自転車)のような手軽さを持ちつつ、四輪によって転倒しづらく安定した走行が可能な、一人乗りの電動モビリティ。「SUZU-RIDE」は、パーソナルユースとして毎日の生活、通勤・通学をもっと楽しくする移動用に、「SUZU-CARGO」は、マルチユースとして大きな荷台を備え、遊びや仕事をもっと楽しくする移動として提案する。
■電動新モビリティ 「SUZUKI GO!」
ミドルシニア層にいつまでもアクティブな気持ちで乗ってもらえるようデザインされた、新しいモビリティ。横から見ると「G)の形になっている外観は、四隅の大径タイヤと台形シルエットにより安定感を持たせ、フレームは搭乗者を包み込む「ラップアラウンド・フレーム」形状とすることで、搭乗者の心理的な安心感にもつながるデザインとなっている。
他にもジョイスティックによる簡単な操作と、障害物との接近時に自動減速する安全機能や、シート下の大容量収納スペースなどにより、便利で安心できる移動体験を提供する。
■ラストマイル配送ロボット 「LM-A」
「物流の2024年問題」や「買い物弱者」といった社会課題の解決を目指した、スズキとLOMBY社が共同開発している配送ロボット。モーター類や車台などの足回りはスズキが開発、荷室部と遠隔操作・自律走行システム、交換式バッテリーシステムは、LOMBY社が開発を担当している。
クルマ部門の新顔はEV軽ワゴンとSUV!
■スズキのEV世界戦略車第一弾「eVX」
2023年1月にインドで開催された「Auto Expo 2023」で初めて公開したeVXのエクステリアをさらに進化。インテリアの公開は今回の展示が世界初になる。電子制御の四輪駆動技術を進化させ、「世界のSUZUKI」のSUVに相応しい本格的な走行性能を実現。参考値として、サイズは全長4300mm×全幅1800mm×全高1600mmで、航続距離が500km。
■毎日の生活に寄り添う軽ワゴンEV「eWX」
スズキの楽しく実用的な軽ワゴンと、EVらしい先進感をクロスオーバーさせたコンセプトモデル。親しみやすいキャラクターを施したエクステリアと、軽やかで使いやすく居心地の良い室内空間で、毎日の生活を支える「相棒」のような存在を表現。ハスラーやラパンを未来的にしたようなボディの造形だ。参考値として、サイズは全長3395mm×全幅1475mm×全高1620mm、航続距離が230kmとなる。
■「スペーシア コンセプト」・「スペーシア カスタム コンセプト」
広い室内空間を持つ既存モデルのスペーシアに「日常をもっと楽しく便利に快適に!」の要素を追加したコンセプトモデル。後席には、座面の前方に「マルチユースフラップ」をスズキとして初採用するなど、後席の快適性を向上させた。日常をユニークに彩る心地よさとワクワク感をデザインした「スペーシア コンセプト」と、上質感と華やかさをデザインした「スペーシア カスタム コンセプト」の2車両が展示される。
■ 「スイフト コンセプト」
「Drive&Feel」という言葉を大切に開発し続けてきたスイフトの、新たな価値を提案するコンセプトモデル。スイフト コンセプトは「デザイン」と「走り」だけでなく、「クルマと日常を愉しめる」という新しい価値を提案する。衝突被害軽減ブレーキをはじめ、数多くの先進安全技術を搭載。さらに、高効率エンジンの搭載などにより、走行性能と燃費性能の向上を両立している。
バイク・自転車部門の注目3モデル!
■アシスト自転車の電動ユニットを使用したEVスクーター「e-choinori (イーチョイノリ)」
パナソニック サイクルテック製の電動アシスト自転車用バッテリーと、駆動ユニットを使用した原付一種相当のEVスクーター。2003年に発売した50ccスクーター「チョイノリ」をベースとし、誰でも気軽に近距離移動ができるモビリティとなる。
■水素エンジン バーグマン(試験車両)
スズキはカーボンニュートラルの実現に向けたマルチパスウェイでの取組みの1つとして、水素エンジンの研究開発を行っている。その成果のひとつとして、市販モデル「バ―グマン400 ABS」に70MPaの水素タンクと水素エンジンを搭載した試験車両のカットモデルを展示。会場内のブースでは走行動画も公開予定。
■折り畳み電動モペッド 「e-PO(イーポ)」
電動アシスト自転車のバッテリー、駆動ユニットを使用し、スズキとパナソニック サイクルテックが共同で開発した折り畳みが可能な原付一種相当の電動モペッド。
力強いアシスト力で車道でも安心して走行が可能。さらにスロットル操作で、ペダルを漕がずにスクーターのように走行することも可能で、フル電動走行・アシスト走行・ペダル走行の3モードに切り替えが可能。
以上が日本または世界初公開となる13モデルとなる。スズキは他にもSkyDriveと協業して製造協力している「空飛ぶクルマ」の1/5スケールモデルの展示や、牛のフンから発生するメタンガスを燃料として走行するCBG※車に、湖西工場での水素燃料電池荷役運搬車などを展示する予定だ。とにかく実物を見たいモデルが数多く展示されるので、ブース内は大いに賑わうことだろう。
※CBG=Compressed Biomethane Gas(圧縮バイオメタンガス)の略
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